2017.12.18

危篤・臨終|遺族は何をすればいい?

危篤・臨終|遺族は何をすればいい?

危篤や臨終という場面は非日常的な状況です。経験の少ない人はもちろん、何度も経験した人でも、いざ直面すると「誰に連絡するべき?」、「どうやって連絡したらいいの?」、「そもそも今何をしたらいいんだ?」と戸惑うことが多いもの。今回は、身内が危篤状態になったときや臨終の宣告を受けたあと、家族がするべきことについて解説します。

危篤を告げられたときは?

家族や親族、親しい友人・知人に連絡する

医師から危篤を告げられたら、まずは家族、そして親族や親しい友人・知人に連絡をします。親族への連絡は、配偶者の親や兄弟姉妹、おじ、おば、甥、姪くらいまでの近親者に行うことが一般的です。

交流が途絶えている家族や親族にも連絡する

交流が途絶えている家族や親族がいても、血縁関係が濃ければ知らせることが基本です。

親族以外でも本人が連絡を希望する人には連絡する

親族以外でも、勤務先や関係団体など、本人が連絡を希望する人や団体がいれば連絡をします。最近は「エンディングノート」を用意している人も増えています。ノートに名前がある人は、本人が「最後に会いたい」と思っている人です。希望が叶えられるように連絡しましょう。

「エンディングノート」とは

自分の死期が近いときや死後に際し、家族が手続きや判断をしやすいよう、自分の希望や必要な情報をまとめたノートやメモのこと。

親族や親しい間柄でも、相手の状況によっては危篤の連絡を控える

危篤の連絡は連絡を控える方がいい場合もあります。危篤状態ということで「少しでも早く伝えなければ」と焦る気持ちは当たり前ですが、相手の状況によっては配慮が必要なこともあります。

危篤の連絡を控える場合の例

・遠方に住んでいる場合

・普段つきあいのない親類

・心臓に持病を抱えている場合

・妊娠や出産前後、もしくは高齢者の場合

危篤の連絡をしないときはトラブルにならないように注意する

危篤の連絡を控えた場合は、後日相手に連絡しなかった理由を丁寧に説明しましょう。「連絡をしたかったが、ショックを与えたくなかった」と事情を説明すれば、相手にも伝わるはずです。それでもトラブルが起こらないとは限りません。危篤の連絡を控える場合は、後々相手との関係が悪くならないか、理解してもらえるかどうかを十分検討して決めましょう。

危篤を知らせる方法は?

電話で危篤状態を伝える

危篤の連絡は電話で伝えることが一般的です。手短に内容を伝えましょう。

電話で伝えること

① だれが

② どこで

③ 危篤状態なので

④ すぐに来てほしい

⑤ 来てほしい場所と電話番号

危篤の連絡は24時間いつでも知らせる

危篤の知らせは非常事態なので、何時だろうと連絡します。

深夜早朝に連絡する場合は、一言「すみません」と伝える

いくら非常事態とはいえ、深夜や早朝に電話する場合は相手に対する配慮も大切です。一言ことわりをいれてから話をはじめましょう。
「こんな時間にすみません」、「朝早く(夜遅く)恐れ入ります」と述べてから危篤を知らせるのがいいでしょう。

相手が不在だった場合は留守電やメールで知らせる

危篤の電話をかけたとき、相手が不在だった場合は留守電やメール、FAXなどで知らせます。

臨終直後の対応の流れ

身内が亡くなったあと、遺族は身の回りの整理や、葬儀の準備を始めなければなりませんが、大切な人を失った辛さや悲しみを抱えながら進めるのはとても大変です。

臨終の宣告を受けた直後は気が動転しやすいですが、まずは慌てずにひとつずつ目の前のことに対処していくが大切です。誰かが一人で頑張る必要はありません。家族みんなで手分けして対応し、分からないことは医師や葬儀社の担当者に相談して、サポートを受けましょう。

臨終直後に遺族がするべきことの大まかな流れは次の通りです。

  • 死亡診断書の受け取り
  • 葬儀社への連絡
  • ご遺体の身支度(清拭・エンゼルメイク・死装束)
  • ご遺体の搬送
  • ご遺体の安置
  • 末期の水
  • 訃報の連絡
  • 病院の精算

