2017.12.27

お布施の渡し方のマナー|いつ・いくら渡せばいい?

お布施の渡し方のマナー|いつ・いくら渡せばいい?

お布施は、葬儀や法要の準備をする際、用意するもののひとつです。僧侶に読経をあげてもらうことに対するお礼と考えるといいでしょう。
今回は、お布施の準備の仕方や、いつ渡すか、いくらくらい準備すればいいかについてご紹介します。

お布施をする意味

僧侶へのお礼

お布施は仏教の用語で、本来の目的は、仏教の教えに感謝することです。
しかし現在は、葬儀や法要における読経や、戒名をつけてもらったことなどに対するお礼、という意味合いが強くなっています。お礼の方法は、現金を渡すのが一般的です。

お布施の準備

白い封筒か白無地の不祝儀袋を用意

お布施を入れる袋は、白い封筒か、白無地の不祝儀袋を用意します。
不祝儀袋とは、のしなし・黒白もしくは双銀の結び切りの水引がついている袋ですが、お布施の場合、水引はなくてもかまいません。

封筒は、一重の封筒を

白い封筒にお金を包む場合は、一重のものを用意しましょう。
一重の封筒を使うのは、水引を結び切りにするのと同じで、「(不幸が)一度限りでありますように、重なりませんように」、という意味が込められています。
封筒の売り場では、二重の封筒と並べて置かれていることもあるので、購入するときに封筒の包装をよく見て選ぶようにしましょう。

袋が用意できなかった場合は半紙を代用

もし何らかの事情で不祝儀袋や封筒を用意できなかった場合は、半紙に包んでもかまいません。

表書きは「御布施」

仏式葬儀でお布施を渡すときの表書きは、目的の通り、「御布施」や「お布施」と書くのが一般的です。
注意したいのは、文字を黒墨で書くことです。お香典は薄墨を使いますが、お布施は違います。「弔事は薄墨」と思い込んで、間違えないように注意しましょう。

必要に応じてお布施と別で渡すもの

お膳料

お膳料は、僧侶の食事代です。通夜ぶるまいや、葬儀・法要後に行う会食に、僧侶が出席しない場合に渡します。

お車代

お車代は僧侶の交通費です。寺院から会場に足を運んでもらった場合に渡します。

お布施を渡すタイミング

葬儀に対するお布施は、葬儀終了時もしくは翌日

お布施は、一般的に葬儀が終了したとき、僧侶が帰る前か、翌日改めて寺院へ出向いて渡すのがマナーです。もし葬儀後も翌日出向くことも難しい場合は、通夜が終わった段階、もしくは通夜ぶるまいの終了後に渡しましょう。

法要に対するお布施は当日渡す

法要に対するお布施を渡すタイミングは、法要当日、儀式が終わって僧侶が帰る前が一般的です。僧侶が法要後の会食に出席する場合は、会食が終わったあとに渡しましょう。

お布施はお盆やお菓子の上にのせて渡す

僧侶にお布施を渡すとき注意したいことは、手渡しをしないことです。マナーとして僧侶は敬うべき立場の人なので、手渡しすることは失礼にあたります。必ず、お盆もしくは菓子折りの上にお布施をのせ、僧侶の方へ名前が向くようにしてから渡しましょう。
お盆は、切手盆と呼ばれる、四角く、小さめのお盆があればベストです。なければ、小さめのお盆なら使用してかまいません。
お布施とともに、お膳料やお車代を用意している場合は、一緒に渡してください。

お布施を渡すときは一言添える

僧侶にお布施を渡すときは、一言お礼を添えることも大切です。例えば、「本日はお心のこもったおつとめをしていただき、ありがとうございました。些少ではございますが、こちらは御礼でございます。どうぞお納めください。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。」などと伝えるといいでしょう。

お布施の金額

葬儀で渡すお布施の金額は決まっていない

お布施をいくら包むかは、地域差や宗派の違いが大きく、一概に言えないのが実情です。もともとお布施は感謝の気持ちを表すものだからです。
一般的には通夜、葬儀・告別式を通して15~50万であることが多いようですが、かなり幅があります。決まった金額はないと考えた方がいいでしょう。葬儀の規模、僧侶の人数、僧侶の格によっても金額が変わるためです。

戒名料はお布施に含めるのが一般的

仏式葬儀の場合、宗派・宗旨によって、戒名をつけてもらうことへのお礼が必要な場合があります。戒名料は、別で渡すのではなく、お布施に含めて渡すのが主流です。

法要で渡すお布施の相場は3~5万

法要で渡すお布施の相場は、3~5万円といわれ、葬儀に比べると金額の目安が分かりやすいです。ただ、法要で用意するお布施も、地域差や僧侶の人数などにより異なるため、目安はあくまで目安と考えたほうがよさそうです。

