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2018.9.27

散骨ができる場所は?散骨の方法や費用の相場

散骨ができる場所は?散骨の方法や費用の相場

散骨は、火葬した遺骨を細かく砕いて海や山にまき自然に還す、という埋葬法です。
近年、お墓を持たないという選択をする人や、散骨によって自然回帰を望む人などが増えたことが影響してか、散骨を行う人も増加傾向にあります。
今回は、どんな散骨の方法があるかや、それぞれの散骨方法にかかる費用の相場についてご紹介します。

散骨ができる場所と実施の条件

基本的に許可や届け出は不要

遺骨の埋葬については、墓地埋葬法という法律により、墓地として認められた場所にしか埋葬できないと決められています。ですが、散骨は遺灰、もしくは遺骨を粉々にいた状態で行うため、「節度をもってふさわしい場所で行えば違法ではない」と許容されています。つまり、海や山など、他人に迷惑をかけないところなら、散骨ができます。
散骨をするのに、基本的に役所への許可や届け出は必要ありません。
ただし、一部の自治体には散骨を禁止する条例や、散骨の指標を出している場合があるので注意しましょう。

散骨は遺骨の粉砕が必要

散骨の許認可は不要ですが、散骨には条件がひとつあります。遺骨であると一見して分からないように細かく粉砕しなければならないことです。大きさでいうと、1~2㎜以下まで粉末状にすると決まっています。
遺骨と分かる状態で海に投げ入れると、遺骨遺棄罪という法律違反になる可能性があるので注意しましょう。

遺骨の粉砕は専門業者への委託がおすすめ

遺骨の粉砕は、粉砕キットがあるので、自分でもできないわけではありません。
ですが、骨の粉砕は手作業だと1~3日ほどかかり、大変です。体力的な問題だけでなく、身内の骨を細かく粉砕するというのは、精神的にもつらい人が多いはずです。
専門業者に依頼すれば、機械を使い、1週間程度で細かくきれいな粉末にして届けてくれます。粉砕した遺骨は、ビニール袋だと静電気で袋の内側にくっついてしまうので、紙袋に入れて保管してください。中には、袋ごと散骨できるように、水に溶ける性質の袋に入れて返してくれることもあります。

散骨の方法と費用の相場

散骨は海に行うことが多いですが、空や山にも行うことができます。方法はいくつかあるので、自分たちの希望に合う散骨の方法を検討しましょう。

主な散骨方法

  • 海洋葬
  • 空中葬
  • 宇宙葬
  • 海外での散骨
  • 個人での散骨
  • 樹木葬

海洋葬

名前の通り、海に散骨する埋葬方法で、散骨方法の中では一般的です。
海洋葬は、船を貸し切って散骨する方法、ほかの家族と同じ船に乗り合わせて散骨する方法があります。家族そろって船に乗ることが、思い出のひとつになることもあります。船酔いが心配な人は難しいかもしれませんが、業者に委託し、散骨することもできます。
料金は業者によって幅がありますが、自社で船を保有している業者だと、比較的リーズナブルな料金設定になっていることが多いようです。ですが、設備やサービスが充実している船や、オプションを付ける場合は、料金もそれなりになります。海洋葬を行う場合は、複数の業者を比較して検討したほうがいいでしょう。

個別散骨

個別散骨は、故人の遺族・親族のみで船をチャーターし、単独で散骨する方法です。国内で行う場合は、20~50万円ほどの料金が一般的です。
自分たちだけの貸し切りなので、ほかの人に気を使う必要もなく、落ち着いて故人とのお別れができるのが利点です。出航から帰港まで、全体が葬送儀式のような形になり、家族にとっては思い出にもなりやすいです。
散骨場所や葬送儀式の演出など、比較的融通もききやすいので、心置きなく故人と最後のクルーズができるよう、希望は伝えるといいでしょう。
ただし、船のチャーター代を支払う必要があるので、ほかの形式に比べると、費用はかかります。

