2018.3.20

一周忌法要の準備と一般的な流れ

一周忌法要の準備と一般的な流れ

一周忌法要は、故人が亡くなって一年目の命日に行う法要です。一周忌法要を行うにあたり、遺族と出席者ともに、事前に準備しておきたいことがあります。
今回は遺族側と参列者とで、それぞれが必要な一周忌法要の準備と、法要の流れについてご紹介します。

一周忌法要を行うために必要な遺族側の準備

遺族側が行う一周忌法要の準備は、遅くても1ヵ月前にはスタートしたほうがベターです。手配することはたくさんありますが、主に1ヵ月前に準備を始めることと、2週間前までに手配することとに分けられます。

1ヵ月前までに準備を始めること

  1. 日程を決める
  2. 会場を決める
  3. 寺院の手配をする
  4. 招待客を決める
  5. 招待客に連絡もしくは案内状の送付

2週間前までに準備すること

  1. 会食の手配
  2. 引き出物の手配
  3. お布施の準備
  4. 供物の手配
  5. 施主はあいさつを考える

一周忌法要の準備(1)日程を決める

まず必要な準備は、一周忌法要を行う日程の決定です。日程については、遺族だけでなく、出席者や僧侶の都合に合わせて決めることが大切です。
本来は、故人が亡くなってから満1年目となる祥月命日に一周忌法要を行います。祥月命日とは、故人がなくなった人同じ月日のことです。
しかし実際のところ、何が何でも祥月命日に合わせて一周忌法要を行うのは、難しい部分があります。命日が土日にあたれば比較的スムーズに決められますが、平日だと仕事をしている人は仕事を休む段取りをつけないといけないからです。
一般的には、祥月命日が平日になる場合は、直前の土日祝日に前倒しをして行うことが多いです。

一周忌法要の準備(2)会場を決める

日程が決まったら、一周忌法要をどこで行うかを決めます。自宅で行うケースが多いですが、寺院や霊園の施設を借りる方法もあります。最近はホテルの会場を利用する人も増えています。
一周忌法要のあとにお墓参りをする予定があれば、お墓に近い場所で行うといいでしょう。

一周忌法要の準備(3)寺院の手配をする

会場を決めるとともに、一周忌法要で読経をあげてもらえるように、寺院にも早めに相談しておきましょう。
依頼する寺院については、菩提寺があれば菩提寺に相談するのがベストです。
特に懇意にしている寺院がない場合は、葬儀や四十九日法要のときにお世話になった寺院に、引き続きお願いするといいでしょう。

一周忌法要の内容を伝えて意向を伺う

寺院に連絡するときは、一周忌法要を行いたい旨と、法要の日時と会場を伝えてから、寺院側の都合を聞きましょう。
問題なければ、一周忌法要後の会食の席に同席してもらえるかどうかも、確認します。時期によっては法事が重なることもあり、僧侶が会食に同席しないこともあるからです。
「一周忌法要のあとにお食事をご用意したいのですが、よろしければ和尚様もご同席いただけないでしょうか」などと尋ねるといいでしょう。
僧侶に対しての呼びかけは、「和尚(おしょう)様」もしくは「ご導師様」が一般的です。宗派によっては「ご院家(いんげ)様」と呼ぶこともあります。

一周忌法要で卒塔婆供養をする場合は伝えておく

一周忌法要では、お墓参りと一緒に、卒塔婆供養をする宗派もあります。塔婆供養を考えている場合は、一周忌法要とともにお願いしておくとスムーズです。
卒塔婆とは、戒名や享年、凡事などを書いてもらった薄い木の板で、お墓の後ろに立てるものです。浄土真宗以外の宗派では、法要をはじめ節目ごとに新しく立てることが多いです。
卒塔婆供養をする場合は、供養料を用意する必要があります。金額の目安は3,000円ですが、寺院や地域によって異なるため、確認しましょう。

一周忌法要の準備(4)招待客を決める

一周忌法要の日時や会場が決まったら、招待する人の範囲を決めます。一周忌法要は、故人を偲ぶことが目的です。招待客の範囲は、遺族や親族と、故人の友人・知人くらいまでを招待するのが一般的です。
ただし、どのような人を招待するかは施主や遺族の意向です。会社関係まで声をかけるケースもあります。