※対応する順序は前後する場合があります。

臨終後の対応(1)死亡診断書の受け取り

死亡診断書は医師に記入してもらう

死亡診断書は「死亡の事実を証明する書類」です。死亡時刻や死亡した場所、死亡事由および署名捺印を医師が行います。死亡診断書を受け取ったら、死亡時刻や死亡した場所、死亡事由および医師の署名捺印に間違いがないか確認しましょう。記載事項がまちがっていると役所で受理してもらえません。
死亡診断書は死亡届と一緒に原本を役所に提出するものですが、悲しみで手一杯の遺族に代わり葬儀社が代行して死亡手続きをしてくれるケースが多いようです。死亡診断書はA3サイズの用紙の左面半分が死亡届けになっており、右面半分が死亡時刻や死亡原因が記載された死亡診断書になっています。

死亡診断書はあらかじめコピーを多めにとっておく

死亡診断書は役所に提出する前に、コピーを取っておきましょう。必要なとき困らないように、余裕を見て、多めにコピーを取っておくと安心です。
死亡診断書のコピーは、後日保険金や遺族年金を受け取るときに必要になる場合があります。後日の保険金などの手続きの際、死亡診断書の原本が必要な場合は、死亡診断書を記載した医師の病院へ請求すると一通何千円~何万円で発行してもらえます。

葬儀の前に、死亡診断書と死亡届、火葬許可申請書の提出を

葬儀の前に提出が必要な書類は、以下の2つです。

  • 死亡診断書 / 死亡届(2種セットになったA3サイズの用紙)
  • 火葬許可申請書

※東京23区内は火葬許可申請書は不要です。

死亡届は亡くなってから7日以内に役所へ提出する義務があります。
死亡届と死亡診断書が受理されると、役所から次は火葬許可証という火葬に必要な書類をもらえます。この火葬許可証は、火葬場へ提出することになりますが、提出は葬儀社が行います。また火葬許可証を火葬場へ提出すると、火葬場の印が押され、今度は埋葬許可証という納骨時に必要な書類へと代わります。

臨終後の対応(2)末期(まつご)の水

居合わせた家族・親族全員で行う

臨終の宣告を受けたら、末期の水を行います。末期の水は、居合わせた家族・親族全員行うのが基本です。病院によっては末期の水に使う道具は用意してもらえます。

末期の水とは?

末期の水は、もともと仏教に由来する儀式の一つです。「死に水」とも呼ばれます。息を引き取る間際、死者の蘇生を願うと同時に、あの世で渇きに苦しめられないように、と願って行われてきた風習です。現在日本では、キリスト教のカトリック派を除き、共通して行われる儀式です。

末期の水の方法

① 割り箸などの先端に脱脂綿やガーゼなどを挟み、水を含ませる。

② 血縁の濃い順番に、故人の唇をなでて、軽く湿らせる。

臨終後の対応(3)葬儀社への連絡

葬儀社は24時間対応してくれるところがほとんど

故人の逝去は待ってくれません。いつ依頼が来ても大丈夫なように大体の葬儀社は24時間365日年中無休体制で営業しています。(一部、信仰宗教や町会限定の葬儀など特定の葬儀しかしないところは深夜対応してくれない葬儀社は存在します。)電話で依頼をしてから約1時間~2時間ほどで来てくれる葬儀社が多いでしょう。
エンゼルケアーなどがすべて終わってから葬儀社を手配するよりも、臨終後すぐに葬儀社へ依頼をした方がスムーズに病院を出発できるので、予め葬儀社の電話番号を控えておきましょう。

電話の際に葬儀社へ伝える項目は、下記のとおりです。

  1. 故人の氏名と身長(安置をする際に棺へすぐ納める必要な場合があるので)
  2. 来てほしい場所(病院、老人施設、自宅)
  3. 故人の搬送先・安置先(式場、火葬場、自宅)
  4. 依頼者の氏名と連絡先、続柄

