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2018.3.23

彼岸~春と秋のお彼岸の意味とお彼岸の迎え方

彼岸~春と秋のお彼岸の意味とお彼岸の迎え方

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、お彼岸は1年のうち春と秋に訪れる行事です。
お彼岸といえばお墓参りをする、おはぎやぼた餅を食べるなどのイメージが一般的ですが、元々の意味は少し違うようです。
今回はお彼岸の由来とともに、どんな準備してお彼岸を迎えればいいかについてご紹介します。

お彼岸の時期

お彼岸は春分の日や秋分の日を挟む前後3日間

お彼岸は年に2回、春と秋にそれぞれ1週間訪れます。
春は春分の日を挟む前後3日間、秋は秋分の日を挟む前後3日間です。
1週間のうち、最初の日を「彼岸の入り」、真ん中を「中日(ちゅうにち)」、最終日を「彼岸の明け」といいます。

お彼岸の日取りは毎年同じではない

お彼岸の基準になるのは春分の日と秋分の日です。春分の日と秋分の日は、毎年日取りがずれるので、お彼岸の時期も毎年同じではありません。
その年のお彼岸の日取りは、カレンダーで春分の日と秋分の日をチェックして、前後三日間をプラスして考えるようにしましょう。

お彼岸の由来

本来のお彼岸は、浄土へ行くために精進をすること

お彼岸は元々、此岸から彼の岸へと渡るために修行をし、努力をすることでした。此岸とはこの世を指し、彼の岸は仏の世界(浄土)を意味します。
「彼岸」という言葉の由来は、サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」から来ているといわれています。「パーラミター(波羅蜜多)」は仏教用語で「到彼岸(彼岸に至る)」と訳され、「彼の岸(仏の世界である浄土)へ到達する」という意味があります。「彼岸」という言葉は「到彼岸」を略した言葉と考えられています。
仏教の世界では、煩悩に満ちたこの世(此岸)でも修行を積むことによって、悟りの境地である仏の世界(彼の岸)へ到着できる、とされたのです。

彼岸に至るために「六波羅蜜」の修行を行う

この世の煩悩から解放され、彼岸へ至るために行う修行は6つあり、「六波羅蜜」と呼ばれます。
六波羅蜜とは、悟りを開くために六つの修行を行いましょうという意味です。くだけた言い方をすると心がけのことです。

六波羅蜜

布施(ふせ) 見返りを求めず、人のために善い行いをすること
持戒(じかい) 自らを戒め、ルールを守ること
忍辱(にんにく) 苦しみや困難に耐えること
精進(しょうじん) 何事も最善を尽くし、不断の努力を続けること
禅定(ぜんじょう) 常に第三者の立場で自分自身を見つめ、心を落ち着けること
智慧(ちえ) 何かに偏ることなく、真実を見抜く力を身に着けること

日本でお彼岸は「供養を行う期間」として独自に発展

元々は修行を積むという意味があったお彼岸ですが、日本では時代とともに故人を偲び、ご先祖様の供養をする期間という文化へと変化しました。
お彼岸にお墓参りをする機会や、寺院でも「彼岸会」という法要を行うことが多いのは、ほかの仏教国にはない、日本独自の風習といわれています。
独自の文化が生まれた背景のひとつには、日本に元々ある祖霊信仰や、自然崇拝が影響しているといわれています。実際に、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」として国民の祝日とされています。

お彼岸の準備

お彼岸の準備(1)仏壇仏具の掃除

年2回のお彼岸に合わせて、仏壇や仏具をきれいにして準備をしましょう。
唐木仏壇や、漆塗りの部分はからぶきをしますが、金箔の部分はデリケートなので、ほこりを払う程度でOKです。真鍮の仏具は、専用の磨き材を使うと汚れがとれやすいです。仏壇の素材を傷めないよう、素材にあわせた掃除を行いましょう。

