2024.10.31

弔電の宛名の書き方と文面、金額はおいくら?

弔電の宛名の書き方と文面、金額はおいくら?

弔電はお悔やみの言葉を伝える電報で、葬儀・告別式の間に紹介されることが多いです。葬儀に参列した経験のある方なら、多くの方が弔電を紹介する場面を目にしたことがあるかと思います。
弔電は、誰もが必ず送るようなものではありません。葬儀に参列できるのであれば、重ねて弔電を送る必要は必ずしもないのです。だからこそ、弔電のマナー・送り方というのは案外知られていないものです。「弔電ってどういう場合に打てばいいんだろう?」、「弔電の宛名や文面の書き方は?」、「弔電を打つのにいくらくらい必要?」そんな疑問や悩みも起こりやすいはず。
今回は、弔電を打つべきケースや内容、金額についてご紹介します。

弔電を打つ目的・場面

葬儀に参列できない場合に弔意を伝えるための手段

弔電は、事情があって葬儀に参列できない場合に限り、喪主や遺族に対し、お悔やみの気持ちを伝えるための手段です。訃報を受け、通夜や葬儀・告別式の場に足を運ぶことができるのであれば、弔電を打つ必要はありません。
遠方に住んでいる場合や、急な仕事が入ったとき、病気療養中や妊娠中などの理由から外出が難しいときなどは、弔電を利用するといいでしょう。

弔電を打つべき間柄

明確な決まりはないが、近親者や親しい間柄の場合は弔電を打つのが一般的

遺族と近親者、もしくは親しい間柄の場合は、弔電を打つのが一般的です。とはいえ、弔電を打つ間柄について、明確な決まりはないようです。故人や遺族と仕事上の関係がある場合や、子どもがお世話になっていた人など、関わりがあるものの参列できないときに、取り急ぎ弔電を打っても問題ないでしょう。

弔電はいつまでに届けるか

前日までに弔電を届けられればベスト!遅くても葬儀・告別式の始まる1時間前までに到着を

弔電は葬儀・告別式に間に合うよう手配するのがマナーです。遅くても1時間前には届くようにしましょう。
ただ、「1時間前までに届けばいいや」と思わず、なるべく早めに届けるほうが、遺族も準備をスムーズに進められます。もう少し時間的余裕を見て、数時間前には届けられるとベターです。できれば葬儀・告別式の前日に届くよう手配するといいでしょう。早めに届けることで、故人の死を心から悼んでいる、という気持ちも遺族に伝わるはずです。

弔電の手配が間に合わないときは電話で連絡を入れておく

弔電の手配が遅れ、葬儀・告別式に手配が間に合わないときは、喪家もしくは遺族に電話で連絡しておきましょう。葬儀・告別式に間に合わないと分かっていながら弔電を送ることは、失礼だからです。
電話では、葬儀・告別式に参列できないことを伝えます。遺族が慌ただしく準備しているところに電話するので、用件は手短に伝えるよう心がけてください。電話での連絡は、あくまで非常手段です。礼儀を尽くすためにも、後日改めて弔問することを忘れないようにしましょう。

弔電の申込方法

NTTを利用する|電話局番なし「115」

弔電のオーソドックスな申し込み方法は、NTT回線を利用した電話での申し込みです。局番なしで「115」にかけることで利用できます。
「115」は19時までの申込なら、全国当日中の配達が可能です。葬儀・告別式まで時間が迫っているときはおすすめの方法です。オペレーターに相談しながらメッセージを決められるので、どんな文面がいいか分からないときも安心です。

インターネットから申し込む|NTT「D-MAIL」

NTTの弔電は、インターネットサイトのD-MAILからも申し込めます。パソコンだけでなく、携帯サイトからも24時間申込できます。
インターネットを利用して申し込む場合は、豊富にある台紙から自分好みのデザインを選ぶことができます。あらかじめ文例の候補も用意されているので、選択するだけで弔電が打てます。申し込む前に、画面上で出来上がったイメージを確認できるのもメリットです。料金も、電話で申し込むよりお得になります。
ただし、インターネットを利用する場合、当日中の配達は19時までの受付です。葬儀・告別式に間に合うか分からないときは、利用を避けた方が無難です。

郵便局「レタックス」を利用して弔電を送る

NTTのサービス以外に、郵便局でもレタックスという電報サービスがあります。15時半までは当日中の配達が可能です。レタックスはいくつかの利用方法がありますが、郵便局で事前申し込みが必要な場合もあります。弔電の場合は、なるべく早く送りたいので、事前申し込みが不要な電話かインターネットを利用するといいでしょう。

