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2019.6.10

樹木葬とは?種類、費用やトラブル事例など後悔しないためのポイント

樹木葬とは?種類、費用やトラブル事例など後悔しないためのポイント

最近選ばれる機会が増えている樹木葬。お墓選びをするにあたって、後悔しないためにさまざまなお墓の種類のメリット、デメリットを知り、比較検討したい人は多いのではないでしょうか。今回はこの記事で、樹木葬の種類や費用相場、注意したいトラブルなどについてご紹介します。

樹木葬とは?

墓石の代わりに樹木を墓標にしたお墓

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標にした埋葬方法です。一般的なお墓と異なり、樹木を墓標(シンボルツリー)として、墓標の周囲や根元にご遺骨を埋葬するのが主流です。お墓参りのときには、墓標である樹木に向かって祈ります。

墓標には桜やモミジ、ハナミズキなどを用いるのが一般的です。ほかにも、自然の山木や草花を選べる場合もあります。

樹木葬は里山の緑化再生を兼ねて1999年ごろから始まりました。まだ新しい埋葬方法ですが、自然に還る埋葬方法であることや、環境保全への関心の高まり、お墓に対する考え方の変化などで選ばれる機会が増えています。近年は公営・民営を問わず整備が進んでいて、寺院墓地の中にも樹木葬の区画を設けるケースもあります。

樹木葬は許可を得た場所に埋葬する必要がある

樹木葬は散骨と混同しやすいですが、埋葬方法としてはそれぞれ別物です。大きな違いは、樹木葬があくまでお墓の一種であるのに対し、散骨はお墓を作らない弔い方といえることです。

樹木葬がお墓の一種とされるのは、一般的なお墓と同じように、法律に則って許可を得た場所にしか埋葬ができないからです。一般的な石材のお墓と違うのは、樹木を墓標にすることだけといえます。

一方、散骨は、ご遺骨を粉砕してさえいれば、散骨する場所について法的に明確な決まりはないのが実情です。埋葬の申請や許可の手続きを特に必要としないため、お墓として許可を得た土地以外でも散骨が可能です。散骨がお墓を作らない弔い方とされるのは、ご遺骨をまいて埋葬する方法だからです。

ただし散骨も、自分の庭や近隣の山林など、好き勝手に埋葬することは認められていません。

樹木葬の種類

霊園タイプ

霊園タイプの樹木葬は、目印となる樹木の周りにご遺骨を埋葬するタイプです。

霊園タイプの中にもいくつか種類があり、都市型・公園型とも呼ばれるタイプは緑あふれる公園のような雰囲気が特徴です。一般的な墓地と同じように区画が整備され、手入れが行き届いているケースが多く、立地面でも比較的アクセスがしやすい場所にあることが多いです。

ガーデニング型と呼ばれるタイプでは、霊園内に植物に囲まれた場所があり、ご遺骨を埋葬するのが特徴です。洋風な雰囲気や和風の雰囲気などさまざまなスタイルがあります。

里山タイプ

里山タイプは、より自然に近い形の埋葬をコンセプトにした樹木葬です。極力自然の中に埋葬することに重きを置いたスタイルなので、都市部から離れた山林や、整地も最小限の広い場所にあるケースが多いです。

樹木葬における遺骨の収蔵形式

合祀タイプ

合祀タイプは他の人のご遺骨と一緒に埋葬するタイプです。1本の樹木を墓標として共有し、その周囲に合祀墓を作り、同じ敷地内にご遺骨を埋葬するイメージに近いでしょう。

合祀タイプの場合、骨壺からご遺骨を取り出し他の人と同じ敷地内に埋葬することになります。どこに誰が埋葬されたかはわかっても、墓標を共有することになるため、ご遺骨はほかの人と混じってしまうことがほとんどです。

共同埋葬タイプ

共同埋葬タイプもご遺骨を1か所に埋葬するタイプです。合祀タイプと異なるのは、ご遺骨は骨壺や骨袋などに入った状態で埋葬するため、他の人のご遺骨と一緒にならないことといえます。

個別埋葬タイプ

個別埋葬タイプは個々の区画が仕切られ、1人1つの区画に植樹して、ご遺骨を埋葬するスタイルです。一般的なお墓に最も近い埋葬形式といえるでしょう。個別埋葬タイプは単身用以外に、夫婦や家族4人まで入れるタイプなどがあります。中にはペットとともに埋葬できるタイプもあるようです。

カロートを設けている場合も

樹木葬は基本的に、ご遺骨は骨壺から取り出して直接土にまいたり、埋めたりして自然に還します。しかし、個別埋葬タイプを中心に、一部では一般的なお墓のようにカロートを設けたお墓になっていることがあります。

カロートがある場合は、ご遺骨を骨壺ごと納められたり、粉骨して骨袋に移しかえた状態で納骨できる場合などが多いです。メリットは後々でもご遺骨を動かしやすいことといえるでしょう。