一周忌法要の準備(5)招待客に連絡もしくは案内状の送付

一周忌法要に招待する人の範囲が決まったら、一人ひとりに連絡をします。
遺族や親族だけの身内で行うのであれば、連絡方法は電話でOKです。
親族以外に、友人・知人などを招待する場合は、返信用ハガキもしくは往復ハガキを同封した封書で、案内状を送付しましょう。ハガキで出欠をとるのは、食事や引き出物の数を把握するためです。
案内状を送付する場合は、招待客が余裕を持って返信できるように、早めの送付を心がけましょう。

一周忌法要の準備(6)会食の手配

一周忌法要が終わったあとは、会食の席を設けるのが一般的です。法要後の会食はお斎とも呼ばれます。会食場所は、法要の場所や事情に合わせて準備するといいでしょう。
自宅で一周忌法要を行う場合は、仕出し料理を予約して、そのまま自宅で会食の席を設けることが多いですが、最近は、料亭やレストランなどへ場所を移すケースも増えています。
霊園や寺院、ホテルなどで一周忌法要を行う場合も、会食場所はお店を予約する人が多いようです。
会食の手配から先は、遅くても一周忌法要を行う2週間前までに準備を始めましょう。

料理の予約時は一周忌法要であることを伝える

料理の予約をするときは、利用したい日時と人数、予算を伝えるとともに、「一周忌法要のあとの食事」ということを、しっかり伝えておくことが大切です。法要でいただく食事に、鯛やイセエビといった慶事にいただく食材が入るのを防ぐためです。

会食会場を予約する場合は送迎の車の手配も

法要のあと、お店で会食をする場合、移動用の送迎車も手配しておきましょう。お店で送迎の車が利用できるようであればお願いしておくとスムーズです。送迎サービスがない場合は、自分たちで手配しましょう。

一周忌法要後の会食をしないケースもある

一周忌法要後の会食は、絶対にしないといけないわけではありません。遺族や親族内で話し合い、都合が合わない場合や、遠方で法要をする場合などは、会食をしないと決めてもOKです。
ただし、会食をしない場合は、かわりにお酒の小瓶と折り詰め弁当をお渡しできるようにしてください。持ち帰りができる食事をお渡しすれば、失礼にはあたりません。

一周忌法要の準備(7)引き出物の手配

一周忌法要では、招待客に対して引き出物の用意も必要です。引き出物は、香典返しと同じく、「消え物」を用意するのが一般的です。例えば洗剤や石鹸といった日用品、海苔、お菓子、お茶といった食品です。食器やインテリアなどは残るものになるので、法要の引き出物には不向きとされています。最近は、相手が自由に選べるカタログギフトを用意する人も増えています。

一周忌法要の引き出物には墨字で表書きを

引き出物にはのし紙をつけますが、一周忌法要のときも同じです。一周忌法要の場合は、表書きを「志」、「粗供養」などとし、水引より下に、施主の姓を書きます。
表書きの文字は、葬儀のときに用いる薄墨ではなく、通常の墨字で書くようにしましょう。
のし紙の水引には、黒白、または双銀の結び切りを用いるのが基本です。

一周忌法要の引き出物の金額は関係の深さに合わせる

一周忌法要で渡す引き出物は、招待客からいただく御供物料にお返しするためのものです。
お返しする金額の相場は、御供物料の1/2~1/3くらいになるように、2,000~5,000円ほどのものを用意するのが一般的です。
ですが、付き合いや関係の深さによってもお返しする金額は異なります。例えば、故人と血縁関係がある親族には10,000円以上のものを、お返しすることもあります。関係の深さに合わせて、3,000円程度のものや、5,000円程度のものなど、引き出物の種類をいくつか用意しておくといいでしょう。