葬儀社は依頼を受けると、遺体を運ぶ寝台搬送車の手配とドライアイスなどの段取りをして、何時ごろに病院へ到着できるか知らせてくれます。

葬儀社に任せられる準備や手続きは任せる

最近は葬儀の手続きや準備のほとんどを、葬儀社が率先して行ってくれるケースが増えています。葬儀の準備をするにあたり、遺族は何かと慌ただしくなります。葬儀社に任せられる部分があれば任せましょう。

臨終後の対応(4)ご遺体の身支度

清拭

清拭は、アルコールによって故人の体を拭き清めることです。地域によっては、逆さ水を使った湯かんで全身を洗い清めることもあります。

エンゼルケア

清拭が終わると、エンゼルケアを行います。エンゼルケアとは、ご遺体の口や目を閉じ、体液が出ないよう鼻や口、耳、肛門に脱脂綿を詰める処置のことです。

死装束

死装束は、仏式の場合、死者が無事に浄土への旅・巡礼できることを祈念して用意する衣装です。仏式では、「経帷子(きょうかたびら)」と呼ばれる、浴衣や着物の形のような衣服を着せ、小物を身に着けるのが一般的で、葬儀社が用意してくれることがほとんどです。
※なお、仏教でも浄土真宗という宗派だけは、旅支度をしないのが一般的です。これは、浄土真宗の教えでは「人は亡くなったらすぐに仏になられるので、浄土への旅はない」とされているためです。

死装束は宗教や地域により慣習が異なります。最近は死装束の価値観も自由になりつつあり、故人や遺族が希望する洋服やドレスを着せる人も増えています。葬儀社や年配の方などに確認して、特別な決まりがなければ、「最後に着せてあげたい」と思う衣類を死装束にしてもかまいません。

死装束への着替えは死後2時間以内が望ましい

人間の体は死後、徐々に硬直が始まります。死装束への着替えは2時間以内に済ませましょう。あらかじめ着せてあげたい洋服は看護師に伝えておくとよいでしょう。
急な逝去で洋服が用意できなかったり、すでに硬直が始まり着替えが困難な場合は、ご遺体の上に衣服をかけるだけでもかまいません。死装束に対する価値観も多様化しています。無理に着替えさせずとも、遺族が故人を弔う気持ちさえあれば問題ありません。

死化粧

死化粧はエンゼルメイクとも呼ばれ、故人がこの世にいる最後の姿を、ふさわしいものに整えることです。地域によって行わないところもありますが、一般的には髪を整えて爪を切り、頬がこけている場合は脱脂綿を詰めるなどします。男性はひげを剃り、女性はファンデーションや口紅などで化粧もします。
ただし、病院や老人施設で死化粧は行わないところが多いのが現在の実情です。希望の際は葬儀社へ依頼するとよいでしょう。葬儀までの日程の間が空く場合は、プロによる早めの処置が重要です。

ご遺体の身支度を行うタイミング

病院で亡くなった場合、ご遺体の身支度は病院で行うこともあれば、ご遺体を搬送してから自宅や斎場で行われることもあります。臨終後は葬儀の準備や、他の手続きも並行して行います。ご遺体の身支度を行うタイミングも、準備や手続きの進行状況によって流動的に変わります。

ご遺体の身支度は病院や葬儀社が行うのが一般的

清拭から死化粧までの身支度は、病院で看護師や係員が行うか、自宅や斎場で葬儀社が行うことが多いです。

希望すれば遺族も身支度を手伝える

ご遺体の身支度は、希望すれば家族も手伝えます。身支度をすることは、故人がこの世にいる最後の姿を整えることです。「体をきれいにしてあげたい」、「お気に入りの化粧品できれいにしてあげたい」という気持ちがあれば、遠慮なく申し出ましょう。

自宅で亡くなった場合などはご遺体の安置後に行うこともある

自宅で亡くなった場合は、満足いく姿で送り出せるよう、身支度のタイミングを葬儀社の担当者とよく相談して決めましょう。葬儀当日は、故人がこの世のいる姿を、遺族や参列者が見られる最後の機会だからです。

臨終後の対応(5)ご遺体の安置

病院で亡くなった場合は霊安室に仮安置する

病院で亡くなった場合は、一旦ご遺体を病院の霊安室へ仮安置します。病院の安置所は何日も使用することはできません。大体のところが数時間です。
その後、ご遺体を自宅や斎場へ搬送したあと、改めて安置します。