樹木葬の費用

費用相場は30~70万円

樹木葬の費用相場は30~70万円といわれています。一般的なお墓を新しく建立する場合の相場が200~250万円なので、樹木葬のほうが費用を抑えられる可能性が高いです。ただし、名前を刻む銘板や個別の石碑がオプションで用意されている場合は、追加費用が必要になることもあります。

埋葬方法によっても料金が異なる

樹木葬の費用相場には幅があるのは、どのような埋葬の種類を選ぶかで費用相場が変わってくるためと考えられます。

種類 費用相場
合祀タイプ 5~10万円程度
共同埋葬タイプ 30~50万円程度
個別埋葬タイプ 50~70万円程度

合祀タイプは他の人の遺骨と一緒に埋葬される分、料金は抑えめなのが一般的です。夫婦や親子で契約すると割安になるケースもあるようです。一方、共同埋葬タイプは、みんなで墓標を共有しつつも、個別のスペースを設けるため合祀型よりは高くなる傾向があります。

個別埋葬タイプは個別のスペースを確保する分、料金相場もさらに高くなるほか、専有スペースの広さでも料金が変動します。墓地によっては管理料が別途かかる場合もあり、100~200万円ほど必要になる場合もあるようです。ただ、個別埋葬でも家族分のご遺骨を納めることができるタイプなら、割安になる可能性もあるでしょう。

樹木葬のメリット

自然に還ることができる

樹木葬は自然に還るというのがメリットのひとつです。自分の好きな樹木や植物を墓標にできれば、自然が大好きな人にとってピッタリな埋葬方法になるでしょう。

管理を一任できる

樹木葬は永代供養が一般的です。永代供養とは一定の料金を支払えば、お墓の管理をしてもらえる供養の方法です。自分で樹木や周辺の管理を自由に行うことはできませんが、管理面の負担がないのはメリットといえるでしょう。

継承者を必要としないことが多い

永代供養が多い樹木葬なので、お墓の継承者も不要なのが一般的です。自分や夫婦の一代限りで利用できるため、子どもがいない人やお墓掃除や管理の負担をかけたくない人が選ぶケースも多いです。

一般的なお墓に比べリーズナブル

樹木葬は一般的なお墓を新しく建立するよりリーズナブルなのもメリットです。ご遺骨を埋葬するスペースが小さく、樹木を墓標とすることで墓石工事代がかからないためとされています。

樹木葬のデメリット

基本的に埋葬する人数分の費用がかかる

墓地によっては、夫婦や家族で利用する場合は割安になる場合もありますが、基本的に樹木葬は1人ずつ費用を支払う必要があります。一般的なお墓よりリーズナブルとはいえ、利用人数が多いと割高になる可能性もあるでしょう。

お墓の立地によって料金が変動

樹木葬は同じ埋葬方法でも、立地の良さで料金が異なる場合があります。都心部や交通アクセスのいい場所ほど地価が高いことが多いので、永代使用料も高くなる傾向があります。

景観が変わる可能性がある

樹木葬は自然の樹木や草花を墓標にするため、景観が変化する可能性があります。自然のものである限り樹齢があり、気候の影響で枝が折れたり、最悪は枯れる場合もあるからです。年月とともに樹木や植物の生長を見られる楽しみがあるのと同時に、いつまでも同じ状態であるとは限らないことも、心に留めておく必要があるでしょう。

埋葬後にご遺骨を動かせない

自然に還ることが、樹木葬のコンセプトである以上、埋葬後はご遺骨を移動しづらくなります。カロートがあるタイプは別として、一般的にはご遺骨を骨壺から取り出して直接土にまいたり、骨袋に包んで土中に還すことが多いからです。あとからご遺骨を取り出そうと思っても、時間が経てば土の中で分解が進んでしまうでしょう。

特に合祀タイプの場合は、ほかの人のご遺骨と混じってしまうため、個別に取り出すこと困難と考えられます。どうしてもという場合は埋葬した場所の土を動かすしかなくなる可能性もあるでしょう。

樹木葬で起こりがちなトラブル

周囲の理解を得るのに時間がかかる

樹木葬を選ぶ際に起こりやすいトラブルのひとつは、周囲の理解を得るのに時間がかかったり、受け入れてもらえないなどのケースです。名前を聞いたことはあっても、墓石がない埋葬形式にお墓参りをどうすればいいか戸惑う人は多いのが実情です。先祖代々のお墓がある場合は、跡継ぎをどうするのか困ることや、個別埋葬であっても、ご遺骨を土に還して形がなくなることに抵抗を持つ人がいるかもしれません。

故人の遺志であることを伝えれば理解してもらえることも多いはずですが、お互いの気持ちがすれ違ったまま話を進めるのは避けましょう。後々の付き合いに影響する場合もあるからです。事前にパンフレットを見せたり、一緒に見学に行くなどして、丁寧に話を進めることが大切です。今お墓がある場合や、いずれ先祖代々のお墓を建立したいと考えている場合は、今後についてもよく話し合いましょう。

