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2018.9.27

音楽葬とは~故人の好きだった音楽で送る音楽葬のメリット・デメリット

音楽葬とは~故人の好きだった音楽で送る音楽葬のメリット・デメリット

音楽葬は、自由葬と呼ばれる無宗教式葬儀のひとつです。仏式葬儀で行う読経の代わりに、音楽を使用し、故人の最期を見送る葬儀の形式です。
今回は音楽葬の概要とともに、メリットやデメリットなどについてご紹介します。

音楽葬は音楽を取り入れ、演出する葬儀

故人が好きだった音楽を葬儀で流す

音楽葬は、葬儀のプログラムの中に、音楽を取り入れる葬儀形式です。
キリスト教式葬儀でもオルガン演奏や合唱を行います。ですがキリスト教式葬儀と違うのは、音楽葬は「音楽で故人を見送る」ことを主目的にすることです。読経や聖書の朗読なども行わず、流す音楽もジャンルにとらわれることはありません。故人が好きだった楽曲を流したり、演奏するなどして見送ります。
無宗教式葬儀(自由葬)のひとつなので、特に決まった形式もありません。音楽を流している間は、お焼香や献花をしてもいいですし、故人の思い出を語り合う時間にもできます。

音楽葬を行うメリット

音楽葬は「故人らしい」葬儀を演出しやすい

音楽葬のいいところは、音楽によって、生前の故人の雰囲気や性格などを表現できるところです。ジャンルにとらわれず、故人が好きだった音楽を流すからこそ、「故人らしい」葬儀の実現にもつながります。

音楽葬で流す楽曲が故人を思い出すきっかけに

葬儀で音楽を流すことは、故人を思い出すきっかけづくりにもなります。参列者の中には、音楽葬で流れた楽曲を聴いて、生前の故人の姿を思い起こすことや、思い出がよみがえることもあるでしょう。
葬儀で初めて、生前の故人が好きだった曲を知ったという場合も、後々曲を聞くたびに故人のことを思い出すようになるかもしれません。音楽葬はオリジナルの葬儀だからこそ、遺族も参列者にとっても、より心に残る葬儀になりやすいです。

音楽葬にすることが葬儀後の充実感にもつながる

音楽葬は決まった形式がない分、家族が主体となって、葬儀の内容を考えます。一般的な葬儀のように、決まった形式に沿って動くというより、自らで葬儀をつくりあげるほうが大きいです。葬儀が終わったあと、「家族の手で送り出した」という充実感も得やすいのも特徴です。

音楽葬を行うデメリット

音楽葬に対する理解を得にくいことも

音楽葬は一般的な葬儀に比べ、自由度が高い新しい葬儀の形です。親族をはじめ、年配の人の中にはなじみがなく、戸惑う人もいるでしょう。家族の意見が一致していても、周りから理解を得られなければ、最終的に満足いく葬儀にならない可能性があります。

音楽葬で見送ったあと、供養や法要の形をどうするか

音楽葬は宗教者を招かず行うこともできるため、葬儀後の供養や法要をどのように行うかで、悩む可能性があります。音楽葬にすると決めたら、葬儀後のことも考えて動くようにしましょう。

音楽葬のプログラムによっては費用がかかる

音楽葬は基本的に自由なので、例えば演奏家を手配するというのもOKです。とはいえ、こだわりを持って準備すればするほど、費用が高額になることも考えられます。
予算は控えめに、と考える場合は、しっかり考えて準備する必要がありそうです。

音楽葬を行う場合の注意点

音楽葬に対して周囲に理解を得ること

デメリットにもあるように、音楽葬は親族や参列者の中でも、年配の人はなじみがなく、戸惑う可能性があります。中には「厳粛なイメージのある葬儀で音楽を流すなんて」と反対する人がいるかもしれません。
どのような葬儀の形で行うにせよ、見送る人が納得した葬儀形式でないと、満足いく葬儀にはなりづらいです。音楽葬にすると決めたら、まずは親族に説明し、理解を得るようにしましょう。故人の遺志がある場合は、あわせて伝えるといいでしょう。

菩提寺にも音楽葬について説明しておこう

菩提寺がある場合は、僧侶にも理解してもらっておくことが大切です。代々お世話になっている寺院は特に、説明をしなかったことで関係がこじれる可能性があります。
菩提寺に墓地がある場合は、後々納骨できる・できないの問題になることもあるので、十分注意して説明し、理解を得ておきましょう。

音楽葬の選曲は葬儀の雰囲気にも合う曲を

音楽葬で流す楽曲は、故人が好きだった曲を中心に集めます。故人が生前に希望している曲があれば問題ありませんが、そうでない場合は参列者が音楽を聴いて、違和感がないような楽曲を選びましょう。とはいえ、葬儀らしい雰囲気も演出することも大切です。アップテンポの曲は、葬儀に合うようアレンジしたものを選ぶほうがいいでしょう。

