2024.10.31

互助会のトラブルに注意!葬儀費用は本当に割引になる?

互助会のトラブルに注意!葬儀費用は本当に割引になる?

互助会は、会員制の冠婚葬祭サービスを行う業者です。互助会の情報を見ていると、葬儀費用がお得になる、といわれる一方で、トラブルや問題も起こっています。
今回は、互助会で注意したいトラブルや、葬儀費用が本当に割安になるのかについてまとめました。

互助会は、冠婚葬祭サービスを行う民間業者

毎月の積立金が、葬儀費用の一部に充当できる

互助会は、毎月一定の掛け金を支払い、積み立てることで、冠婚葬祭でのサービスが受けられるシステムです。互助会は会員同士がお互いを助け合うことを目的に作られた組織で、会員同士で積み立てたお金を、まとまった出費が必要な人から、設備や備品を利用できるようになっています。
葬儀の場合は、提携斎場を利用することで、積み立てた分を葬儀費用の一部に充当することができます。

結婚式や葬儀など、冠婚葬祭ではまとまった出費が必要です。葬儀以外にも、冠婚葬祭でサービスが受けられるので、仏壇、仏具の購入のほか、法事、結婚式、お宮参り、成人式などで使えることもあります。
積立金は月々数千円ほどの掛け金で負担が少ないことが多いようです。あらかじめ設定した金額を完納するまで、60~120回に分割して支払うのが一般的で、積み立てると、15~50万円ほどになるコースが設定されています。
基本的には積立式なので、掛け捨てにはならない可能性が高いです。実際サービスを受ける場合も、積立金以上のサービスが受けられることが多いです。
互助会によっては、家族一人が加入すれば、家族全員がサービスを受けられる場合もあります。

積み立て途中でも利用できる

互助会の特徴は、毎月の掛け金を完納したあとも権利が保障されることです。反対に、もし満額を積み立てるまでに亡くなった場合も、現在の積立金との差額を支払えばサービスを受けられる場合もあります。

引っ越し・転勤の際は互助会の移籍が可能

互助会にはよりますが、引っ越しや転勤の際は互助会を移籍し、引き続きサービスを受けられる場合もあります。ただし営業エリア内に限られる場合もあるので注意しましょう。
引っ越し先に互助会の営業所がなければ、全国組織の加盟業者や提携の互助会に移籍できるケースもあります。住所が変わる可能性がある場合は、入会前に確認しておくといいでしょう。

互助会は経済産業省の認可事業

互助会は経済産業省の認可事業のひとつです。割賦販売法上で「前払式特定取引業」に該当します。
経済産業省の認可を受けているため、すべての互助会業者は経済産業省の指導を受けています。

倒産しても積立金の半分は保証される

互助会は経済産業省の認可事業ですが、運営しているのは公共団体ではなく、民間業者です。民間業者なので、当然倒産する可能性もあります。経済産業省が認定しているからといって、「倒産しない優良企業」というわけではないので気を付けましょう。
ただし、認可事業なので、万が一倒産したときは、国から積立金の半分は保全されるなど、一定の措置が行われます。
ほかにも、積み立てていた互助会が倒産した場合は、他の互助会でサービスが受けられるように、役務保証機構制度も設けられています。

互助会と、保険や共済との違い

「何かあったときのために、毎月一定額を積み立てる」というのは、保険や共済といったシステムに似ています。ですが、互助会と保険や共済では返ってくるものが異なります。
保険や共済では、積み立てたお金は「現金」で支給されますが、互助会では「役務(サービス)」を提供するからです。

物価変動には比較的強め

互助会の積立金は、サービスという形で充当されるため、物価の変動に強いというメリットがあります。保険や共済の場合は物価が変動すると、内容が変わることがありますが、互助会ではサービスの内容が変わることが少ないです。掛け金の値上げも、基本的にはないことがほとんどです。

互助会で注意したいトラブル

解約時のトラブルが多い

互助会は、いざというとき頼りになる存在の反面、トラブルも起こっています。
特に多いのが解約時のトラブルです。
保険や定期貯金などと同様に、互助会も途中で解約することができます。法律でも、昭和59年の割賦販売法改変によって認められているため、通常は、電話をして解約に必要な書類を送ってもらい、記入して提出すれば返金が受けられる、という流れで解約できます。
しかし、いざ解約しようと思っても交渉が難航するケースが多いようです。

  • 担当者が解約を渋る
  • 解約の話をしようと連絡をしても、居留守を使われる
  • 説得に長時間拘束される
  • 解約場所を遠方にある本社に指定する
  • 手続きに不自然なほど時間がかかる

自由に解約できるはずが、実際はなかなか応じないような悪質な行動をとられる場合もあるようです。民間業者である以上、一部に悪質な業者が混じっている可能性はあります。

利子はつかず、解約手数料が高い

解約時には、解約手数料がトラブルの原因になることも多いです。
互助会は、解約しても満額が返金されるわけではありません。一般的には、20%前後の手数料を差し引いた上で、残りの積立金が返金されます。定期預金のように利子がついて戻ってくるわけでもありません。
本来なら契約時にきちんと説明を受けるべきですが、業者によっては、契約時に解約手数料の説明を十分にしない場合があります。解約するときになって、初めて高額の解約手数料が取られることを知って、トラブルになることもあるようです。

もしものときは経済産業省へ申し出を

解約に応じてもらえない、不当な解約手数料を提示されたなどの不誠実な対応を受けた場合は、経済産業省ある商取引監督課に連絡し、行政指導を申し出ましょう。
少しでも解約時のトラブルをなくすには、契約前に解約の手続きや、解約手数料のことを十分に確認しておくことが大切です。