お彼岸の準備(2)お墓掃除

お墓参りの前には、墓石の除をしておきましょう。墓石は一旦水をかけてから磨きます。彫刻部分は歯ブラシを使うと便利です。水鉢や花立て、香立てはゴミがたまりやすいので特に丁寧に洗いましょう。磨いたあとは再度水で洗い流し、タオルなどで水気をふき取ります。
墓石の周辺にゴミが落ちている場合は拾い、草むしりもしておきましょう。

お彼岸の準備(3)お花やお供え物の用意

仏壇やお墓にお供えするものも前もって準備しておきましょう。お彼岸の中日には、彼岸団子を供えるのが一般的です。

お供え物の例

  • 季節のお花
  • 果物
  • ぼた餅
  • おはぎ
  • 彼岸団子
  • 故人が好きだったお菓子

お彼岸の迎え方

お彼岸の期間中に、仏壇やお墓へお参りする

お彼岸を迎えたら、用意したお花とお供え物を仏壇やお墓に供えて手を合わせましょう。お墓参りに行くときは、お線香やロウソク、マッチもしくはライターも忘れずに持参しましょう。

お墓参りの手順

  1. お菓子や果物などのお供え物を、二つ折りにした半紙の上に置く
  2. 水鉢にきれいな水を入れる
  3. お花は長さを揃えて生ける
  4. 掃除をしていない場合は、お墓参りをする前に行いましょう。
  5. お花や線香を供えて墓石の上から水をかける
  6. 合掌して礼拝する

お彼岸の読経をあげるなら、お布施も用意する

僧侶に墓前で読経をあげてもらう場合は、お布施を用意していきましょう。お彼岸で読経をあげてもらうときは、3千円~1万円ほどのお布施を包むことが多いです。
お布施は無地の白封筒に入れてかまいません。表書きは「お布施」としましょう。
遠方に住んでいて自分自身がお墓参りできない場合はお布施だけを送ってもかまいません。お布施を郵送する場合は表書きを「御供養料」とします。

寺院墓地へお彼岸のお参りをするなら、ご本尊にも参拝を

故人やご先祖様のお墓が寺院にある場合は、お墓参りをする前に本堂のご本尊に参拝して、住職に挨拶をしましょう。時間がない場合でも、住職にはあいさつをしたほうがベターです。

お彼岸に寺院へ供物を届ける場合は日持ちに注意

お墓参りを含め、寺院へお参りする際に供物を持参する場合は、日持ちのするものや小分けしやすいものを用意しましょう。寺院へ渡す供物は、一旦ご本尊にお供えされますが、その後寺院で召し上がることが多いからです。お彼岸は法要を行う人が多いので、寺院には供物がたくさん集まります。供物は和菓子や果物が定番ですが、すぐ傷みそうなものは避けたほうが無難です。

寺院が行う彼岸会に参拝する

多くの寺院でお彼岸に合わせて「彼岸会」という法要を行います。お参りだけでなく、お彼岸の法要に参拝することも、丁寧な供養になるでしょう。

手を合わせるだけでも、お彼岸の供養に

お彼岸の供養の形は、お墓参りが一般的といっても、特に決まりがあるわけではありません。供養の形は人それぞれです。西に沈んでいく太陽を見ながら、故人を偲び、静かに手を合わせるだけでもひとつの供養になるでしょう。

初彼岸の場合はいつもより丁寧な供養を

故人が亡くなって初めてのお彼岸は、初彼岸と呼ばれます。初彼岸は、いつもより手厚く供養するほうがベターです。
仏壇・仏具を掃除し、供物の準備をし、お彼岸の間に家族そろってお墓参りをするといいでしょう。親族や友人・知人を招待して法要まで行う必要はありませんが、僧侶に読経をあげてもらうと、より丁寧な供養になります。