葬儀で流す楽曲は十分な曲数を準備しよう

音楽葬は文字通り、音楽が中心の葬儀です。1、2曲の準備では、同じ曲ばかり流すことになるので、あまり意味がありません。開式前に流す曲、弔辞、弔電披露、献花、遺族代表のあいさつ、出棺と、葬儀が終わるまでと、場面に合わせて一通り流せるだけの楽曲数を準備しましょう。一般的には、10曲ほどを用意することが多いです。

音楽葬が禁止の葬儀会場もある

無宗教式葬儀は増えていますが、葬儀会場の中には音楽葬に対応していないこともあります。音楽葬に使用する音楽には著作権があるため、原則として各葬儀場は日本音楽著作権協会と使用契約を結ばないといけないからです。
葬儀会場を選ぶ際は、音楽葬にも対応しているかどうか、確認しましょう。

自宅での音楽葬なら、楽曲の使用は自由

自宅での音楽葬は、著作権法の「自由利用が認められる」に該当します。喪主は音楽の使用にあたり、使用契約を結んだり、使用料を払う必要はありません。喪主は葬儀の音楽を営利目的で使用するわけではないからです。

音楽葬の費用相場

音楽葬の規模・内容によって40~100万円と幅がある

音楽葬にかかる費用は、40万円ほどで抑えられることもあれば、100万円近くかかることもあります。参列者数や、どのような内容の音楽葬にするかが、費用にも大きく影響するようです。
CDやDVDを使って音楽を流すだけであれば比較的費用は抑えられますが、生演奏を依頼する場合はそれなりの金額を準備しておくほうがいいでしょう。相談する前に、ある程度の予算を決めておくほうがおすすめです。

音楽葬で流す音楽とは

故人が好んだ音楽ならジャンルは問わない

音楽葬で流す音楽は、ジャンルを問いません。故人が好んだ曲であれば、クラシックのほか、ジャズ、J-POP、洋楽でもOKです。

音楽葬に用いられるクラシックの例

クラシックやオーケストラは、厳かな雰囲気も保ちつつ、個性も出せることから、音楽葬で用いられることが多いです。
中でも、シューベルトの「アヴェ・マリア」やショパンの「別れの曲」、パッヘルベルの「カノン」、バッハの「G線上のアリア」などはよく使用されています。

音楽葬に用いられる邦楽の例

邦楽で使用される機会の多い曲は、秋川雅史の「千の風になって」、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」、美空ひばりの「川の流れのように」などがあります。葬儀の雰囲気と合う曲を選んでもいいですし、故人の好きだったJ-POPを流すのもいいでしょう。

音楽葬に用いられる洋楽の例

洋楽はロック、ジャズ、R&Bなどのジャンルがあります。一般的には、ビートルズの「イエスタデイ」やジョン・ニュートンの「アメイジング・グレイス」、ハロルド・アーレインの「オーバー・ザ・レインボー」などの使用が多いです。

音楽葬で生演奏を行う方法もある

葬儀の規模が大きい音楽葬の場合は、管弦楽団や合唱団に依頼し、生演奏をするという選択肢もあります。生演奏を取り入れる場合は、葬儀社と演奏者・楽団とが契約を結ぶ必要があります。
生演奏だと、演奏者が葬儀会場の雰囲気や、葬儀の流れに応じた演奏をしてくれるので、進行に合わせた絶妙な演出が可能になります。生演奏での音楽葬は、音楽が好きだった故人のために、と選ぶ人も増えています。ただし、生演奏の場合は追加費用を10~50万円ほどみておく必要があるでしょう。

音楽葬の一般的な流れ

音楽葬の一連の流れについては、一般的な葬儀に近い流れで行い、葬儀の前には通夜を行うケースも多いです。

  1. 事前演奏
  2. 遺族入場
  3. 開式の辞
  4. 黙とうや献灯(ロウソクに火をつける)
  5. 献奏(故人が最も好きだった曲を演奏)
  6. お別れの言葉(友人らによる弔辞の朗読)
  7. 弔電披露
  8. 献花・焼香
  9. 喪主あいさつ
  10. 閉式の辞
  11. 出棺

音楽葬は無宗教式葬儀のひとつなので、仏式葬儀のように僧侶も招いて読経をあげるということは少ないです。ですが、自由葬でもあるので、希望すれば宗教者を招き、それぞれの宗教の儀礼に則って行うことも可能です。

故人らしい葬儀にするなら音楽葬も選択肢に

音楽葬によって、葬儀がより印象深くなることも

音楽葬は、故人にとって最後の公の場となる葬儀を、故人らしく演出できる葬儀のひとつです。参列者たちは、流れる楽曲が生前の故人を思い出すきっかけになるかもしれません。遺族にとっても、葬儀後、印象に残る葬儀になる可能性が高いです。とはいえ、実際に音楽葬を行う場合は、親族や菩提寺など周囲の人の理解を得ておくことが大切です。
音楽葬は、音楽が中心の葬儀なので、無宗教式葬儀の中でも、比較的準備がしやすい葬儀です。宗教や葬儀形式にとらわれず葬儀を行いたいと考える場合は、選択肢のひとつになるのではないでしょうか。

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