一周忌法要の準備(8)お布施の準備

一周忌法要では、読経をあげてもらうので、葬儀のときと同じように僧侶へのお布施が必要です。一周忌法要で渡すお布施の相場は、30,000~50,000円ほどといわれていますが、明確な決まりはありません。寺院に確認したほうが確実ですし、地域差もあるので、分からないときは周囲の年配の人にも相談しましょう。
お布施以外に、法要の会場まで僧侶に足を運んでもらう場合は、別途5,000~10,000円程度のお車代を用意します。僧侶が会食の席に同席しない場合は、5,000~10,000円ほどを、お膳料として包みましょう。

一周忌法要のお布施には墨で表書きを

引き出物の表書きと同様に、一周忌法要でお渡しするお布施には、薄墨ではなく通常の墨字で表書きを書きましょう。
お布施やお車代などは、半紙で包んでから奉書紙で上包みを施すのが正式ですが、市販の白無地封筒を使用しても問題ありません。ただし郵便番号の印刷がない封筒を使用しましょう。

一周忌法要の準備(9)供物の手配

信仰する宗派や法要の形式によっては、一周忌法要のために果物やお花など、供物の準備も必要です。
お花については、一周忌法要くらいから淡い色が混じったものをお供えしてかまいません。故人が好きだったお花を加えるのもいいでしょう。
供物は参列者が持参することもあります。施主がお供えする場合は、のしの表書きを「御供」とし、下段には「〇〇家」と記します。

一周忌法要の準備(10)施主はあいさつを考える

施主は一周忌法要のはじめと終わりにあいさつをするのが基本の形式です。当日慌てないよう、事前に何を話すか、準備をしておきましょう。

一周忌法要で献杯をする場合は、依頼しておく

地域や宗派などによっては、一周忌法要の会食の席で、食事の前に献杯をすることがあります。もし行う予定があれば、献杯の発声をしてもらいたい人へ、あらかじめお願いしておきましょう。

一周忌法要の一般的な流れ

一周忌法要の準備を進めるとともに、どのような流れで法要が進んでいくかについても、頭に入れておきましょう。

  1. 僧侶入場
  2. 施主のあいさつ
  3. 僧侶の読経
  4. お焼香
  5. 僧侶による法話
  6. 僧侶退場
  7. 施主のあいさつ
  8. お墓参り

一周忌法要の席順やお焼香の順番は血縁関係の濃い順

僧侶が入場する前に、全員席についておきます。席順は、最前列を上座とし、故人との血縁関係の濃い順に前から座るのが基本です。葬儀の席順と同じと考えるといいでしょう。
お焼香も、施主、遺族、親族と血縁関係の濃い人から行います。

一周忌法要後のお墓参りはしない場合もある

僧侶が退場することで、法要自体は一段落します。施主のあいさつのあと、お墓が近ければお墓参りをすることがありますが、必ずではありません。
必要な場合は、お墓で開眼法要や納骨法要を行うこともあります。

お布施を渡すのは一周忌法要の前後に

用意したお布施は、一周忌法要が始まる前に僧侶にあいさつをするときか、法要後、僧侶が帰る前に渡します。
僧侶が会食の席に同席しない場合は、法要が終わってすぐ、僧侶が帰る前に忘れずに渡しましょう。会食に出席してもらえるようであれば、会食後でかまいません。
お布施をお渡しするときは、切手盆や袱紗(ふくさ)などにのせて渡すのがマナーです。直接手渡しするのはNGなので気をつけましょう。

引き出物は一周忌法要後の会食が終わる直前に渡す

一周忌法要後の会食がもうすぐ終わる、という頃合いを見計らって、用意した引き出物をそれぞれの招待客へ配ります。配り方は、テーブルの下や膳の脇など、邪魔にならないところに置いていくか、招待客が帰るときに手渡しするなどの方法があります。いずれにしても、一人ひとりお礼を言いながら渡すことが大切です。
ただし、もし出席者の人数が多い場合や、法要と会食の席とを別で用意する場合は、あらかじめ会場の各席に置いておいてもかまいません。レストランや料亭であれば、お開きが近づいたら配ってもらえることがあるので、頼んでもいいでしょう。

