2017.11.16

葬儀の基本|知っておこう「通夜」と「葬儀」と「告別式」の違い

葬儀の基本|知っておこう「通夜」と「葬儀」と「告別式」の違い

多くの葬儀は一般的に、通夜と葬儀、告別式から成り立っています。
普段何気なく使っている言葉かもしれませんが、それぞれに違いがあることをご存知でしょうか。
今回は、葬儀の基本として知っておきたい、通夜と葬儀、告別式の意味や、それぞれの役割についてご紹介します。

通夜とは?

通夜は夜通し故人との別れを惜しむ儀式

通夜は葬儀の前日に、夜通し故人との別れを惜しみ、故人の霊や遺族を慰めるための儀式です。本来は、遺族や近親者、親しい友人など故人とごく親しかった人たちが集まり、一晩中お灯明を絶やさずに故人に付き添います。お灯明を絶やさないようにするのは、死者に悪霊がとりつくのを防ぐため、といわれています。

葬儀・告別式に参列できない人のためのお別れの場にも

葬儀の形が時代に合わせて変化するように、通夜の形も変化しつつあります。
現在の通夜は、事情があって葬儀・告別式にできない人が、故人とお別れをする場としての役割も果たしています。
故人と関わりの深い人に限らず、さまざまな関係の人が大勢訪れるため、通夜自体も1~2時間ほどで終了するのが一般的です。
本来より短い、1~2時間ほどで終了する通夜のことは、「半通夜」といいます。

会場の都合も半通夜が増えている理由のひとつ

本来の形で通夜を行うことが難しくなっているのは、通夜を行う会場も関係しています。
自宅であれば、一晩中棺に付き添うことができますが、斎場にする場合は、斎場によって宿泊できる・できないが分かれるからです。宿泊できなければ、一旦帰らなければなりません。
宿泊できる場合でも、一晩中交代で棺に寄り添うことができるかどうか確認が必要です。宿泊できる人数に制限がかけられることもあるので、全員が寄り添えるとも限りません。
経済的な面でも、葬儀費用に宿泊料が加算されることが一般的です。安易に付き添うかどうかを決めるのも難しい部分があります。

亡くなったタイミングによっては、仮通夜と本通夜とに分けて行う

仮通夜とは、亡くなった夜、遺族やごく親しい身内だけで遺体を守り、一夜を明かすことです。
故人が亡くなった時間が夜遅い場合は、ご遺体を自宅に搬送できないことがあります。自宅に搬送できるようになるまでは、病院や施設の霊安室に仮安置するのが一般的です。
仮安置といっても通夜は必要です。ですが弔問客を招いての通夜式はできないため、「仮通夜」として一晩を明かします。弔問客を招く、通常の通夜は「本通夜」として、翌日以降改めて行います。
仮通夜は、あくまで取り急ぎ行う通夜です。駆けつける人も喪服を着る必要はありませんし、遺族は通夜ぶるまいの用意をすることもありません。僧侶を呼んで読経をあげてもらうことも、最近は省略することが多いです。ただし、僧侶に来てもらう場合は、お礼を述べお車代を渡します。
仮通夜の場合も、場所によっては一晩付き添えないことがあります。付き添いたい場合は、施設にお願いしてみるといいでしょう。

神道における通夜

神道では、人は亡くなったあと、家に留まり、家の守護神となると考えられています。神式葬儀でも通夜にあたる儀式はありますが、故人を弔うというよりは、故人の霊を霊璽(位牌のようなもの)に移すための儀式を行う、というイメージのほうが近いです。

キリスト教における通夜

キリスト教には本来、通夜という概念はありません。キリスト教式葬儀では、通夜の集いや祈り、前夜式などの名前で通夜にあたる儀式が行われるのが一般的ですが、日本独自の文化と考えるといいでしょう。

葬儀とは?

葬儀は死者を弔う儀式

葬儀は、故人の冥福や成仏を祈って行う、宗教的な儀式です。
本来は、葬儀も通夜と同じく、遺族や近親者、友人・知人など、故人と親交の深い人だけが集まって営むものでした。
現在は、血縁や親交の深さに関わらず、故人と関係があった人たちが集まり、故人の冥福を祈る宗教儀式、という意味合いが強いです。
仏式葬儀の場合は、僧侶が読経を行うことで故人の霊を慰め、この世からあの世へと導きます。参列者はお焼香をして、故人を弔います。

神道における葬儀

神式葬儀の場合は、葬儀にあたる儀式として葬場祭を行います。神道では死をけがれと考えるので、葬場祭ではけがれを清め、故人を神として祀るための儀式を行います。

キリスト教における葬儀

キリスト教はカトリック派とプロテスタント派とで葬儀の意味が少し違います。
カトリック派では、葬儀ミサを行い、神に故人の罪を詫びて許しを請い、故人の魂が救われるよう祈ります。
プロテスタント派の場合は、亡くなった人はすでに天国にいると考えるので、葬儀では神への感謝と、遺族を慰めるために祈ります。

告別式とは

告別式は故人とのお別れをする儀式

告別式は、葬儀に比べると、社会的な意味を持つ儀式です。
葬儀が故人の冥福を祈って行う宗教的な儀式であるのに対し、告別式は友人・知人、職場の同僚、近隣の人など、少しでも故人と関わりがあった人が、故人との最後のお別れをするための儀式です。
本来告別式は、遺骨を墓地に埋葬する前に行われていました。ですが最近は、葬儀が終わったあと引き続き行うか、葬儀と告別式とが一体化しているのが一般的です。
葬儀と告別式とを同じ日に行うことが主流になったことにより、昔に比べると両者の区別もあいまいになっているといえます。

故人とお別れをしやすいように工夫されることもある

告別式は、故人とお別れをしたい、と参列した人のための儀式です。場合によっては、参列者の便利性をはかるため、葬儀場の外にお焼香や玉串奉奠、献花の場所が作られることもあります。
著名人が亡くなった場合は、近親者のみで葬儀を行ったあと、改めてお別れの会のように、告別式が開かれることがあります。この場合も、会場外に焼香台や献花台が設けられることがあります。

葬儀の基本は時代とともに変化する

本来の意味も理解しつつ、通夜、葬儀、告別式を行おう

通夜、葬儀、告別式は、どの儀式も故人の死を悼み、弔う儀式です。時代の流れとともに、形や役割は変化しつつありますが、本来は、それぞれの儀式に意味があります。
通夜、葬儀、告別式と、それぞれの意味を理解しておくと、葬儀に際しても単純に儀式の流れに身を任せるだけでなく、より故人とのお別れをしっかりしたものにできるのではないでしょうか。

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