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2018.3.30

供養は何をすればいい?お盆、お彼岸、日常生活でできる供養

供養は何をすればいい?お盆、お彼岸、日常生活でできる供養

亡くなった人やご先祖様を供養するという気持ちは、多くの人が自然に持っているものではないでしょうか。日常生活の中で、折に触れて供養をすることは、祖霊信仰や仏教が長く息づいてきた、日本に根付いた文化のひとつといえます。とはいえ実際どのようなことをすればいいのかイメージがわかない、という人もいるはず。
今回は、日常生活やお盆、お彼岸でできる供養の仕方についてご紹介します。

供養の意味

故人やご先祖様の冥福を祈る

供養は、サンスクリット語の「尊敬」を意味する言葉を訳した言葉です。
仏教的には、仏や菩薩を敬い、お香や燈明の灯り、食べ物やお花を供える意味がありますが、時代とともに、日本に古来から根付く祖霊信仰と結びつきました。
現在は、仏様に感謝の気持ちをささげることとともに、故人や先祖の霊に供物をささげ、冥福を祈ることが供養の意味といえるでしょう。

気持ちを込めて祈ることが供養になる

供養は、いつしなければならない、という決まりはありません。言い換えると、いつでもできるといえます。
時には、動物や、鏡や針など、人間の生活に密着した物や道具など、人以外のものに対して供養を行うこともあります。自分の中で大切だと感じたものを失ったとき、気持ちを込めて祈ること自体が供養をすることになるでしょう。

日々の供養

仏壇に手を合わせる

日々の供養としてよく行われるのは、仏壇に手を合わせることです。
仏壇は仏様や菩薩様などのご本尊を祀るとともに、ご先祖様を弔うものです。仏壇に手を合わせ、毎日を無事に過ごせることを感謝するだけで、供養になります。

心の中で語りかけるだけでも

供養の形に決まったものはありませんし、人によっては自宅に仏壇がないということもあるでしょう。そんなときは故人の遺影に花を手向け手を合わせるだけでもOKです。心の中で語りかけるだけでも十分供養になります。

神式やキリスト教式の日々の供養

神式の場合も、神棚や御霊舎に礼拝することを日々の供養として行う人が多いです。
キリスト教式の場合は、教会に赴いたりミサに参加し、祈りをささげるのが一般的です。

お墓参りという形で供養する

日々の供養でできることとして、お墓参りをする方法もあります。
お墓参りというと、祥月命日や法要、お盆など、なにか行事があるときにお参りするイメージがあるかもしれません。ですが、お墓参りは基本的にいつ行ってもいいものです。
毎日の習慣にしてもいいですし、「お参りに行きたいな」と思ったときにふらっと立ち寄るのもかまいません。お墓に足を運び、故人やご先祖様に語り掛けることが、ひとつの供養になります。

お墓参りに必要なもの

お墓参りにいくときは、お線香や供物、数珠以外に、お墓を掃除する道具も持っていきましょう。寺院墓地や霊園で、お供えするお花やお線香などを購入できる売店や、小物の貸し出し、給水施設が設置してある場合は利用するといいでしょう。

お墓参りに必要なもの

  • お線香
  • ロウソク
  • ライター
  • 供物(お菓子やお花など)
  • 数珠
  • 手桶
  • ひしゃく
  • ほうき
  • 雑巾

お墓参りの作法

寺院墓地の場合は、お墓参りの前に住職に挨拶をし、本堂のご本尊に参拝してから墓地へ向かいます。
お墓についたら、まず墓石の掃除を行います。墓石を磨いたり、周囲の草やごみを取り除きましょう。掃除が終わったら、供物やお花、お線香をお供えし、新しいお水を墓石にかけて合掌します。合掌する時は、しゃがむか腰を低くするのがマナーです。手には数珠をかけましょう。
帰るときは、必ずお線香やろうそくの火を燃やし切ってから離れるようにしてください。供物も、そのままにしておくと動物が食べ散らかすことがあるので、持ち帰ることが多いです。
墓石にジュースやお酒をかけた場合は、匂いが残って周囲の迷惑にならないよう、お水をかけて流しておいてください。