埋葬先が山奥の場合、お墓参りがしづらい

樹木葬は里山タイプを主として、交通アクセスが不便なことが原因で、お参りをする人の足が遠のく可能性があります。埋葬場所の環境自体は素晴らしくても、墓地の近くまで車が入れない場合もあるからです。今は元気な子世代も、年老いて不便に感じるかもしれません。希望する墓地のイメージだけでなく、公共機関や送迎車のある墓地を選ぶなど、お参りしてくれる人のことも配慮して場所を決めることが大切です。

管理費の支払いや檀家にならないといけないことも

一般的に費用の内訳は、永代使用料のほか埋葬料や石板に名前を彫るための代金、年間管理料などが含まれます。埋葬料や銘板彫刻代は永代使用料に含まれたり、年間管理料も無料の場合が多いですが、一部では生前や一定期間、年間管理料が発生する墓地もあるので契約前に確認が必要です。管理費が必要になる理由には、一般的な樹木葬墓地より自然豊かで、手入れの必要があるとの理由が多いようです。

寺院が運営している樹木葬墓地の場合は、永代供養と書かれていても、結果的に檀家同様の扱いを受け、トラブルになるケースもあるようです。例えば年間管理費の名目で支払いが発生する場合や、寺院の修繕費用を負担しないといけないなどのケースです。檀家になってほしいとは、はっきり言われないこともあるので注意が必要です。パンフレットに永代供養と書かれていても、費用の内訳は見積もりを取って確認しましょう。

樹木葬の申込から埋葬までの流れ

一般的に樹木葬は次のような流れで申し込み、埋葬を行います。

  1. 情報収集・資料請求
  2. 現地見学
  3. 契約・入金
  4. 使用許可証の交付
  5. 役所に死亡届を提出
  6. ご遺体を火葬する
  7. 樹木葬の管理者に埋葬許可証を提出

まずは樹木葬のできる墓地を探し、電話やネット、パンフレットなどで資料を集め、それぞれ交通アクセスや価格など、希望条件に合うかをチェックしましょう。いくつか絞ったら予約をした上で実際に見学し、周辺環境や交通アクセスの感覚など、自分の目で雰囲気を確かめることをおすすめします。プランの詳細やご遺骨の埋葬方法、後々の管理についても担当者に確認しておきましょう。

即決せず、じっくり検討した上で気に入ったら申し込みをしましょう。一般的に申し込みとともに費用も納めることが多いです。入金後、使用許可証が発行され、樹木葬の使用者として認められます。

実際に埋葬する場合は、埋葬許可証が必要になります。埋葬許可証を手に入れるには、臨終後役所に死亡届とともに火葬許可証の交付を受けます。埋葬許可証は、ご遺体の火葬後に火葬場から返却される火葬許可証のことです。埋葬当日はご遺骨と埋葬許可証を持参します。埋葬の際に納骨式や読経を行う場合は、事前に僧侶とも打ち合わせをしておきましょう。

樹木葬で後悔しないための注意点

自分のイメージに合ったお墓や立地、埋葬方法

樹木葬は立地や雰囲気、埋葬方法や価格など、墓地によってさまざまです。同じ雰囲気でも、全体が樹木葬墓地の場合もあれば、一般的な墓地の一角に、樹木葬用の墓地スペースが設けられている場合もあります。

後悔しないためには、埋葬方法や価格など1つのポイントにこだわらず、実際に見学して雰囲気や詳細を確かめ、自分のイメージと本当に合っているかを検討しましょう。単純に安さを求めるなら、通常の合祀墓や散骨をするほうが安価ですむ場合もあるので、十分比較して選ぶことが大切です。

承継者が必要か確認する

一般的に樹木葬は永代供養の形式で承継者は不要です。しかし、中には承継者を必要とするケースもあるので家族とも話し合って決めることが大切です。反対に、代々のお墓を樹木葬にしたいと考えている場合は、承継できる樹木葬墓地を探すのもひとつです。

宗教・宗派が不問か

樹木葬は宗教・宗派も不問が一般的ですが、寺院が管理している墓地の場合は宗教・宗派が限定されている場合があります。檀家になる場合でも一代限りなのか、前もって調べる必要があります。

植樹する樹木の種類

墓地によっては、植樹する樹木の種類が決まっている場合があります。自分の好きな樹木、植物がある場合、植樹ができるかも調べておきましょう。

樹木葬は樹木を墓標にする新たな埋葬方法

事前の下調べや周囲の理解を得て後悔のないお墓選びを

樹木葬は樹木を墓標にした埋葬方法です。一般的なお墓と違うのは、墓標が石材ではなく樹木であることです。

一口に樹木葬といっても、さまざまな種類があり埋葬方法や価格も異なります。安易に決めず、事前に情報収集や現地見学を行って不明点は解決しておくことが大切です。後悔やトラブルが起こらないよう、周りの人たちとも話し合いながら、お墓選びをしましょう。

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