2024.10.31

自然葬の種類や方法と注意点

自然葬の種類や方法と注意点

最近は、墓石を持たない自然葬という葬儀の形、埋葬方法を選ぶ人が増えています。葬儀の種類は多様化し、より故人の遺志や遺族の希望で自由な葬儀が行えるようになっています。自然葬も、従来の葬儀に比べ、自由度の高い葬儀の形です。
今回は、自然葬の種類や方法と、行う際の注意点についてまとめました。

自然葬という葬儀の形

自然葬は、遺骨をお墓に納骨するのではなく、散骨や植樹を行うなどして埋葬する方法です。家族葬や自由葬とも違う、新しい葬儀形式として選ぶ人が増えています。

散骨とは?散骨を行うタイミング

散骨とは、火葬後の遺骨の一部またはすべてを粉砕し、海や山などにまき自然にかえすことです。散骨をするタイミングは、一般的な納骨の時期と同じく、四十九日の忌明け後を目安に行う人が多いです。
とはいえ、納骨も、散骨にも、厳密な決まりはありません。一周忌が過ぎてから行う人や、故人との思い出の記念日に行う人などさまざまです。もし散骨を行う場合は、自分の中で気持ちの整理がつくタイミングが訪れたときを区切りにすればいいでしょう。

自然葬の種類

自然葬を取り扱う民間業者や団体は全国各地に存在し、それぞれがさまざまなスタイルの自然葬を行っています。中でも海洋葬や樹木葬は、自然葬の中でも行われることの多いスタイルです。

海洋葬

海洋葬は名前の通り、遺骨を海に散骨して埋葬する方法です。海洋散骨とも呼ばれます。海洋葬には、一家族で船を貸し切って散骨を行う個人散骨や、数家族が同じ船に乗り合わせて散骨を行う合同散骨があります。
散骨する場所は業者によって異なりますが、日本近海の漁場、海上交通の要所などは避けて行うことが多いです。業者によっては、アジア、ヨーロッパと海外で散骨できるようなプランを用意している場合もあります。
海洋葬を行う場合は、船代、お花代と遺骨の粉砕費用のほか、献酒をするためのお酒代、写真撮影などの費用が必要です。費用を支払えば、散骨証明書を発行してくれることもあります。

樹木葬

樹木葬は、遺骨の状態で土の中に埋葬し、墓石の代わりに木を植える自然葬です。植樹は、埋葬するときに行う場合と、あらかじめ植えられている木の周りに、複数の遺骨を埋葬する場合もあります。植樹葬は遺骨を埋葬し土に還すことができるのが魅力です。土に還った遺骨は、木や草花など新たな自然を育むからです。

空中葬

空中散骨とも呼ばれる自然葬です。空中葬は、遺族がヘリコプターやセスナ機に乗り込み、上空から海洋に向かって散骨をする方法です。「大空を自由に飛び回りたい・・・」という思いを持っていた故人のために行われることが多いようです。遺族としても、ヘリコプターやセスナ機に搭乗する、というのは日常ではなかなかない体験なので、思い出になりそうです。

自然葬をする場合の服装

一般的な葬儀では喪服の着用が基本ですが、自然葬の場合は平服で参加するのが一般的です。自然葬を行う場所によっては船に乗る、山道を歩くなどが必要です。自然葬を行う場所に合わせた格好で問題ありません。

自然葬をするときの注意点

植樹葬は墓地として認可されている場所に

遺骨の埋葬する場所は、墓地埋葬法という法律により、墓地以外への埋葬を禁じられています。植樹葬の場合は、遺骨の状態で土の中に埋葬します。埋める場所がお墓でなくとも、遺骨の状態で埋める場合は、埋める場所が法律に基づいて墓地として許可されている場所でなければなりません。

