2017.11.15

家族葬とは?家族葬の準備と注意点

家族葬とは?家族葬の準備と注意点

家族葬は、一般的な葬儀に比べ、少人数で故人を見送る葬儀形式です。宗教や慣習など、形式にとらわれない、新しい葬儀の形として定着し、家族葬を選ぶ人も増加傾向にあります。
今回は、家族葬の特徴や準備するのポイントについてご紹介します。

従来の葬儀より小規模で行う家族葬

家族や親しい人だけで行う葬儀の形式

家族葬は、家族やごく親しい友人・知人だけで葬儀を行う葬儀形式のことです。一般的には、15~30人程度の小規模な人数で行います。
核家族化が進み、宗教や形式、慣習にとらわれたくないと考える人が増えたことにより、家族葬を行う人が増えています。

家族葬と密葬との違い

家族葬も密葬も、葬儀をごく親しい人たちだけで行うという点は同じですが、葬儀をどのように完結させるかが異なります。
家族葬は通夜、葬儀、告別式までを一貫して家族やごく親しい間柄の人だけで行い、完結させます。対する密葬は、通夜や葬儀はごく親しい間柄の人だけに知らせ、ひそかに執り行ったあと、改めて周囲に告知し、告別式やお別れ会を行うことが多いです。
ただし、最近は、家族葬のような葬儀形式のことを密葬という場合もあるようなので、同じような意味合いの言葉になってきているとも考えられます。

家族葬のメリット

よりゆっくりと、故人とお別れする時間が持てる

家族葬は、一般的な葬儀に比べて、よりゆっくり故人とのお別れの時間を持てることが、大きなメリットです。
一般的な葬儀では、喪主や遺族は準備や弔問客への対応に追われ、無事に葬儀を進行し、終えることを第一に考える部分があります。家族葬の場合は、故人と親しい間柄の人だけしか葬儀に参列しないので、大勢の弔問客に対応しなければならないことはありません。盛大な葬儀をするより、故人との最後の時間を大切にしたい、と考える人にとって適した葬儀形式といえます。

故人や遺族の思いを葬儀に反映しやすい

葬儀形式がしっかり決まっていないことも、家族葬のメリットのひとつです。一般的な葬儀に比べ、自由度が高いので、故人の遺志や遺族の希望を尊重した葬儀にしやすいです。

葬儀の予算を抑えやすい

家族葬にすると、参列者が限られるため、返礼品や料理の予算など、必要経費も抑えやすいです。葬儀費用をなるべく抑えたいという場合にも、家族葬は選択しやすい葬儀形式となっています。

家族葬をする前に

親族に十分説明し、理解を得る

家族葬による葬儀を検討する場合は、事前に親族に十分に説明し、納得してもらうことが重要です。年配の人や、一般的な葬儀に慣れた人は、家族葬を快く思わないことがあるからです。後々、親族間の付き合いをする上で、心のしこりを残さないためにも、まずは親族の理解を得ておきましょう。

親族の理解が、ほかのトラブル防止にもつながる

家族葬では、お香典をもらう・もらわない、弔問に訪れたくても行けないなどの問題が生まれやすいです。葬儀には故人や遺族との交流があった人以外に、親族とのつながりがあって参列に訪れる人もいます。
親族の理解を得ておくことは、ほかの人とも大きな問題に発展しないよう、助けてもらうことにもつながるはずです。

家族葬の準備

家族葬を行う際の準備のポイントを確認していきましょう。

  1. 葬儀社に希望を伝える
  2. 喪主を決める
  3. 予算を決める
  4. 葬儀会場を決める
  5. 葬儀の宗教を決める
  6. 戒名をどうするか決める
  7. 祭壇を決める
  8. 演出をする場合は、プランを検討する
  9. 葬儀の日時を決める
  10. 葬儀を知らせる範囲を決める
  11. 参列してほしい人たちに電話で知らせる
  12. 香典や供物、供花などを受け取るか
  13. 会葬礼状や返礼品をどうするか
  14. お別れ会を行うか