お盆の供養

お盆はご先祖様の霊がかえってくるひと時

お盆は正式には盂蘭盆会といい、推古天皇の時代から続く夏の行事です。祖霊信仰が根付く日本では、昔から、亡くなった人やご先祖様は霊となり、夏の一時期だけ家に帰ってきて、家族と一緒に過ごすと考えられてきました。
やがて仏教が日本に伝わり、祖霊信仰と融合し、さまざまな行事が生まれます。お盆も仏教と融合して生まれた行事のひとつといわれています。

地域によってお盆の時期は異なる

お盆の時期は、8月13日から16日というところが多いですが、明治に暦が切り替わるまでは、7月13日から16日を中心に行われてきました。今も東京を含む関東や一部の地域では、太陰暦(旧暦)のまま、7月に行うところが残っています。
いずれにしても、お盆の最初の日を迎え盆(お盆の入り)、最後の日は送り盆(お盆の明け)といいます。

お盆の準備

仏壇の掃除をしてお供え物の準備をする

お盆を迎える前は、仏壇・仏具の掃除をし、お供え物を用意するなど、準備をします。
浄土真宗以外の宗派では、霊を迎えるために、精霊棚(盆棚)と呼ばれる、真菰(まこも)のござを敷いたスペースをつくります。仏壇の前にスペースがあれば、小机や台を精霊棚としますが、最近は仏壇に供えるのが一般的です。ほかにも、位牌や三具足とともに、ナスで作った牛やキュウリで作った馬など、さまざまなお供え物も必要です。お供え物の内容は、初物の野菜や果物など、地域や宗派によって決まりが異なります。

お盆の過ごし方

読経をあげ、お墓参りをして供養する

お盆でどのように供養をして過ごすかは、地域や宗派によって異なるものの、基本的には僧侶を自宅に招いて読経をあげ、家族でお墓参りをすることが多いです。
宗派によっては、13日は「迎え火」といって、先祖の霊が迷わず家に帰ってこられるように玄関先や庭先でオガラを焚きます。オガラという麻の皮をむいた茎の部分のことです。
送り盆となる16日には、再び「送り火」として火を焚き、あの世へ無事に到着できるようにと、祈りを込めて見送ります。地域によっては、火を焚く以外に盆提灯や、お墓の盆燈籠に火を灯すことで、迎え火や送り火のかわりにすることもあります。ほかにも、お盆の間中朝昼晩と、家族と同じ食事(霊供膳)を仏壇に供えることで供養する宗派もあります。

お供え物はお盆が過ぎてから処分する

お盆の供養に供えたお供え物は、以前は精霊流し、燈籠流しとして川や海へと流していました。しかし現在は環境への配慮から、菩提寺に納めたり、送り火を焚くときに一緒に燃やすことが多くなっています。

新盆の供養はいつもより丁寧に

新盆は初盆とも呼ばれる、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことです。ただし四十九日の忌明けを迎える前にお盆が訪れる場合は、翌年が新盆になります。

読経をあげ、会食の席を設ける

新盆の供養は、いつもより丁寧に供養するのが一般的です。例えば親戚、友人・知人を招いて、僧侶に読経をあげてもらい、精進料理を用いた会食を行うなどします。地域によっては、新盆には白い盆提灯を飾ります。
僧侶を招いて読経をあげる場合は、遺族は喪服を着用します。僧侶には、お礼としてお布施を1~2万円包み、お車代を渡します。僧侶が会食を辞退した場合はお膳料も渡しましょう。
白い盆提灯は、お盆が終わったあとは送り火で燃やすか、可燃ごみに出す、菩提寺に納めるなどして処分します。

お彼岸の供養

此岸から彼の岸へ渡るために努力する期間

お彼岸という言葉は、サンスクリット語の「パーラミター(派羅蜜多)」を訳した言葉といわれ、仏教の言葉のひとつです。
パーラミターには、「煩悩に満ちた現世(此岸)を離れて修行を積むことで、煩悩を脱して悟りの境地に達した浄土の世界(彼の岸)に到達する」という意味があります。
つまり本来お彼岸には、此岸から彼の岸へ渡るために精進し、努力する期間だと考えられます。

