2017.12.18

納骨堂とは|お墓のスタイル、埋葬の方法

納骨堂とは|お墓のスタイル、埋葬の方法

現在の納骨の方法は、昔に比べ多様性に富み、納骨堂や永代供養墓などを利用する人や、海や山に遺骨を散骨するという人も増えています。今回は納骨堂がどんなお墓なのか、納骨堂の種類やメリット・デメリットについてご紹介します。

納骨は火葬後の遺骨を埋葬すること

忌明け後に行うのが一般的

納骨は、お墓や納骨堂などに遺骨を埋葬することです。納骨を行うタイミングに明確な決まりはありませんが、通常は忌明けをしてから行います。
ただし最近は、葬儀当日に初七日法要や四十九日の法要もすませる場合があり、全ての儀式が終わったあと引き続いて納骨するケースもあります。

納骨堂はお墓のひとつ

遺骨を骨壺に入れた状態で安置する施設

納骨堂は、骨壺に入れた遺骨を安置するための施設です。納骨殿、霊堂などと呼ばれることもあります。納骨堂では、遺骨は個人個人や家族ごとなど、個別に安置されます。
基本的に室内に設置されるのが特徴で、近年は「屋内霊園」と呼ばれるマンション形式の納骨堂も登場しています。
仏教以外でも、神道、キリスト教などでも同じような施設が作られています。納骨堂によっては、宗派・宗旨に問わず利用できる場合もあります。

永代使用が可能

納骨堂は、維持管理費を支払えば、永久的に使用できる(永代使用)のが特徴です。維持管理費の有無や、費用については、それぞれの納骨堂によって異なります。
納骨堂によっては、お墓を建立するまでの間や一時的に保管するために利用できることもあります。

納骨堂以外の納骨方法

一般的なのは「お墓」への納骨

最も一般的な納骨方法は、お墓への納骨です。代々引き継いだ家族墓や、自分の代で用意した夫婦墓、個人墓などに納骨します。

ひとつのお墓に合同で入る合葬墓

最近は、承継者がいなくても供養をしてもらえる、永代供養墓、合同供養墓、共同墓、合祀墓などの利用が増加しています。核家族化が進み、代々のお墓があっても守る人がいない、あるいは遠方に住んでいて管理ができないなどの問題が起こることが多いからです。
納骨堂も共同墓の部類に入ります。ですが、納骨堂が個別で遺骨を安置するのに対し、永代供養墓ではひとつのお墓にみんなで入るのが特徴です。場合によっては一定期間個別の骨壺で安置されることもありますが、ゆくゆくは合祀されると考えていいでしょう。
ほかにも永代供養墓は、納骨堂と違って屋外にあることが多いです。維持管理費は基本的に不要ですが、受け継ぐこともできません。宗派や宗旨に制限がない場合がほとんどですが、納骨堂と同じく、一旦納骨すると遺骨の返還ができないことも多いので注意しましょう。

お墓を必要としない形の方法も増えている

新しくお墓を建立するのも、納骨堂などの施設を利用するのにも、ある程度の出費が必要です。「家を守る」という意識も薄れている近年、墓石を用いない樹木葬や海洋葬といった自然葬や、散骨するという納骨のスタイルも登場しています。

納骨堂を利用する際の注意点

納骨堂に納骨した時点で預け先の管理下に置かれる

遺骨は、納骨堂に納骨した時点で、管理者が預け先に変わります。納骨した後は、たとえ遺族や関係者であっても、無断で持ち出しをすると処罰の対象になる場合があるので注意しましょう。

一定期間を過ぎると合祀墓へ移動されることもある

納骨堂は基本的に個別安置の施設ですが、条件があり、一定期間が経つと永代供養墓のような合祀墓に埋葬するか、別途用意した専用区域に保管されることがあります。例えば格納できなくなった場合や、三十三回忌終了後などです。購入前に、納骨した後どのような供養の形がとられるのか、確認しておきましょう。

お参りは共同の参拝所というケースも

納骨堂によって、遺骨の収蔵庫へ立ち入りができる場合と、できない場合があります。収蔵庫へ立ち入りができない納骨堂の場合は、共同の参拝所でお参りを行うことが多いです。

納骨堂の種類

ロッカー、仏壇、お墓など、タイプはさまざま

納骨堂の種類は多種多様ですが、一般的にはロッカー式や棚式、仏壇式、お墓式の場合が多いです。
仏壇式というのは、納骨壇とも呼ばれ、与えられたスペースが上段と下段に分かれているタイプです。上段には仏壇や位牌を置き、下段には遺骨を置くことが多いです。
お墓式は室内墓所とも呼ばれ、納骨堂内に墓石を置くタイプの納骨堂です。