家族葬の準備(1)葬儀社に希望を伝える

親族から家族葬に対する理解が得られたら、葬儀社にも希望を伝えます。
どのような葬儀にしたいか、なるべく具体的なイメージを伝えることがポイントです。
宗教葬は大きく分けて仏式、神式、キリスト教式がありますが、仏式葬儀の場合は宗派も決めておくほうがベターです。菩提寺がない、信仰している宗教がないなどの場合は無宗教式の葬儀にしてもかまいません。

葬儀社に伝えるときのポイント

  • 家族葬を希望すること
  • 葬儀のイメージ(宗教葬、無宗教葬、)
  • 祭壇のイメージ

必ず見積もりを

葬儀社にある程度希望を伝えたら、プランの提案があるはずです。そのまま依頼すると、思わぬ高額になることもあるので、必ず見積もりを出してもらいましょう。オプション料金が発生することもあるので、見積もり以外に追加料金がかかるかどうかも確認しておくと安心です。納得した上で依頼するようにしましょう。

家族葬の準備(2)喪主を決める

家族葬の場合も、葬儀の主催者となる喪主を決めるのが一般的です。一般的な葬儀と同様、家族葬の場合も喪主は法律上の相続人になる人(配偶者や長男、長女など)が務めるといいでしょう。

家族葬の準備(3)予算を決める

予算を決めるときは、故人の遺志を尊重し、遺族にとっても無理のない程度にすることが大切です。家族葬であっても、ある程度まとまった費用は必要ですが、「生前、故人が貯めていた葬儀費用の範囲内で行う」といったように大まかにでも決めておくといいでしょう。

家族葬の準備(4)葬儀会場を決める

従来の葬儀であれば、自宅、寺院などが選択肢としてありますが、家族葬の場合はセレモニーホールのような斎場を利用するケースが主流です。ただし斎場によっては葬儀社が所有しており、その葬儀社に葬儀を依頼しなければ斎場を利用できないこともあるので注意しましょう。
葬儀会場は、参列者の利便性も考慮し、アクセスしやすい場所を選ぶことも大切です。

家族葬の準備(5)葬儀の宗教を決める

仏式の家族葬

仏式による家族葬は、従来の葬儀と同じように僧侶を招き、通夜、葬儀、告別式を行い、火葬後は環骨法要、精進落としまで行うのが一般的です。
仏式家族葬にする場合は、菩提寺があれば連絡し、葬儀の日時を打ち合わせするといいでしょう。菩提寺がない場合や、遠方にある場合は、菩提寺から同派の寺院を紹介してもらうか、葬儀社に相談して紹介してもらうこともできます。
家族葬らしく、もう少し自由な形で葬儀を行いたいと思う場合は、僧侶を招くのは葬儀・告別式の日だけにして、通夜は家族だけでゆっくり過ごすという形にもできます。もちろん、通夜も葬儀・告別式も僧侶を招かず、遺族や親族で読経をしてもかまいません。
ただし菩提寺があるのに僧侶を招かない場合は、関係にひびが入らないよう、事前に伝えて了承を取っておきましょう。もうひとつ注意したいのは、仏式葬儀では、読経が供養のひとつということです。僧侶を招く場合も招かない場合も故人のために読経をあげることは取り入れるようにしましょう。

神式の家族葬

神式家族葬の葬儀の流れも、一般的な神式葬儀とほぼ同じで、通夜祭や遷霊祭、葬場祭を行うのが主流です。
神式での家族葬を希望する場合に注意したいのは、葬儀社によっては神式葬儀の扱いがない場合があることです。神道では死をけがれとするので、葬儀を神社で行うことはできません。葬儀社を探すときに、神式家族葬が行えるかどうか確認するようにしましょう。