合同散骨

合同散骨は、複数の家族が同じ船に乗り合わせて散骨をする方法です。費用は、10万円前後になることが多いです。個別散骨に比べ、船のチャーター代を乗船者たちで割り勘する形になるので、費用は安くなります。複数の家族が乗り込める船なので、比較的大型で揺れが少なく、船内設備も充実していることが多いです。知らない人たちと乗り合わせるとはいえ、全院目的は同じです。業者によっては、ほかの家族と同時に乗船しても、散骨のタイミングや場所はグループごとにずらせる、というケースもあるようです。ほかの人と一緒でも気にならない人にとっては、費用を抑えつつ、自分たちの手で海に散骨できる方法です。

委託散骨

委託散骨は、散骨代行サービスとも呼ばれ、遺族は乗船せず、業者に散骨を委託する方法です。費用は一般的に5~10万円ということが多いです。散骨場所や条件によって異なるため、安いところだと2.5万円程度でできる場合もあります。遺族自らの手で散骨はできませんが、ほかの散骨方法に比べ、費用は抑えられます。
身体的事情があって移動が難しい人や、船に乗るのが苦手な人、忙しくて親族全員が揃わないなど、事情があって散骨をしたくてもなかなかタイミングが見つからない、というケースはよくあるようです。遺骨散骨は、プロの代行業者に委託することで、希望を叶える方法といえます。
委託散骨では、散骨後に証明となるような、散骨証明書の発行や、写真が届くなどのサービスがあるのが一般的です。
ただし事前に遺骨を預けることになるので、安心して任せられるように、散骨を行う場所、日時、方法など、情報は十分確認しておきましょう。

空中葬

空中葬は、ヘリコプターや飛行機に搭乗し、海洋上に散骨する方法です。空葬や空中散骨とも呼ばれます。空中葬、というと空に散骨するイメージですが、実際は海洋葬に近い形といえます。
費用は業者によって異なりますが、30万円くらいは見ておきましょう。飛行機をチャーターする場合は、もっと高額になることもあります。
空中葬は、日本ではあまり行う人がいない散骨方法ですが、飛行機やヘリコプターに乗り、その上散骨をするというダイナミックな行動から、強い思い出になりやすいです。
デメリットとしては、登場人数に制限があるため、大人数ではできないことです。ほかにも、散骨ポイントが限定されやすく、乗り物の特性上、天候に左右されやすいことも頭に入れて検討しましょう。

宇宙散骨

宇宙葬は、バルーンを成層圏まで打ち上げ、破裂させて散骨する方法です。費用は20万円程度から行うことができます。故人が宇宙への憧れを持っていた場合は、海洋葬並みの料金で希望を叶えられそうです。
ただし、宇宙散骨は重量制限があり、一部の遺灰しか散骨できない場合や、夫婦二人分は一緒に散骨できないなど、制限があるケースが多いです。
天候にも左右されやすく、見えない位置でバルーンを破裂させるため、自分たちの手で「散骨した」という実感も、抱きにくいかもしれません。

海外での散骨

散骨は海外でも行うことができます。むしろ、海外の方が散骨文化は一般的で、個人で散骨する人も多いようです。
海外で行う場合の散骨費用は、基本的には日本とほぼ同じくらいか、少し安くなるくらいが一般的です。ただし、現地までの渡航費用や、滞在するための宿泊費も用意する必要があります。散骨費用より高くなることが多く、全部合わせると80万円ほどかかることも多いようです。

個人で散骨する

散骨は、業者に任せず、自分たちの手で遺骨を粉砕して、散骨することもできます。遺骨を粉末状にして、節度を持って散骨する分には違法にはならないからです。個人で行う場合は、遺骨を粉砕する費用や、散骨地までの交通費、お供え物代などで25,000~35,000円程度になることが多いです。
個人で行うとなると、散骨できる場所が限られますが、比較的自由に動けるため、故人の遺志に沿う場所へ散骨できる可能性もあります。