寺院、公営、民営の納骨堂がある

納骨堂の管理・運営は寺院、公営、民営のいずれかが一般的です。

寺院納骨堂 寺院が管理・運営する納骨堂で、寺院内にあるのが一般的です。納骨堂を購入する場合は、お墓を建立する場合と違って、檀家として入壇する必要がない場合が多いです。
公営納骨堂 都道府県、市町村といった自治体が管理・運営する納骨堂です。利用するには、自治体の提示した条件を満たす必要があるのが一般的です。公営納骨堂の多くは仏式ですが、自治体によっては神式の納骨堂が用意されている場合もあります。
民営納骨堂 宗教法人、財団法人、社団法人のように、公益性がある法人が運営を行い、民間会社が販売を行う納骨堂です。民営納骨堂は利用するときに宗派・宗旨に制限がない場合が多いです。

納骨堂を利用するメリット

何かと利便性がいい

納骨堂を利用するメリットは、利便性のよさにあります。
遺骨を屋内に安置できるので、天候を気にせずお参りができます。お墓と違い、手入れの心配もほとんどいらないところも魅力的です。立地面でも、交通アクセスのいいところに建てられていることが多いようです。
維持管理費はある程度必要ですが、お墓の土地を購入し、建立することに比べるとリーズナブルと考えられます。納骨堂によっては、宗派・宗旨などの制約がないところもあります。

お墓に近い感覚が得られる

納骨堂は、永代供養墓のような合葬墓と違い、個別で遺骨を安置できることもメリットのひとつです。収蔵庫へ立ち入りができる納骨堂であれば、お墓という形ではないものの、亡くなった人をお参りしている、という気持ちになりやすいのではないでしょうか。

承継者がいなくても大丈夫、という安心感

必要な費用を支払い、永代供養の手続きを踏んでおけば、万が一受け継ぐ人がいなくなっても供養してもらえる安心感があります。

納骨堂を利用するデメリット

契約更新の可能性

納骨堂のデメリットは、契約更新の可能性があることです。多くの納骨堂では、契約期間が決まっていて、期間の満了時ごとに更新が必要です。

納骨できる人数に制限があることも

納骨堂は、1スペースに対し、納骨できる人数に制限がある場合も多いです。人数制限を超えて利用する場合は、新たなスペースの購入が必要です。

地域によっては納骨堂がない場合も

都市部では比較的納骨堂が多く、寺院にも新たに納骨堂が設置されるケースが増えています。ですが地域によっては、まだ納骨堂が設置されていない場合もあり、地域差があるのが実情です。納骨堂がなくても、寺院にお願いすれば永代供養をしてもらえるケースもあるようなので、菩提寺のように懇意にしているお寺があれば相談してみるのもひとつです。

納骨に対する考え方の変遷

11世紀まではお墓を持たないひとの方が多かった

そもそも日本では、11世紀ごろまで、一般の人がお墓を持つことがありませんでした。例えば古墳が示すように、お墓というのは天皇や皇族など限られた人しか作れないものだったからです。
12世紀ごろ、納骨信仰と呼ばれる、霊場に火葬した骨を納める風習が生まれました。ですが、このころはまだ「人が亡くなったら火葬し、霊場に骨を納めて終わり」というイメージに近く、一般の人が「お墓」や「納骨」自体を意識することはあまりなかったそうです。

戦国時代から現代の納骨に近い考え方が生まれた

「納骨=お墓」という図式が一般的になったのは、戦国時代以降からだといわれています。
武士が台頭し、武家社会となって家制度や観念が、庶民まで確立していったからです。
「家」という考え方を大切にするようになったことで、墓地も「家」ごとに持つようになりました。亡くなった人が代々家のお墓へ納骨されるようになり、子孫がお墓参りする習慣も生まれました。
現在のように、「お墓にはご先祖様が眠っていて、お墓参りをすればいつでも故人に会える」という意識が生まれたのも、このころからだと考えられます。

再び「家」という意識は薄れつつあるが・・・

近年は核家族化も進み、少し前の日本に比べると、「家」という意識は薄まってきています。お墓を守る人がいなくなって無縁墓になる場合や、遠方に住んでいて管理ができないからと、お墓の引っ越しや墓じまいをする人もいます。
納骨の在り方も「納骨=お墓」という図式から、自然葬や散骨など、お墓を持たず、埋葬方法にもこだわらない人が増えています。「家」よりも「個人」が大切にされるような時代に変化してきたといえるでしょう。
ただ、納骨、お墓というものに対する意識は時代とともに変わっても、納骨を行うときに遺族が持つ「故人の死を悼み、弔う」という気持ちだけは、これからも変わらずにあり続けるでしょう。

納骨堂は、新しい納骨方法のひとつ

個別に安置でき、永代供養も依頼できるのが魅力

「家を守る」という意識が薄れつつある現代において、納骨堂は新しい納骨の形として定着しつつあります。お墓であれば土地の購入や墓石の建立、メンテナンスの心配などがありますが、納骨堂ではある程度の費用を支払えば、管理を任せられるのがメリットです。それでいてお墓と同じように、家ごと、個人ごとに遺骨を安置できるのも魅力です。
納骨堂の運営は、寺院や公営、民営と種類があり、条件や利用方法はそれぞれ異なります。購入する際は、十分に検討し、自分の希望に合う納骨堂を選びましょう。

ページの
先頭へ