お彼岸が春と秋に訪れる理由

1年のうち最も彼岸に近づく

お彼岸の時期が春と秋に訪れるのは、日の長さが関係しています。
仏教では、太陽が昇る東に「此岸」、沈んでいく西に「彼岸」があると考えられてきました。
春分の日と秋分の日は、1年のうちで昼と夜の長さがほぼ同じになります。つまり1年で最も此岸と彼岸とが近づく日といえます。
此岸と彼岸とが近づく特別な時期に供養をすることで、故人が極楽浄土へ到達できると考えられてきたのです。
ちなみに「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉も、日の長さが影響しているといわれています。春は、春分の日を境に徐々に日が長くなり暖かくなっていきます。秋は秋分の日から徐々に日が短く涼しくなっていきます。お彼岸の時期は日の長さが入れ替わる、季節の境目でもあるのです。

春のお彼岸と秋のお彼岸との違い

お彼岸の迎え方は春も秋も同じ

お彼岸は春と秋におとずれますが、時期によって目的や供養の方法が変わることはありません。基本的には年に2回、同じような供養を行うと考えていいでしょう。

お彼岸のお供え物は春と秋で変わることも

お彼岸の迎え方は春も秋も同じですが、お供え物のぼた餅とおはぎは、春はぼた餅、秋はおはぎと使い分けることがあります。
ぼた餅とおはぎとは、どちらも同じ小豆餅で、厳密には明確な違いはありません。強いて言うなら、「粒あん」と「こしあん」の差がある程度といわれています。
ぼた餅やおはぎの材料となる小豆は、秋が収穫時期です。地域によっては、収穫したての秋は粒あん、春は保存しておいた小豆でこしあんにすることがあります。
とはいえ、「おはぎは粒あん、ぼた餅はこしあん」というルールがあるわけではありません。つくる人の好みによって、両方とも同じ餡子でつくったとしても問題はないでしょう。

お彼岸のおはぎとぼた餅、名前の由来

ぼた餅とおはぎは、同じ小豆餅です。元は同じ小豆餅が、春はぼた餅、秋はおはぎと呼び名が変わるのは、季節の花になぞらえているからだといわれています。例えば、春は牡丹の花が咲くことから「ぼた餅」、秋は萩の花に見立てて「御萩」といった具合です。
季節に合わせて呼び名が変わる説でいうと、ぼた餅とおはぎは、夏になると「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」とも呼ぶこともあるそうです。
「夜船」と「北窓」の由来は「つきしらず」という掛詞からきています。
ぼた餅とおはぎは、お餅をつくときのように「ぺったんぺったん」という音がしないので、「近所ではいつついたかわからない(つき知らず)」と呼ばれました。そこから発展して、「夜は船がいつついたか分からない(着き知らず)」と掛けて「夜船」、「北向きの窓からは月が見えない(月知らず)」から「北窓」 と呼ばれるようになったといわれています。

お盆と彼岸との違い

お盆とお彼岸とは、どちらもお墓参りやお供え物を準備しますが、本来の性質は異なります。
お盆は「盂蘭盆会」ともいい、古くはインドにあった風習が日本に伝わり、日本の祖霊信仰と合わさった文化です。
お彼岸も仏教の用語が元になっていますが、現在の供養の方法は、日本で独自に発展した文化という部分が異なります。
ほかにも、お盆は家に帰ってくるご先祖様を迎えて、もてなして見送るという供養です。ですがお彼岸はこちらからあの世へ近づけるよう修行する、という意味合いも含んでいます。

お彼岸は春と秋にご先祖様を供養する行事

お彼岸はそれぞれが思う供養をして過ごそう

お彼岸は、元々浄土へ行くための修行を意味しましたが、日本では故人やご先祖様を偲び供養するという独自の文化に発展しました。
現在は、お彼岸になるとお墓参りや彼岸会に参拝するといった過ごし方が一般的です。とはいえ、お彼岸の供養には特に決まりごとがあるわけではありません。お墓参りに行けないときは西に向かって手を合わせるなど、その時その時にできる供養をするといいでしょう。

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