キリスト教式の家族葬

家族葬はキリスト教式でも行うことができます。仏式葬儀の通夜にあたる通夜の集いや前夜式、葬儀・告別式の流れは、一般的なキリスト教式葬儀と同じと考えていいでしょう。
キリスト教の信者でない人がキリスト教式の家族葬を行いたい場合は、プロテスタント派の教会に依頼するといいでしょう。カトリック派は基本的に、信者でなければ葬儀を行えないからです。

より宗教や形式にとらわれない自由葬

最近は菩提寺がない人や、疎遠になっている人が増加しており、より自由な発想で葬儀を行う、自由葬を選ぶ人も増えています。
自由葬は、無宗教式の家族葬や、仏式葬儀をアレンジした家族葬、通夜と葬儀・告別式とをまとめて行う通夜葬という形などがあります。中には火葬だけで見送る火葬式(直葬、荼毘葬)を選ぶ人もいます。
自由葬は形式もマニュアルもないので、故人の希望や遺族の思いを取り入れた葬儀ができるのが魅力ですが、その分自分たちで進行や演出を考える必要もあります。満足いく葬儀にするためには、より一層親族への説明や理解が必要ですし、協力してくれる葬儀社選びも大切です。

家族葬の準備(6)戒名をどうするか決める

戒名がないと埋葬できないことがある

仏式での家族葬をする場合は、戒名の問題も考えておきましょう。戒名をつけてもらう場合は、僧侶への依頼や、戒名料の予算も葬儀費用に組み込んでおく必要があるからです。
戒名は絶対に必要なものではありませんが、菩提寺がある場合や、寺院墓地に埋葬する予定の場合は、戒名がないと埋葬できないことがあります。もし戒名を依頼しない場合は、事前に僧侶に理由を話し、俗名でもかまわないか確認しておきましょう。

家族葬の準備(7)祭壇を決める

葬儀の会場や、どんな宗教で行うかが決まったら、祭壇を選びましょう。葬儀社によっては宗教別の祭壇や無宗教の祭壇が用意されていることがあります。大きさや飾り付けの程度もさまざまなので、イメージや予算に見合った祭壇を選びましょう。

家族葬の準備(8)演出プランの検討

家族葬の魅力のひとつは、形式にこだわらず葬儀が行えることです。斎場によっては、葬儀の中に、映像や音楽を取り入れることもできます。
最近は写真や年表で故人の人生をまとめたメモリアルコーナーを作る、故人の思い出のVTRを葬儀の中で流すといった、故人らしさが伝わるような演出をする人も増えています。
演出の仕方は人それぞれなので、故人が好きだった曲をBGMに流す、楽器が得意な友人に生演奏を頼むといった演出方法もあります。
故人らしさを感じる演出をすることは、遺族や参列者にとっても、故人との思い出を心に刻むことにつながりそうです。

家族葬の準備(9)葬儀の日時を決める

葬儀の日時については、葬儀社に相談するのがベストです。友引の日や年末年始は火葬場が休みということもあるからです。
遠方から来る親族がいる場合は、移動時間のことも考慮するといいでしょう。

家族葬の準備(10)葬儀を知らせる範囲を決める

家族葬を行う日時が決まったら、故人と親しい間柄だった友人・知人など、葬儀に参列してもらう人の範囲を決めましょう。
参列をお願いしない人たちには、葬儀後、死亡通知という形でお知らせをします。

家族葬の準備(11)参列してほしい人たちに電話で知らせる

参列をお願いする人の範囲が決まったら、電話等で連絡をします。連絡をするときは、必ず葬儀を内々の家族葬で行うことを伝えてください。香典や供物を受け取らない場合は、そのことも伝えるようにします。

家族葬を知らせるときのポイント

  • 誰が亡くなったか
  • 通夜、葬儀・告別式の日時と場所
  • 家族葬で行うこと
  • 電話の相手には参列してほしいこと
  • 他の人には葬儀後に通知を行うこと