手を合わせ、ご先祖様を偲ぶ期間

お彼岸の元々の意味が、浄土へたどりつくための修行のひとつだといっても、私たちが普段使うお彼岸という言葉は、修行というより「ご先祖様を供養する期間」としてとらえるほうが一般的です。
仏教では、此岸は東に、彼の岸は西にあるとされています。太陽が真東から昇って真西に沈むお彼岸の時期は、此岸と彼の岸がもっとも通じやすくなるといわれています。
お彼岸の時期、亡くなった人やご先祖様を思い、偲ぶことが、供養になると考えられています。

お彼岸は日本独自の文化

仏教の意味でいうお彼岸と、日本で根付いているお彼岸との意味とが違うのも、自然に対し、感謝して祈りをささげるという日本に根付く祖霊信仰と、仏教のお彼岸とが結びついた結果だといわれています。
実際、お彼岸の間に訪れる春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人をしのぶ日」として国民の祝日にもなっています。
お彼岸の時期になると自然やご先祖様に感謝し、供養も行うというのは、ほかの仏教国にはない、日本独自の文化といえます。

お彼岸の過ごし方

お彼岸の期間

お彼岸は春と秋、年に2回あります。「彼岸会」と呼ばれることもあります。
春のお彼岸は、春分の日を挟んで前後3日ずつ、秋は秋分の日を挟んで前後3日ずつの、それぞれ計7日間です。
お彼岸の7日間のうち、最初の日を「彼岸の入り」、真ん中を「中日」、最終日を「彼岸の明け」といいます。

お墓参りや季節のお供え物をする

お彼岸の供養は、お彼岸の間に家族でお墓参りに出かけることが一般的です。仏壇やお墓へのお供え物には、季節の花や、お団子を用意します。ぼたもち(おはぎ)を用意することも多いです。
ぼた餅とおはぎは、どちらももち米を蒸してあんこやきなこをまぶしたものですが、どちらを呼ぶかは地域差があります。地域によっては、春は牡丹の花にちなんでぼた餅、秋は萩の花にちなんでおはぎ、と呼び名を変えることもあります。

寺院の法要へ参拝する

お彼岸には、寺院でも法要を営むことが多いです。法要の期間中、寺院へ参拝するのもひとつの供養になるでしょう。寺院へ供物を持参する場合は、日持ちのするものや小分けしやすいものを用意するのがベターです。
墓地へお参りするだけの場合は、先に本堂のご本尊に参拝し、住職に挨拶をするようにします。墓前で読経をあげてもらう場合は、お布施として3千円から1万円ほどのお布施を包みましょう。

手を合わせるだけでもOK

お彼岸には、特に決まったしきたりはありません。夕方、彼の岸があるとされる西の方角に沈む夕日に向かい、手を合わせて故人を偲ぶというのも、供養の方法のひとつです。

初彼岸の場合はお墓参りを

故人が亡くなって初めてのお彼岸は、初彼岸といい、通常より手厚く供養するのが一般的です。法要までは行う必要がありませんが、お彼岸前に仏壇・仏具の掃除をし、供物を供え、準備をし、お彼岸の間にお墓参りはするほうがベターです。僧侶を読んで読経してもらうと、より丁寧な供養になります。
供物は、故人が好きだったものをお供えするといいですが、お彼岸の中日には彼岸団子を供えるのが一般的です。

供養は故人を思って祈ること

供養の方法や時期はこだわらず、いつでも行える

供養の方法は、日々仏壇に手を合わせる、お盆やお彼岸にお墓参りをするなどさまざまです。
最近は仏壇やお墓を持たない人も多く、どうすればいいか悩む人もいるかもしれませんが、厳密な方法や時期にはこだわらなくてもOKです。
どのような供養であっても、大切なことは、心静かに故人を偲ぶことです。故人に感謝し、祈りをささげれば、十分な供養になるでしょう。

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