宗派によっては卒塔婆料も必要

法要の際、宗派・宗旨によっては、卒塔婆供養をするための「御塔婆料」が必要になることがあります。卒塔婆料の金額の目安は3,000~5,000円といわれていますが、事前に確認しておくほうがいいでしょう。

お膳料・お車代の相場は5000~10000円

お膳料とお車代の金額は、それぞれ5,000~10,000円が相場といわれています。

お布施の金額で迷ったときの対処法

直接寺院に聞く

お布施の金額は、目安があってないようなものです。迷ったときは、直接寺院に問い合わせるという方法があります。
寺院にたずねるときのポイントは、「お布施はいくらしたらいいですか?」という直接的に尋ねないことです。「皆さんおいくらくらいされていますか?」とほかの人の様子を聞くほうが、寺院としても回答しやすい傾向にあるようです。

葬儀社や檀家の人に相談する

直接寺院に問い合わせても、「気持ちで結構です」といわれる可能性もあります。
寺院に聞いても解決しなかったときは、葬儀社や檀家の人に相談するのがベストです。親戚に同じ菩提寺の人がいれば聞いてみるといいでしょう。
お世話になっている菩提寺がない場合や、葬儀社の紹介で僧侶に来てもらう場合も、葬儀社に相談することをおすすめします。

神式葬儀・キリスト教式葬儀におけるお布施

お礼として渡すことはある

神道やキリスト教には、お布施の概念はありません。しかし、神式葬儀では「御礼」や「御祭祀料」という名目でお金を包むことがあります。キリスト教式葬儀でも、教会や神父、牧師個人に対して「御礼」や「献金」などとしてお礼をすることがあります。キリスト教式葬儀では、
お礼をする場合にお金を包む袋は、仏式葬儀に準じます。お膳料、お車代も同様で、渡すタイミングについても儀式が終わったあとに渡すのが一般的です。
表書きや金額については、地域差や宗派・宗旨で異なることがあるので、この場合も直接たずねるか、葬儀社や周囲の人に相談して決めるといいでしょう。
お礼を渡す場合は仏式の法要と同じように、当日儀式のあとに渡しましょう

お布施の由来

お布施は仏教の教えに感謝すること

今でこそ、お布施は僧侶に対して葬儀や法要で読経をあげてくれたことへのお礼、という意味としてとらえられていますが、本来「布施」という言葉には3つの意味があります。

  • 財施(ざいせ):仏教の修行者、教団、貧しくて生活に苦しんでいる人などに、現金や衣食などを与えること。仏教の教えへ感謝を表し、施しをすること。
  • 法施(ほうせ):正しい仏法の教えを説き、精神的にその人を救うこと。
  • 無畏施(むいせ):不安や恐れを抱いている人に対して恵みを与え、困っている人に対して親切にすること。施無畏(せむい)ともいう。

葬儀や法要で僧侶が行うことは、故人を供養し、遺族を慰めるための「法施」です。対して遺族が現金やお菓子を包んでお布施を渡すことは、「財施」にあたります。
つまり本来お布施は、遺族からの感謝の気持ちを表すためのものだけではなく、僧侶と遺族とがお互いにお布施をしあう、という意味があったと考えられます。
時代とともにお布施の意味は変化しています。ですが、ただ「お布施=お礼金」と思うより、「僧侶からの読経や説法は、私たちに対するお布施なんだ」、と思えれば、より気持ちも穏やかで清らかになり、故人への供養にもつながるのではないでしょうか。

お布施は僧侶がお帰りになる前に渡す

お布施の金額が分からないときは直接、もしくは周りに相談するのがベスト

お布施を渡すタイミングは、葬儀や法要の儀式が終わり、僧侶がお帰りになる前に渡すのがベストです。翌日寺院へ直接出向ければ、より丁寧です。葬儀の日、翌日のどちらも渡すことが難しい場合は、通夜が終わったあとにまとめて渡しましょう。
お布施は「気持ち」で渡すものなので、決まった金額がありません。しかし、いくら包めばいいか分からないと、準備のしようがないのも事実です。困ったときは、直接寺院に問い合わせても、失礼にはあたりません。葬儀社や檀家の人など、周囲に相談できる人がいれば、頼るのも解決策のひとつになるでしょう。

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