家族葬の準備(12)香典や供物、供花などを受け取るか

家族葬の場合は、香典や供物、供花を受け取るか、辞退するかも決めておく必要があります。受け取らない場合は、電話で知らせるとき、もしくは死亡通知を出すときに必ず伝えましょう。
香典や供物、供花については、遺族が辞退したくても、親族の中で納得しない人がいることがあります。家族葬で行うことと同じく、後々トラブルにならないよう、十分に検討し、話し合って決めましょう。

香典を辞退しても持参されたときの対応

以前自分が香典を持参した相手や、親しい間柄の人などは、香典を辞退しても持参されることがあります。自分だけ香典をもらったままになることや、参列者の場合は香典を出さずに通夜ぶるまいや精進落としを受けるのは気が引ける、と感じる人が多いからです。
もし香典を辞退しても持参された場合は、丁寧に気持ちを伝え、お断りしましょう。受付であれば、「大変恐れ入りますが、故人の遺志でご香典はご辞退しております。お気持ちだけありがたく頂戴しますので、どうぞお収めください」と伝えるといいでしょう。

家族葬の準備(13)会葬礼状や返礼品をどうするか

従来の葬儀であれば、参列者から香典を受け取ったときに会葬礼状や返礼品を渡すのが一般的です。ですが、家族葬の場合は小規模の葬儀ですし、決まった形式もありません。会葬礼状や返礼品を渡すかどうかについても決めておきましょう。

家族葬の準備(14)お別れ会を行うか

家族葬は限られた人だけで葬儀を終えるのが一般的ですが、「お別れ会」を開くという選択肢もあります。お別れ会は、葬儀へ参列を依頼しなかった範囲の人たちに、故人とお別れをしてもらう機会です。お別れ会を行う場合は、改めて準備が必要なので、家族葬のことと合わせて葬儀社に相談しておくことをおすすめします。

家族葬の服装

宗教者を招く場合は喪服を着用する

家族葬は決まった形式がないということで、服装に迷う人も多いです。基本的には、僧侶や神主など、宗教者を招いて家族葬を行う場合は、規模に関わらず喪服を着用するのがマナーです。
男性であればブラックスーツを着用するのが一般的です。女性は、和装であれば黒無地に染め抜き五つ紋付き、洋装ならブラックフォーマルと呼ばれるワンピースやアンサンブルなどを着用します。
アクセサリーや小物については、一般的な葬儀の服装に準じます。

家族葬が終わったあとにすること

死亡通知を出す

家族葬を無事に終えたあとは、葬儀を知らせた人以外で、故人と関わりがあった人たちに死亡通知を出します。
死亡通知は、葬儀後1~2週間以内に出すのがマナーです。死亡通知では、亡くなった日時と、家族葬を執り行ったため連絡しなかったことのお詫び、生前の故人に対する感謝を伝えましょう。もし香典や供物、供花を辞退する場合は、そのことも書くようにします。

死亡通知の文例

父△△△△は、去る×月×日、永眠いたしました。享年×歳でした。

ここ数年は体調がすぐれず、入退院を繰り返しておりましたが、先月高熱を出したことがもととなり、かえらぬ人となりました。
葬儀は内々でとの故人の遺志により、家族のみで執り行いました。ご連絡を差し上げなかったご無礼を、どうかお許しください。
ここに生前賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに、謹んでお知らせ申し上げます。

(なお、勝手ながらご香典、ご供物につきましては、故人の遺志により、堅くご辞退申し上げます。)

平成××年×月×日
喪主△△△△

家族葬は慣習にとらわれない新しい葬儀の形

周囲に十分説明し、理解を得ることが大切

家族葬は、従来の葬儀の準備や儀式の流れと同じ部分がありつつも、より故人の遺志や遺族の思いを反映できる葬儀の形です。
家族葬をする上で大切なことは、どんな形で行うにしても、事前に親族間でしっかりと話し合いをしておくことです。葬儀社に対しても、なるべく具体的なイメージを伝えましょう。事前に説明し、理解を得ておくことが、後々のトラブルを避け、満足いく家族葬を行うことにもつながるでしょう。

ページの
先頭へ