喪中の範囲と期間~喪に服すのは何親等まで?喪中に控えるべきこと
身内が亡くなった場合、喪中の範囲はどこまでの間柄と考えるのが一般的か、戸惑う人もいるのではないでしょうか。今回はこの記事で、どこまでの親族が喪に服す範囲なのか、一般的な服喪期間や喪中で控えるべきことなどをご紹介します。
喪中の範囲は何親等まで?
喪中とは、身内に不幸があった場合、故人の死を悼み、一定期間喪に服すことをいいます。「服喪(ふくも)期間」と呼ばれることもあります。「服喪」の「喪」は喪中を指します。
喪中の範囲は2親等までが目安
喪中の範囲は2親等までが一般的といわれています。2親等とは、自分や配偶者の兄弟姉妹、祖父母、孫までを言います。
ただし、2親等までというのはあくまで目安であり、3親等以降でも深い付き合いがあった場合など、自分の気持ち次第で喪に服しても良いとされています。最近は同居しているかどうかで決める人も多いです。親族、地域内で慣習がある場合も従うといいでしょう。
親等 | 自分との関係 |
0親等 | 自分(夫・妻) |
1親等 | 父母、配偶者の父母、子 |
2親等 | 自分や配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、祖父母、孫 |
3親等 | 自分や配偶者の曽祖父母、伯叔父母、伯叔父母の配偶者、自分の甥姪 |
親等は自分や配偶者を0親等として考えるため、両親や子供は1親等となります。義理の両親や兄弟姉妹については、自分の両親・兄弟姉妹と同じ親等になります。つまり、配偶者の両親、兄弟姉妹についても自分と同じように喪に服すのが基本です。
喪中の期間
服喪期間は長くて1年程度
喪中の期間は故人との続柄に応じて長くて1年程度というのが目安です。一周忌法要を区切りとして喪明けと考えるといいでしょう。
とはいえ、喪中の期間も喪中の範囲と同じく、現在の法律では厳密に定められていません。明治時代までは太政官布告で喪中に関する定めがありましたが、昭和22年に撤廃されました。現在も慣習として一般的な目安はありますが、同居や別居など、付き合いの程度によって決めることも増えています。1年を目安として、悲しみが大きい場合は長期間喪に服してもいいでしょう。
続柄 | 喪中の期間 |
父母・義父母 | 12ヶ月〜13ヶ月 |
子 | 3ヶ月〜12ヶ月 |
祖父母 | 3ヶ月〜6ヶ月 |
兄弟姉妹 | 1か月〜6ヶ月 |
曾祖父母、伯叔父母 | 喪中としない |
亡くなって四十九日までは忌中
喪中と似た言葉に「忌中」があります。喪中と忌中とは、他界してからの日数によって呼び方が変わります。
一般的に忌中は、故人が亡くなってから四十九日の忌明けまでが範囲となります。喪中は、故人を偲ぶ期間とされるのに対し、忌中の間は故人に祈りをささげるとともに、死の穢れが身についているため外部との接触を避けるべき期間とされています。「忌服(きふく)期間」とも呼ばれ、「忌」は忌中を指します。
喪中の期間中、控えるべきこと
お正月のお祝い(年賀状)
喪中は故人を偲ぶ期間として、お正月のお祝いを控えたほうがよいとされています。
お正月のお祝いに関連して、年賀状による新年のあいさつも控えるのが一般的です。年賀状の代わりに喪中はがき(年賀欠礼状)を出します。喪中はがきを出すのも、故人が亡くなりお正月のお祝いをする気になれないという悲しみの表現のひとつといえます。
結婚式
喪中の期間は結婚式を行うことや参列することも、控えたほうがよいとされています。とはいえ、最近は四十九日の忌明け以降であれば結婚式を行う人や、友人や会社関係者の結婚式であれば喪中でも参列する人は増えています。迷ったときは周囲と相談して決めるといいでしょう。
旅行・遊興
旅行や遊興も喪中で控えたほうがいいとされることのひとつです。遊興とは文字通り、遊び興じることをいいます。現在は忌明けを区切りにするケースが一般的ですが、かつては服喪期間中の殺生を禁じ、お酒やお肉も断つべきとされていたことが影響していると考えられます。
喪中はがきを出す範囲
2親等までが一般的
喪中の範囲と同様に、喪中はがきを出すのも2親等までが一般的ですが、3親等以降でも喪に服したいと思えば喪中はがきを出してかまいません。年賀状にて喪に服す期間は一律1年間が通例となっています。
ちなみに、法人の場合は喪中という概念がないため、会社の社長が亡くなった場合社員が喪に服す必要はありません。しかし、家族経営の場合は喪中として新年のあいさつを遠慮する場合もあります。
喪中はがきを出すタイミングは?
11月~12月15日ごろまでに送ろう
喪中はがきは、相手との行き違いを防ぐため、11月から12月15日までに送るのがベターです。年末近くに不幸があった場合は、寒中見舞いにて喪中の旨を伝えるといいでしょう。
喪中でも参加していいのは?
寺院への初詣
喪中の期間でも寺院への初詣は問題ないとされています。神道と違い、仏教には死をけがれとする考え方がないためと考えられます。神道も忌明け以降であれば初詣をしてもいいとされていますが、地域によって考え方が異なります。慣習があれば従いましょう。
お中元・お歳暮を贈り合う
お中元・お歳暮も、自分や相手の喪中に関係なく贈りあって問題ないとされています。お中元やお歳暮はお祝いではなく、日ごろの感謝を伝えるための慣習だからです。注意したいのは、喪中の期間中に贈るお中元やお歳暮には、紅白ののしを使用しないことです。贈るタイミングも、四十九日の忌明け以降になるよう考慮するほうがいいでしょう。
喪中の範囲は2親等まで、服喪期間も把握しておこう
喪中の期間は四十九日をめどに慶事も控えるのが一般的
身内が亡くなった場合の喪中の範囲は、2親等までとするのが一般的です。服喪期間は続柄によって異なりますが、1周忌をめどに考えるといいでしょう。服喪期間中の注意点としては、新年のお祝いや結婚式など、慶事は控えることです。
とはいえ、あくまで喪中の範囲や服喪期間も、一般的な目安であり明確な決まり事ではありません。3親等以降でも付き合いが深かった場合は喪に服しても問題ありませんし、最近は四十九日の忌明けを区切りに結婚式を行うことも増えています。自分自身の気持ちを第一に、親族や地域の慣習があれば従いながら行動するといいでしょう。