一周忌法要に出席するときのマナー

招待客として一周忌法要に出席する場合は、遺族ほど準備は必要ありません。ですが、いくつか気を付けたいポイントやマナーがあります。

一周忌法要で渡す御供物料や供物を準備する

御供物料は、葬儀でいうところのお香典のような存在です。一周忌法要に出席するときは、ご仏前に供えてもらうよう、現金を包んでいくのがマナーです。
供物は、果物や線香などを準備します。故人が好んだお菓子を持っていくのもいいでしょう。
御供物料と供物は、施主に「御仏前にお供えください」と言って渡すか、法要開始前に自分で祭壇に供えます。

御供物料の相場の金額は5,000~10,000円

御供物料の相場は、5,000~10,000円といわれています。ですが、故人との関係が深い場合は、10,000円以上を包むこともあります。
表書きは宗教ごとに異なります。仏式の場合は、「御仏前(御佛前)」か「御供物料」としますが、神式の場合は「御神前」か「御玉串料」とするのが一般的です。

一周忌法要に招かれたら断らないことが基本

基本的に、一周忌法要をはじめ法要に招かれた場合は、断らないのがマナーです。どうしても都合がつかない場合を除いて、できる限り出席するようにしましょう。
案内状が届いたときは、先方の準備の都合も考えて、なるべく早めに返事を出すことも大切です。

一周忌法要当日は早めに到着しあいさつを

一周忌法要の当日は、法要開始20~30分前に到着するようにしましょう。会場についたら、まずは施主に「本日はお招きいただき恐れ入ります。ご一緒にご供養させていただきます」とあいさつをしましょう。
法要の場では、「ありがとうございます」という言葉はタブーです。うっかり言いそうになりますが、気をつけましょう。

一周忌法要の服装マナー

一周忌法要では遺族は喪服が基本

一周忌法要の場合、遺族は喪服を着用するのが基本です。男性は上下黒のブラックスーツ、女性はブラックフォーマルと呼ばれるアンサンブルやスーツ、ワンピースを着用しましょう。ほかの小物も、葬儀のときと同様に整えます。
こだわらない場合は平服でもかまいませんが、施主側が招待客よりカジュアルになるのはNGです。平服を着用する場合は、案内状に一言書き添えるようにしましょう。

招待客側も一周忌法要では喪服がベター

招待客として一周忌法要に出席する場合も、男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルと喪服を着用するほうが無難です。
案内状に「平服でお越しください」と書かれている場合は、地味な色の服装に整えます。男性の場合はダークスーツ、女性は地味な色のスーツかワンピースを着用するのが一般的です。ただし男性の場合は、原則としてネクタイは黒を着用しましょう。
学生や幼児の服装は、葬儀のときの服装に準じます。
女性で一周忌法要当日にお手伝いを頼まれた場合は、白や黒のエプロンも持参するとベターです。

一周忌法要を行う目的

一周忌をきっかけに故人を偲ぶ

一周忌法要を行う意味は、法要をきっかけにして、故人に関わりがある親族や友人・知人が集まり、みんなで故人を偲ぶという意味があります。読経やお焼香ももちろん供養になりますが、故人の思い出話に花を咲かせて談笑することも、大切な供養のひとつだからです。

一周忌法要がお礼や近況を話し合う場のきっかけに

遺族にとっては、法要の場が集まってくれた人に対し、お礼を伝える場にもなります。葬儀や四十九日法要のころというのは、悲しみが深く、気持ちを切り替える余裕がないものです。一周忌法要を行うころになると、ようやく気持ちが落ち着いてくることも多いです。法要を行うことで、心配してくれた人たちに対し直接お礼が言えるチャンスが生まれます。
出席者同士も、法要がきっかけとなって集まることで、お互いの近況を話し合う機会になることが多いです。

一周忌法要の準備は早めにスタートするのがベター

一周忌法要の日取りは依頼する寺院や招待客とも相談を

一周忌法要を行う場合、遺族側はさまざまな準備が必要です。葬儀や四十九日法要などと比べると、落ち着いて準備できる可能性はありますが、なるべく早めに準備をはじめるほうがいいでしょう。特に、遺族側の場合、日程を決めるときは寺院や出席者の都合を聞き、ベストな日時を選ぶことが大切です。
一周忌法要は、故人を思い出し、偲ぶ場です。当日気持ちよく過ごせるよう、遺族側も出席者側も準備を整えておきましょう。

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