危篤や臨終の知らせは突然に…急でも守るべき駆けつけ時のマナー
危篤や臨終の知らせは、思いがけずやってくるものです。時には一分一秒を争うような状態で、取るものもとりあえず出かけなければならないかもしれません。
それでも「どんな服装で行けばいいんだろう?」「行った方がいい間柄なのかな?」と判断に迷われることがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、危篤や臨終の知らせを聞いて駆けつけるか迷ったときの判断基準や、服装などについてご紹介します。
危篤の知らせを受けたときは駆けつけるべき?
「本人が会いたがっている」と判断し、すぐに駆けつける
危篤の知らせは家族をはじめ、親族や親しい友人・知人に知らされます。もし交流が薄くなっていても、生きている間に相手と会える最後の機会になるかもしれません。危篤の知らせを受けたら、できるだけ早く駆け付けましょう。
血縁関係がなくても知らされることがある
相手と血縁関係がなくても、エンディングノートやメモなどによって、本人が最後に会いたいと希望している可能性があります。そのため危篤の知らせが来たら、血縁関係の有無に関係なく駆け付けます。
エンディングノートとは
自分の死期が近いときや死後において、家族が判断や手続きをしやすいように、必要な情報や希望をまとめたノートのこと。
遺族の配慮で危篤の連絡を控える場合もある
危篤の知らせは、近親者や親しい間柄であっても、あえて連絡を控えるケースがあります。
危篤の連絡を控えるケースの例
・遠方に住んでいて、とても間に合いそうにない場合
・そこまで親しく付き合っていない親族の場合
・心臓に持病があったり高齢者の場合
・妊娠や出産前後の女性
危篤の連絡がなかったとしても受け入れる気持ちを持とう
誰しも親族や親しい間柄の相手が危篤なら、「最後に会いたかった」と思うものです。ですが、遺族が配慮した気持ちも受け入れてあげてください。
危篤の知らせを受けたときの服装は?
ダークカラーを基調に、地味な服装に整える
危篤の知らせを受けて駆けつける際は、紺やグレーなどを基調とした、地味な服装にととのえます。
危篤のときに喪服を着るのはタブー
危篤の知らせを聞いて駆けつけるとき、喪服を着ていくのはタブーです。危篤状態とはいえ、まだ生きている人や家族に対し失礼だからです。
遠方の場合に限り、念のため喪服を用意する
駆けつける相手のところまで距離がある場合だけは、すぐに葬儀になることも想定し、万が一のために喪服を用意していきます。
用意した喪服は目につかないところに保管しておく
喪服を用意するのは家まで距離があり、取りに帰る時間がないときだけです。だから相手や家族の目に触れないようにする配慮が必要です。例えば駅のコインロッカーに預ける、後から来る人に託すなどしましょう。車で向かう場合は車内に、人目につかないよう置いておくのもいいかもしれません。
臨終の知らせを受けたときは駆けつけるべき?
故人との関係に合わせて駆けつけるかどうか判断する
臨終の知らせは、危篤のときとは違い、故人との関係に合わせて駆け付けるどうかを判断するのが一般的です。
親族や親しい間柄ならすぐに駆けつける
臨終後は、遺体のケアを行い、葬儀の準備を行う必要があるため、親族や親しい友人・知人の手が必要です。知らせを聞いたらできるだけ早く駆け付けましょう。
仕事上の付き合いなら上司に判断を仰ぐ
勤務先や取引先など、仕事上で付き合いがある人が亡くなった場合は、上司に駆けつけるかどうかの判断を任せるのが一般的です。
町内会や近所の人などが亡くなった場合は、駆けつけず通夜か葬儀に参列する
親族や親しい間柄の人でも、仕事上の付き合いもない人が亡くなった場合は、すぐに駆けつけず、通夜か葬儀の知らせを待って参列するのが基本のマナーです。
臨終の知らせを聞いて駆けつけるときの服装は?