斎場などの専用安置場・霊安室に安置する際は納棺が必要

専用安置所や霊安室に故人を寝かせることのできるお布団はありません。専用安置所や霊安室に到着したらすぐに棺へ納棺するケースがほとんどです。希望するデザインの棺がある場合は、葬儀社へ予め伝えておきましょう。
棺のサイズは通常、6尺サイズ(外寸180cm、内寸174cm)となっており、身長が高い場合は、葬儀社にあらかじめ伝えておくことも必要になります。

臨終後の対応(6)訃報の連絡

親族、親しい友人・知人への連絡

臨終の知らせも危篤のときと同様に、まず親族、次に親しい友人・知人に連絡します。臨終の知らせは、危篤を知らせたあとだったとしても、改めて連絡します。

勤務先、故人の関係団体・町内会への連絡

近親者や親しい人への連絡がすんだら、故人の勤務先や学校に連絡します。葬儀の手伝いを依頼する可能性がある場合は、故人が所属する関係団体や町内会などへも連絡しましょう。反対に、手伝いを依頼する可能性が低い人たちには、通夜や告別式の日取りが決まってから連絡します。情報が入り乱れ、トラブルになるのを防ぐためです。

臨終を知らせるときは要点を手短に

臨終を知らせるときのポイントは、あいさつは手短にして、話の要点を正確に伝えることです。地図が必要な場合は、後からメールやFAXで連絡しましょう。

臨終の連絡の要点

・連絡した本人の氏名

・故人の氏名

・故人が死亡した日時と場所

・通夜と告別式の日時と場所

・電話番号

同じグループへの連絡は「連絡網」形式で伝えてもらう

複数人所属するグループへの連絡は、それぞれのグループで、故人と最も親しかった人に連絡しましょう。その時、最も親しかった人に他の方々への連絡をお願いして、グループ内に情報を回してもらうといいでしょう。

家族葬にする場合は「会葬辞退」の旨を伝える

葬儀の形式を家族葬にする場合は、臨終の知らせとともに、「家族葬なのでご会葬はご辞退申し上げます」と伝えます。家族葬とは、家族を中心に親族やごく親しい友人・知人だけが参列する、小規模な葬儀のことです。

臨終後の対応(7)病院の精算

病院で亡くなった場合は、ご遺体を病院内の霊安室に仮安置したあと、身内で手分けして病室の整理や入院費の精算などを行います。病院によっては、入院費の精算を多少待ってもらえる可能性があります。いつまでに精算が必要かは、病院に確認しておくと安心です。

臨終後の対応(8)ご遺体の搬送

病院からご遺体を搬送する

病院で亡くなった場合は、自宅や斎場へのご遺体の搬送を、葬儀社に依頼しましょう。
なお、冬季はご遺体の預かり・安置が混み合い、斎場に安置できない場合があります。その際は葬儀社の提携する専用安置所を利用することになります。

葬儀社が決まっていない場合は病院や相談センターに搬送依頼を相談する

ご遺体を搬送するときまでに、葬儀を依頼する葬儀社が決まっていない場合は、病院や相談センターに相談してみてください。提携している葬儀社があります。(搬送の精算は、搬送後に行うか後日精算することになります。)
搬送を依頼したからといって、必ずしも葬儀も依頼する必要はありません。葬儀は葬儀で、安心して任せられる葬儀社に依頼した方が良いでしょう。「葬儀を頼むわけでもないのに悪いなぁ」と思うかもしれませんが、遠慮せず搬送を依頼しましょう。

危篤や臨終の宣告を受けたときは慌てず一つひとつ必要なことに対応しよう

分からないことは病院や葬儀社に相談し、任せられる部分は任せよう

身内が危篤状態と告げられたときや、臨終の宣告を受けたときは、動揺していつもの判断ができないかもしれません。まずは慌てず、一つひとつの手続きに対応しましょう。一人で抱え込まず、家族とも協力し、分からないことは病院や葬儀社に相談することが大切です。葬儀の準備をする中で、葬儀社に任せられる部分があれば任せるのも一つです。そうすれば故人とより落ち着いてお別れできるかもしれません。

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