電話で申し込む

0120-953953、または03-6860-8888に電話して、弔電を申し込む方法です。事前に登録する必要はないので、急いでいるときに便利です。ただし、受付時間が8:00~22:00までとなっているので注意しましょう。電話で申し込む場合は、追跡サービスもついています。

インターネットから申し込む

事前に「Webゆうびん」に登録しておけば、24時間いつでもインターネット上から弔電を送ることもできます。インターネットを利用する場合は、他の方法に比べ、低価格で利用できるのもメリットです。全国一律価格で、文字数による追加料金もかかりません。
配達については、電話と同じく15時半までに申し込めば当日中の配達が可能です。ただし一部地域は13時半までとなっているので注意しましょう。インターネットを利用する場合は、シーンに合わせた文例集が用意されているほか、追跡サービスもついています。

窓口で申し込む

郵便局で所定の申込用紙に記入し、台紙や専用の原稿用紙を購入する方法です。用紙に記入ができたら窓口に差し出します。

ポスト投函で申し込む

インターネットから用紙(pdf)をダウンロードするか、窓口で購入した原稿用紙を封筒に入れ、ポスト投函する方法です。封筒には切手を貼り、「レタックス」もしくは「電子郵便」と書いて出します。

承認請求書を提出し、FAXまたは電話で申し込む

あらかじめFAXまたは電話で差し出しを希望する郵便局の窓口で原稿を購入し、専用の承認請求書を提出しておく方法です。支払方法が料金後納に限られるため、郵便局で事前に「料金後納承認請求手続」も必要です。手続きをしたあと、FAXまたは電話で申し込みます。

弔電の打ち方・書き方

宛先を確認する

弔電は、葬儀が行われる会場に送ります。自宅で行われることもあれば、会館や斎場などを利用されることもあります。事前に確認しておきましょう。
会館や斎場などで行われる場合は、会場の住所と電話番号も控えておくとスムーズです。葬儀会場が分からない場合は、喪家宛てに送るのが一般的です。

弔電の宛名は喪主のフルネームにする

弔電の宛名は、喪主のフルネームにするのが基本です。できれば訃報の知らせを受けたときに、喪主の名前を確認しておきましょう。葬儀会場によっては、複数の葬儀が行われることもあり、名字だけだと他家と混同する可能性があるからです。
もし友人の母親が亡くなり、父親が喪主の場合は「(父親の名前)様方」とします。

遺族宛てに弔電を打ってもOK

喪主よりも他の遺族と関わりが深い場合、励ましの意味を込めて送るのであれば、直接遺族宛てにしてもかまいません。例えば弔電を打つ遺族が友人ならば、「(喪主の名前)様方・(友人の名前)様」とします。

喪主のフルネームが分からないときは名字だけでもOK

弔電を申し込むとき、いつもフルネームが分かるとは限りません。名字だけしかわからないときは、「故〇〇様ご遺族様」、もしくは「故〇〇様ご一同様」で送ってもマナー的に問題ありません。

故人の名前は敬称であらわす

弔電の宛名に記載する故人の名前は、フルネームではなく敬称を使います。故人に対して、尊敬や敬意を示すためです。

受取人との間柄 敬称
祖父 ご祖父様
祖母 ご祖母様
実父 ご尊父様/お父様
実母 ご母堂様/お母様
兄弟姉妹 ご令兄様/ご令弟様/ご令姉様/ご令妹様
ご主人様/ご夫君様
ご令室様/ご令閨様
息子 ご子息様/ご令息様
ご息女様/ご令息様

差出人の表記は分かりやすいように

弔電の差出人の表記は、遺族が見て分かりやすいようにするのがマナーです。氏名だけでなく、住所、電話番号なども記載しておきましょう。後日遺族側がお礼をしたいと思ったとき、余計な手間をかけさせずにすむからです。
もうひとつ配慮をするなら、差出人の名前の横に、故人との関係を一言添えるとより丁寧です。例えば、遺族と友人関係にある場合は、「鈴木 太郎(〇〇高校 ○○年卒 学友)」のように記載します。
仕事の同僚と複数人で弔電を打つ場合や、連盟の場合は、代表者と関係者の名前を記載すると分かりやすいです。「株式会社〇〇 〇〇年入社同期一同(代表:鈴木 太郎)」や、「株式会社〇〇 鈴木 太郎(〇〇年入社同期) 伊藤 一郎(〇〇年入社部下)」というイメージです。