ダークカラーでまとめた地味な格好が基本
臨終の知らせを聞いて駆けつけるときは、危篤のときと同じく紺やグレーの地味な服装に整えて出向きます。
喪服を着ていくのはタブー
臨終の知らせを聞いて駆けつける場合も、危篤のときと同様、喪服を着ていくのはマナー違反です。喪服を着ていくと、まるで死去の知らせを準備万端で待っていたような印象を与えるからです。
臨終の知らせで駆けつけたとき何をすればいい?
遺族にお悔やみの言葉をかける
臨終の知らせを聞いて駆けつけたら、まず遺族に対しお悔やみの言葉をかけます。
一般的なお悔やみの言葉の例
「このたびはご愁傷さまでございます。心よりお悔やみ申し上げます。」
「思いがけないお知らせに驚きました。いまだに信じられません。」
故人が不慮の死で亡くなった場合の例
「なんと申し上げていいのか、言葉が見つかりません。」
手伝いを申し出る場合の例
「何かお手伝いできることがあればお申し付けください」
お悔やみの言葉に「忌み言葉」はタブー
お悔やみの言葉をかけるとき気を付けたいのは「忌み言葉」です。「忌み言葉」は、葬儀や結婚式など冠婚葬祭の場で、縁起が悪いことを連想させるため、使用を控えた方がいいとされる言葉です。
葬儀の場で気を付けたい「忌み言葉」の例
・「死」、「死亡」、「死去」、「遺族」など、死に関する言葉
・「重ね重ね」、「くれぐれも」、「また」など繰り返しを連想させる言葉
・「往生」、「供養」、「合掌」、「成仏」などの言葉(仏教以外の宗教の場合タブーとされることもあるので口にするのを避ける)
故人との対面をすすめられたら受けるのが原則
駆け付けたとき、遺族から「一目会ってやってください」と言われたときは、原則として対面を断らないのがマナーです。
故人との対面の仕方
① 故人の枕元で「お別れさせていただきます」とあいさつをし、故人に向かって一礼する。
② 遺族が白布を取ってくれるのを待ってから対面し、深く一礼して手を合わせる。
③ 「穏やかなお顔ですね」など、いたわりの言葉を述べる。
自分から対面を申し出るのは控える
故人との対面は、遺族からすすめられるものなので、自分から申し出るのは控えます。
対面するのがつらいときは辞退してもOK
どうしても対面するのがつらい場合は、「お目にかかると辛くなりますので」と辞退してもかまいません。
臨終の知らせを聞いても駆けつけないときは?
通夜・葬儀の日時・場所、葬儀形式などを確認する
臨終の知らせを受けても駆けつけないときは、通夜・葬儀の日時と場所、葬儀の形式を確認します。
複数人が所属するグループの場合は「次は誰に伝えるか」を確認する
臨終の知らせを受けた相手が、何らかのグループの一員だった場合は、次に誰に連絡したらいいかを確認します。臨終の知らせは、複数人が所属するグループの場合、誰か一人に伝えたあとグループ内で連絡を回してもらう方法が一般的だからです。
遺族に求められれば葬儀の準備を手伝う
亡くなった人が同じ町内会や趣味サークルの仲間同士などの場合は、遺族から葬儀の手伝いを頼まれることがあります。知らせを受けてすぐに駆けつける必要がなくても、手伝いを求められたときは迅速に行動しましょう。
危篤・臨終の知らせはマナーを守って行動を
駆けつけるときは喪服を着ていかないように注意
危篤と臨終の知らせとでは、駆けつけるかどうかの判断が異なります。危篤の知らせを受けたときは、本人が最後に会いたがっていると判断し、できるだけ早く駆けつけましょう。臨終の知らせの場合は、相手との関係性に応じて判断することが求められます。駆けつける際の注意点としては、地味な恰好にする必要はありますが、喪服は着ていかないことです。駆けつけるかどうかや服装の判断がつかず困ったときは、周りの人に相談するなどして対応しましょう。