2018.1.18

火葬の一般的な流れや選び方

火葬の一般的な流れや選び方

葬儀・告別式が終わると出棺し、火葬場へご遺体を運び、火葬します。
火葬を行う際もいくつかの儀式があり、無事に火葬が終了するまでは、同行者への配慮も必要です。今回は一般的な火葬の流れとともに、地域によっては必要な、火葬場の選び方についてもご紹介します。

火葬とは|ご遺体を焼き、葬ること

火葬は、火葬場と呼ばれる施設へご遺体を運び、火によってご遺体を焼き、葬ることです。仏教の用語では、荼毘と呼ばれることもあります。
火葬が始まった背景には、仏教の思想に、ご遺体を焼却することで、霊魂が早く新しいすみかを得て、生まれ変わるきっかけをつかめるようにする、という考え方があることも影響しているようです。
日本において火葬は、仏教の伝来とともにおとずれ、徐々に普及してきました。近代までは土葬の文化が残っていましたが、現在は衛生的な観点から火葬が一般的になっています。

一般的な火葬の流れ

火葬許可証を渡す

火葬場に到着したら、火葬場の係員に火葬許可証を渡します。火葬許可証がないと火葬できないので、忘れずに持参しましょう。事前に葬儀社に預けておいてもかまいません。

納めの儀式を行う

棺を火葬炉の前まで運ぶと、納めの儀式を行います。
納めの儀式は、火葬炉の前に棺を一旦安置し、位牌と遺影を飾り、読経をあげ、お焼香をすることです。僧侶が同行している場合は、読経をあげてもらい、同行していない場合は、火葬場専属の僧侶に依頼するか、お焼香だけを行います。
納めの儀式が終わると、火葬炉へと棺を納めます。納める前に、棺の小窓を開けてお別れをすることもあります。火葬炉が点火されるときは、合掌をして見送りましょう。
棺を火葬炉へと納めるときが、遺族や同行者にとって、本当に故人との最後のお別れになります。火葬場によっては混雑していて、あまりゆっくりお別れができない場合もありますが、心残りがないようにしましょう。

神式葬儀の場合

神式葬儀でも、火葬前に火葬祭という儀式を行うのが一般的です。供花、玉串、神饌、銘旗(故人の名前を記す旗)、遺影を持参し、棺を火葬炉の前に安置し、持参した供花、神饌、遺影、銘旗(故人の名前を記す旗)などをお供えします。斎主が祭詞奏上したあと、玉串奉奠を行います。

キリスト教式葬儀の場合

カトリック派のキリスト教式葬儀では、火葬炉に棺を納める前に、神父による祈祷や聖水、献香、聖歌斉唱を行います。プロテスタント派も、牧師による祈りをささげ、聖歌斉唱や聖書朗読などを行い、見送るのが一般的です。

控室で待機する

火葬には通常、1時間ほどかかります。火葬が終わるまでの間、遺族と同行者は控室に移動し、待機します。控室では、僧侶を一番上座に案内し、喪主が僧侶の隣でおもてなしをするのが一般的です。位牌と遺影は僧侶の席の後ろに置きます。
ほかの遺族は、茶菓を用意し、同行者と故人の思い出話をしてもてなします。茶菓は、世話役を中心に、お菓子や軽食など簡単に食べられるものをあらかじめ用意しておくか、火葬場に売店があれば、利用して準備します。お昼にかかる場合は、葬儀社に依頼してお弁当を準備してもいいでしょう。

骨上げを行う

火葬が終わった知らせを受けたら、再び火葬炉の前、もしくは別室に移動し、骨上げを行います。
骨上げとは、専用の箸を使い、遺骨を骨壺に納めることです。喪主から喪主から順番に二人一組で行い、足から頭に向かって拾いあげ、最後に故人と最も血縁関係の深い人が、のどぼとけの骨を納める、というのが一般的です。足から頭に向かって拾うのは、故人が骨壺の中で立った状態になるようにするためです。神式葬儀やキリスト教式葬儀でも同じように行います。
遺骨を納めた骨壺は、係員が白木の箱に入れて白布に包んでくれるので、喪主はそれを抱えて持ち帰ります。
骨上げの作法では、拾う前と骨壺に納めたあとに合掌をすることを忘れないようにしましょう。骨を拾いあげるときも、落とさないように注意し、そっと骨壺に納めるようにしてください。

地域によって骨上げの作法は異なる

骨上げは全部の骨を拾う地域、一部のみを拾う地域など、地域によって慣習が異なります。一部のみを納める地域では、残った遺骨は火葬場で埋葬されます。

火葬(埋葬)許可証は大切に保管する

火葬が終了すると、火葬管理者から火葬(埋葬)許可証が渡されます。火葬(埋葬)許可証は、事前に渡した火葬許可証に、火葬済みの証明印が押されたものです。
火葬の証明印があることで、遺骨の埋葬ができるようになります。墓地に埋葬する場合は、管理人に提出が必要になるので、大切に保管しましょう。

火葬場の選び方

火葬場は、葬儀を行う場所から一番近い火葬場に行くのが一般的です。ですが、地域や、葬儀を行う場所によっては、いくつかの火葬場が同じくらいの距離にある場合もあります。
火葬場の予約は担当する葬儀社がしてくれます。打ち合わせのときに火葬場の選択肢があるか、料金や、予約の空き状況はどうかについても相談して、ベストな場所を選びましょう。

故人に関わりのある公営火葬場を利用する

火葬場には自治体が運営する公営と、民間業者が運営する民営とがあります。
故人が住んでいた、あるいは亡くなった地域の公営の火葬場なら、自治体に税金を納めているため、安く利用できるというメリットがあります。
ただし、他地域でも利用できる公営火葬場は、市外に住んでいる場合だと利用料が高くなることがあるので注意しましょう。

火葬場の空き状況、参列者の都合も考慮しよう

都市部の火葬場は混雑していることが多いです。葬儀会場から近い場所に火葬場があっても、タイミングによっては予約が空くのを待たなければならないことがあります。火葬場の空き状況を確認するとともに、遠方からくる遺族や、宗教者の予定ともタイミングの合う火葬場を選びましょう。

火葬式という葬儀形式も

最近は、故人の遺志や、経済的な事情により、火葬だけで故人を見送るという、火葬式を選ぶ人もいます。火葬式は直葬とも呼ばれ、立ち会うのは遺族やごく親しい間柄の人だけで、通夜や葬儀も行わないという、シンプルな葬儀です。
火葬式の件数は徐々に増えていますが、従来の葬儀に慣れた人にとっては少し特殊にも感じられる葬儀です。もちろん、故人の死を悼み、心を込めて見送れば、他の葬儀となんら変わりはありません。ただ、従来の葬儀よりシンプルなお別れになる分、誰もが心のしこりが残らないようにすることが大切になるでしょう。

火葬についての要望は葬儀社へ相談を

火葬場に着き、火葬が始まるまでの間はあっという間に感じるかもしれませんが、納めの儀は故人との最後のお別れをする儀式でもあるので、心をこめて行いたいものです。
地域によっては、火葬場の選択肢がある場合や、混雑している場合などがあります。もし火葬場の料金や日程などで、疑問に思うことや希望があるときは、担当する葬儀社に遠慮なく相談しましょう。

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