弔電の一般的な文例

弔電の文面は誰が亡くなったか、自分との間柄は何かによってさまざまです。悩んだときはNTTや郵便局のインターネットサイトにはたくさんの文例があるので参考にするといいかもしれません。今回は、一般的な文例をご紹介します。

・〇〇〇〇様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。ご家族の皆様が心を合わせて、強く生きられますようお祈りいたします。

・突然の悲報に接し、悲しみに耐えません。ご遺族の方々のお悲しみはいかばかりかとお察しいたします。心からご冥福をお祈りいたします。

弔電を打つときの注意点

忌み言葉に注意する

弔電を打つときに注意したいことのひとつが、忌み言葉です。忌み言葉とは、縁起が悪い意味を持つことから使用を避ける言葉です。例えば、「重ね重ね」、「たびたび」、「再び」、「また」など重なる言葉や、繰り返す意味を持つ言葉は弔電で使わないよう注意しましょう。
「九(苦)」や「四(死)」など縁起が悪い音を持つ言葉も避けましょう。故人が成仏できないようなイメージを連想させる「迷う」や、「追って」、「続く」という不幸が続くような言葉も使わないのがマナーです。
生死を直接表現することもタブーとされ、死亡は「ご逝去」、生きているときのことは「お元気なころ」、「ご生前」などと表現します。

宗教によって弔電で使用を避ける言葉もある

忌み言葉だけでなく宗教によっても、使用を避けたい言葉もあるので注意しましょう。
特に「仏」、「冥福」、「成仏」、「ご愁傷様」、「供養」、「往生」といった言葉は、仏教の思想に基づく言葉です。神道やキリスト教の遺族に宛てた弔電では、使用を避けましょう。
例えば「ご冥福を心からお祈りいたします」、という言葉は、神道であれば「御霊の安らかならんことをお祈りいたします」とするほうがいいでしょう。
キリスト教の場合は「お悔やみを申し上げます」という言葉も不適切とされるので、「心安らかな眠りにつかれますようお祈りいたします」とするほうがベターです。

どの方法で弔電を送る場合も、葬儀に送るものという意識を忘れずに

弔電を送るときに意識したいのは、葬儀の中で読み上げられるということです。もしかしたら、親族間で回し読みされることもあるかもしれません。あまりくだけた表現や、個人間のやりとりのような文面の弔電を打つことは避けましょう。
もちろん、弔電の文面は、故人の死を悼み、喪主や遺族へあてたメッセージです。できる限り気持ちが伝わるような文面を考えつつ、ある程度定型の言い回しを用いた内容を心がけましょう。

弔電を打つのに必要な金額

弔電の相場は3,000~5,000円くらい

弔電の金額の相場は、3,000~5,000円といわれています。電報に記載する文字数と、台紙の種類によって異なるため一概には言えませんが、目安にはできそうです。故人との関係や付き合いの深さに応じ、検討しましょう。

弔電はあくまで葬儀に参列できない場合の「非常手段」

弔電を打った上で改めて後日弔問するのがベスト

弔電を打つことは、あくまで葬儀に参列できない場合にお悔やみの気持ちを伝える形式的な手段です。
弔電だけでは、遺族に本当の意味で弔意を示したとは言い切れません。後日改めて弔問することで、遺族にも礼を尽くすことになります。

弔問できない場合は手紙を送る

遠方に住んでいる場合や、どうしても外出が難しい状況の場合は、手紙でもかまいません。香典を送るときに同封するなどしてもいいでしょう。心を込めて書けば、きっと遺族に気持ちが伝わるはずです。

弔電は弔意の表明 正確な内容で速やかな手配を

インターネットサイトの活用もおすすめ

弔電を打つときは、訃報の知らせを受けたとき、喪主のフルネームを確認しておくと手配がスムーズです。文例については、いくつか注意点があるので、NTTや郵便局のインターネットサイトを参考にするのもいいでしょう。
弔電の申し込み方法はいくつかありますが、申し込むタイミングに合わせ、なるべく早く届ける心遣いが大切です。弔電を打つことでも弔意は示せますが、改めて弔問や手紙を出すようにすると、より故人の死を悼み、悲しんでいる気持ちが届けられるでしょう。

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