樹木葬

樹木葬は、土の中に埋葬し、墓石の代わりに植樹をするか、すでにある木や草花の下に埋葬する方法です。埋葬した場所に木や草花があることで、お墓を持つのに近い感覚が得られます。埋葬場所は、墓地や霊園の敷地内、もしくは自然の山の中が一般的です。費用は50~60万円ほどが一般的です。墓石代はかかりませんが、ほかの散骨方法に比べ高くなります。墓地や霊園に埋葬する場合は、維持費として年間管理料の支払いも必要です。
注意したいのは、樹木葬は、遺骨を砕いていれば散骨とみなされますが、遺骨の状態で埋葬する場合は、お墓として許可された場所にしか埋葬できません。散骨はあくまで遺骨を粉々にしなければできない、ということを頭に入れておきましょう。

散骨の注意点

散骨場所には配慮を

現在のところ、散骨を規定する法律はありません。散骨をするために、役所へ許可や届け出をする必要もありません。ですが、人骨である以上、散骨する場所には決まりがあります。
例えば、自分の敷地内であれば許可はいりませんが、ゴルフ場のような、誰かの私有地の場合は、所有者の許可が必要です。ほかにも、公共施設には散骨できません。陸地での散骨は場所はかなり限定されそうです。
必然的に海洋上での散骨が多くなりますが、海は海で、漁場関係者の迷惑にならない場所にしなければなりません。海水浴場の近くなら、少なくとも数キロ離れた人目のつかない崖を探しましょう。
海上への散骨は比較的トラブルが少ないとはいえ、散骨できる場所は大体決まっています。業者は考慮した上で場所の提供を行っているはずですが、個人で行う場合は、十分に注意して場所を決める必要があります。

親族の理解を得ておくこと

散骨が亡くなった人の遺志だとしても、散骨を行う場合は、事前に親族に相談し、理解してもらうことが大切です。一人でも反対の人がいれば、トラブルの原因になります。十分に話し合い、理解してもらいましょう。
散骨する場所についても、本人の遺志に沿う場所へ行うのが一番ですが、中には特に希望がないケースも考えられます。もし故人が散骨方法や場所について希望がなかった場合は、親族全員で話し合い、納得できる方法を見つけましょう。

散骨後の供養の仕方も決めておこう

散骨は、遺骨の全て散骨することもできますし、一部だけ散骨することもできます。
全て散骨する場合は、遺骨なしでどのように日々故人を供養するか、年忌法要をどうやって行うか、考えておきましょう。
遺骨の一部を散骨する場合は、残りの遺骨をどのような形で埋葬するか、墓地や墓石をどうするか、決める必要があります。
もし、葬儀の段階から一部だけ散骨することが決まっていたら、火葬のときに葬儀社のスタッフに伝えておきましょう。散骨用として遺骨とは別に渡してもらえることがあるからです。改めて遺骨の粉砕を依頼する手間を省けるかもしれません。

埋葬済の遺骨を散骨する場合は、僧侶や管理者に相談を

すでに墓地に埋葬した遺骨を散骨したい場合は、親族の了承を得たあと、墓地・霊園の管理者や僧侶に相談しましょう。管理者や僧侶の許可が出たら、僧侶などの力を借りて取り出し、散骨の手順を踏みましょう。

業者選びは慎重に

散骨を行っている業者は、全国各地に存在します。用意しているプランや料金もさまざまですが、依頼するときは、いくつかの業者を比較し、見積もりをとることをおすすめします。
中には散骨の許認可が基本的に不要なことを利用して、不当な利益を得ようと活動している業者もいるからです。
散骨の内容について十分検討し、希望に合うところを選びましょう。

散骨方法や場所選びは慎重に検討を

業者や親族の協力を得て、納得いく形で行おう

散骨をすることは、遺骨の粉砕を行うこと以外、法律的に難しい決まりはほとんどありません。ですが、人骨である以上、散骨の場所選びは十分配慮することが大切です。
その後の供養のこともあるので、親族にもきちんと理解してもらいましょう。
海洋葬、宇宙葬など、どんな方法で散骨をするかは故人の遺志に沿うことが大切ですが、全員が納得できる方法がベストです。そのためにも、散骨を依頼する業者選びはじっくり時間をかけて行うことをおすすめします。

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