互助会の倒産

もうひとつ注意したいトラブルは、加入している互助会の倒産です。
前述したとおり、互助会は経済産業省の認定を受けていますが、民間業者である以上、絶対安全ということはありません。
万が一倒産した場合は、積立金の半分が保全されるとはいえ、もう半分の掛け金は戻ってこないことになります。

全国提携、提携斎場がある互助会がベター

加入している互助会が倒産したとき、なるべくダメージを受けないようにするには、互助会の中でも、全国的な組織の加盟店や、移籍先があるような互助会に入会する、という方法が考えられます。
現在のところ、加入している互助会が倒産した場合は、別の互助会が会員を引き継ぐ形をとっていますが、今後どうなるかはわからないからです。
ほかにも、倒産はせずとも、自分自身引っ越しや転勤で現住所ではないところでサービスが必要になる場合も考えられます。
基本的に互助会は、提携している斎場でしかサービスを受けられません。加えて、互助会に入会しても、実際にサービスの利用が必要になるまで、どのくらいの期間があるかもわかりません。移籍できる提携の互助会があるような大きな組織を選ぶほうが比較的安全と考えられます。

葬儀費用は一部割引という形が多い

葬儀費用を全額賄えることはほとんどない

残念ながら、互助会の積立金で葬儀費用の全額を賄えることはほとんどないのが実情です。あくまで基本は葬儀費用の一部が賄えるもの、葬儀費用がおトクになる積立金、と考えたほうがいいでしょう。
互助会によっては、葬儀費用の全額を積立金で賄える、というようなイメージで勧誘文句を謳っているかもしれません。確かに表示には「葬儀一式費用」、「葬儀費用の一部」、「コース料金」とあるかもしれませんが、「総額」、「全額」とは書かれていないことがほとんどです。
互助会の葬儀は一般的な葬儀が想定されています。一般的な葬儀で必要になる費用は、全国平均でも120万円以上、中には200万円必要という場合もあります。互助会の積立金は、15~50万円のコースが一般的なので、差額分は新たに捻出することになります。
実際葬儀を行うとなると一部しか賄えない可能性があるなら、結果的にほかの葬儀社を利用するほうが安かったとならないよう、入会前に内容を吟味することが大切です。

追加料金が発生しやすい

互助会で会員向けに用意されている葬儀のサービスは、パッケージプランになっていることが多く、積立金で賄えるのはパッケージの内容だけになるのが一般的です。
パッケージプランになっている場合は、ほかに必要なサービスについては選択できないか、グレードアップやオプションとなり、追加料金が必要です。
例えばお布施や戒名料、車代、心づけなどの謝礼金、飲食費、テント代、ドライアイスなどは別費用になりやすいです。
入会する際に祭壇が半額になる、棺や人件費が含まれると聞いていても、追加料金についての説明が十分でない場合もあります。入会前にしっかり確認しておきましょう。

利用しなかった分の返金は受けられない

場合によっては、葬儀のパッケージプラン内で使用しない商品、サービスが出てくるかもしれません。「使わなければその分を返金してもらえるのでは」と思われるかもしれませんが、基本的に互助会では、利用しなかったサービスに対する相当額の返金はありません。利用しなければ、「役務放棄」という扱いになるためです。差額分の金額が返金されないという部分も、保険や共済と違うポイントです。

元々の葬儀費用を釣り上げている場合もある

それぞれの互助会では、会員向けにさまざまな葬儀費用の割引サービスを提供しています。
とはいえ、中にはそもそも会員向けの金額を割高に設定しておいて、割引によっていかにも安くなるかのようなイメージを植え付け、実際は相場より高い葬儀費用をとる、悪質な業者もいるようです。
もちろんすべての互助会が悪質なわけではありませんが、安易な割引という言葉に騙されないよう、十分注意しましょう。

家族葬を考える場合は不向き

互助会の葬儀は、中規模以上の一般的な葬儀を想定していることが多いです。家族葬や密葬など、小規模な葬儀を希望するのであれば、互助会の葬儀プランは向かないことが多いです。
互助会の積立金というのは、葬儀の分割前払い金のようなイメージです。葬儀のサービスを受ける際、申し込みより金額の低いコースに変更はできません。したがって、利用しないサービスの相当額を返金してもらうだけでなく、パッケージプランの内容をグレードダウンすることもできないことがほとんどなので注意しましょう。

葬儀を盛大にするなら選択肢のひとつに

互助会の葬儀は、小規模な葬儀に向かない分、ある程度盛大な葬儀を予定している場合にはお得になる可能性があります。
互助会が所有する会館はホテルのような充実した設備を整えていたり、高額な祭壇を取り扱っている場合もあるからです。

葬儀社のプランのほうがリーズナブルなことも

最近は葬儀社もさまざまなプランを用意していて、小規模な葬儀に向けた葬儀プランも充実していることが多いです。パッケージプランであっても、追加料金がかからず葬儀が行える場合もあります。葬儀費用を抑えたいと考える場合は、ほかの葬儀社のプランを検討するのもひとつです。

互助会の葬儀費用やサービス内容は十分に確認を

葬儀社のプランとも比較検討しよう

互助会への入会は、「中規模以上の葬儀をする」というような、はっきりした目的があればプラスになりそうです。入会を考えることで、葬儀について考えるきっかけにもなるでしょう。
ただし、毎月の積立金もそこまで高くないものの、積立金の全額を使っても葬儀費用を全て賄えるわけではなく、プラン内容の変更や利用しなかった分の返金は受けられないのはデメリットです。倒産した場合は、移籍先が見つからないと、半分の積立金を失う可能性もあります。
入会を考えるときは、ほかの葬儀社のプランとも十分に比較、検討するほうがベターです。特に、小規模な葬儀を考えている場合は、ほかの葬儀社が提案するプランのほうが、充実した内容が整っていて、費用も抑えられるかもしれません。

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