散骨はふさわしい場所に

墓地埋葬法は、あくまで遺骨を土に埋葬する場合が対象です。散骨は、遺骨を粉砕し、形が分からないほど粉々にした状態でまくのが基本なので、法律の対象外となり、容認されています。
とはいえ、遺骨を粉々にすればどこに散骨してもかまわない、というわけではありません。確かに遺骨は粉砕したあと体積が1/3~1/4ほどに減りますが、遺骨には変わりないからです。法律にも、「節度を持ってふさわしい場所で行えば違法ではない」と示されているように、周囲の人に配慮し、迷惑がかからない場所でまくことが大切です。

遺骨の粉砕は専門業者に委託を

散骨自体は、特別な書類の提出や、法律的な手続きは必要ないため、個人でも行うことができます。ですが、散骨するためには遺骨を粉砕する必要があります。個人で骨を細かく砕くというのは困難なので、専門業者に依頼するのが自然な流れです。
遺骨の粉砕は、散骨を請け負っている業者でしてもらうことができます。遺骨の粉砕と、自然葬とは同じ業者に相談すると、スムーズに埋葬できるでしょう。
業者によって、用意しているプランや費用や、システムなどはさまざまです。複数の業者に見積もりを取ったりプランを検討するなどして、希望が叶う専門業者に依頼しましょう。

一部だけ散骨したい場合はあらかじめ伝えておくとスムーズ

故人や遺族の遺志によっては、埋葬と散骨と両方をしたいという場合も考えられます。もちろん散骨は、遺骨の一部だけというのも可能です。希望する場合は、火葬する前にあらかじめ葬儀社のスタッフに、一部散骨したいという気持ちを伝えておきましょう。埋葬用の遺骨とは別に、散骨用として粉砕した状態の遺骨を受け取ることができるからです。

アクセサリーにして手元に残す人も

自然葬は、一般的に遺骨を散骨するか、植樹するなどして埋葬することが多いです。ですが、埋葬せず、手元に置くという選択肢もあります。業者によってはアクセサリーやオブジェに加工できる場合があります。「遺骨を一部だけでも手元に残したい」と思う人は相談してみてください。

すでに埋葬した遺骨の散骨は相談を

すでに墓地に埋葬した遺骨も、埋葬した墓地や霊園の管理者から許可がおりれば、遺骨を取り出してもらい、散骨することができます。希望する場合はまず管理者や業者に相談しましょう。

法要やお参りのことも考えておこう

植樹葬の場合は、植樹した木を墓標にできますが、散骨する自然葬の場合は、法要を行う場合や、お参りをしたいと思っても遺骨がない状態で行わなければなりません。
散骨したあとは遺影を拝むようにする、散骨した方角に手を合わせるなど、散骨後どのように故人を弔うかについても考えておきましょう。

自然葬増加の背景

ライフスタイルの変化も一因に

近年、自然葬は、ほかの新しい葬儀形式である家族葬や自由葬とともに、増加傾向にあります。
自然葬を選ぶ人は、核家族化の影響か、「子どもたちにお墓参りやお墓を守る苦労をかけたくない」と考える人や、「お墓自体を必要と思わない」という人が多いようです。ほかにも、海や山といった、自然にかえることのできる埋葬方法が、エコの観点から好ましいと感じる人もいます。ライフスタイルや時代の変化が、自然葬の増加にも影響を与えているようです。

自然葬は新しい葬儀・埋葬の形

自然葬を扱う専門業者に相談を

自然葬はお墓を必要としない葬儀、埋葬方法です。従来の形式にとらわれず、遺骨を海や山にかえす、というのはある意味でもっとも自然な形の埋葬方法かもしれません。
とはいえ、通常の葬儀・埋葬方法と違うので、注意も必要です。特に散骨する場所や散骨後の問題、植樹葬の場合は埋葬場所も気を付けなければなりません。
個人で自然葬を行うのは難しいことが多いので、まずは自然葬を扱う専門の業者へ相談しましょう。さまざまなプランを検討した上で、納得できる葬儀業者へ依頼するのがベストです。

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