2018.3.20

玉串料~神式葬儀に限らない「神様への捧げ物」

玉串料~神式葬儀に限らない「神様への捧げ物」

玉串料というと、神式葬儀で用意するもの、というイメージが一般的かもしれませんが、葬儀に限らず、さまざまなシチュエーションで用意する機会があります。というのも、玉串料は「神様への捧げ物」という意味があるからです。
今回は、神式葬儀を含めた、玉串料を用意するシチュエーションや、言葉の由来についてご紹介します。

玉串料は葬儀に限らず用意する、神様へのお供えもの

本来の玉串料は、玉串に代わる供物のこと

葬儀ではお香典の表書きとして使用することの多い玉串料ですが、元々は神道において、「玉串に代わる神様へのお供えもの」のことを意味しました。
神様へのお供えものというと、神道では「神饌」と呼ばれる、お米やお酒、野菜などの供物が思い浮かびます。玉串にも、神饌と同じような意味があったのではないかと考えられます。
ただし神饌と玉串との違いは、神饌がお供えものとしての役割のみになるのに対し、玉串は儀式の中で実際に玉串を捧げる、玉串奉奠を行うことがあることです。

<玉串とは>

玉串は、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)と呼ばれる紙片をつけたものです。神道の儀式の中で、神官は玉串を振りかざし、奉納します。参列者もそれぞれ祭壇に捧げます。玉串を捧げる儀式を「玉串奉奠」といい、葬儀では故人の霊の平安を祈る目的があります。

現在の玉串料は、玉串の代わりにお供えするお礼金

時代を経て、現在玉串料は、葬儀に限らず神社で祭祀祈祷をしてもらう際に、玉串の代わりにお供えする「お礼金」を意味するようになりました。神様へお供えする玉串がない代わりに、神前にお金を奉納します、ということです。
お礼金はのし袋に入れることが多いので、のし袋の表書きに書く言葉として使用することも多いです。

玉串料は、玉串奉奠をする場合でも用意する

玉串料は、実際に玉串を捧げる機会がある場合でも、用意するのが基本です。
例えば葬儀でも、儀式の玉串奉奠を行います。遺族も実際に玉串を祭壇に捧げますが、それとは別に玉串料を用意し、神社や神官にお礼金として渡します。

葬儀で用意する玉串料の目的

神式葬儀参列時に用意するお香典の表書き

玉串料を用意する機会は葬儀に限らないとはいえ、一般的には神式葬儀の参列時に用意する場合が多いです。
神式葬儀に参列する場合は、お香典や供物の表書きを「玉串料」と書くことが一般的だからです。

お香典の表書きは「御榊料」でもOK

神式葬儀のお香典の表書きは、玉串料以外に「御榊料」とする場合もあります。御榊料とする場合も、玉串料と同じ「神前に捧げる榊のために」という意味になります。

葬儀の際に渡す謝礼金の表書き

玉串料は、通夜祭や葬場祭でお世話になった、神社や神官に対するお礼金の表書きにも使用できます。お礼金は、仏式葬儀でいうところの、「お布施」と同じような目的で渡すものです。神式の法要にあたる、霊祭を執り行ってもらった場合も同様です。

現在、謝礼金の表書きは「御礼」のほうが主流な面も

神社や神官への謝礼金に書く表書きは、玉串料以外に、「御礼」や「御神饌料」や「御祈祷料」、「御祭祀料」などとすることもできます。
どちらかというと現在は、お礼金に書く表書きを玉串料より、「御礼」とするほうが一般的でもあるようです。

葬儀に限らず玉串料を用意する機会はさまざま

玉串料は葬儀以外での謝礼の表書きにも用いる

神社や神官に祭祀祈祷をしてもらう機会は、厄払いや地鎮祭、棟上げ式など、さまざまなシチュエーションが考えられます。
玉串料という言葉は、葬儀に関わらず、七五三やお宮参りなどのお祝い事や、各種祈祷、厄払いなどを受ける際に渡す、謝礼金の表書きにも使用できます。

玉串料という言葉を使わないシチュエーションもある

玉串料は神社で執り行うさまざまな儀式で使える言葉ですが、お守りやお札を授かるときには、使用しないのがルールです。玉串料は、あくまで玉串の代わりに納める金銭のことで、お守りやお札は対象にならないためです。

玉串料と初穂料の違い

玉串料と同じくらいの頻度で、お礼金を包むときに使う表書きが「初穂料」です。初穂料も、「神様の神前にお供えするもの」という意味があり、神社や神官に謝礼金を渡す際の表書きに使用できます。

葬儀で渡すお香典の表書きは玉串料とする

基本的に初穂料と玉串料は、どちらを使用しても問題ないとされていますが、お香典の表書きには玉串料とし、初穂料は使用しないのが基本です。
どちらかというと、初穂料は、七五三やお宮参り、結婚式、地鎮祭といった慶事の際や、各種祈祷、厄払いのときに使用するのが一般的な言葉だからです。ほかにもお守りやお札を授かるときや料金を示すときにも、初穂料という言葉を使います。
初穂料と玉串料とはどちらを使用しても問題ないとはいえ、混同しやすいため、葬儀では玉串料、慶事では初穂料とを大まかに使い分けてもいいかもしれません。

<初穂料の由来>

「初穂」は、その年に始めて収穫した稲や穀物など、農作物を意味します。昔は無事に収穫ができたことに対して、神様へ感謝する気持ちとともに、来年も豊作になりますようにという祈りを込めて、大切な初穂を神前へ捧げていました。やがて時代とともに旬の初物として野菜や魚なども奉納されるようになりました。現在は初穂の代わりとして金銭を神前に捧げるという意味で、初穂料と呼ばれています。

玉串料は葬儀に限らず用意するもの

状況によっては玉串料以外の表書きとも使い分けよう

元々玉串に代わるお供え物を意味した玉串料は、現在、儀式を行ったときに玉串の代わりとして奉納する、お礼金のことを指すようになりました。
「玉串料」という言葉自体は、神式葬儀に参列する際のお香典の表書きで使用することが多いですが、葬儀以外で使っても問題ありません。
ただし、目的によっては、ほかの表書きを使用するほうがいい場合もあるので、状況に合わせて使い分けをするといいでしょう。

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