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香典の金額相場はいくら?葬儀・お葬式の香典マナーまとめ
お葬式で香典を用意するとき気になるのは、「いくら包めばいいか」ではないでしょうか。日常的に用意するものでもないので、迷うことも多いですよね。金額が決まったあとも、袋の選び方や渡し方などで不安になることもあるでしょう。今回はこの記事で、香典の金額相場をはじめ、疑問や不安になりやすい香典袋の選び方、表書きの書き方、お金の入れ方や包み方、受付での渡し方などのマナーをまとめてご紹介します。
香典の金額相場~故人との関係・年代別一覧
お葬式における香典の金額相場は、故人との関係性や自分の年齢によって相場が変わることが多いです。まずは関係別、年代別の金額相場を見ていきましょう。
故人が親族の場合
10,000円~100,000円が相場の目安
親族のお葬式に包む香典金額は、10,000~100,000円が一般的な相場といえそうです。金額に幅があるのは、親兄弟など血縁関係が濃いほど多く包む傾向があるからです。ちなみに、親族のお葬式でも、原則として葬儀費用を負担しない立場であれば、たとえ兄弟や子供であっても香典を渡すのがマナーです。ただし、喪主や遺族から「気を使わなくていい」など、辞退された場合は無理に渡す必要はないでしょう。
間柄 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
親 | — | 32,164円 (50,000円) |
33,715円 (50,000円) |
52,171円 (100,000円) |
— |
祖父母 | 9,386円 (10,000円) |
14,201円 (10,000円) |
17,018円 (10,000円) |
37,646円 (10,000円) |
21,667円 (10,000円) |
兄弟姉妹 | 13,833円 (10,000円) |
21,400円 (30,000円) |
24,737円 (30,000円) |
51,920円 (50,000円) |
42,568円 (50,000円) |
おじ・おば | 7,214円 (10,000円) |
11,552円 (10,000円) |
12,291円 (10,000円) |
21,475円 (10,000円) |
23,442円 (10,000円) |
上記以外の親戚 | 6,617 (5,000円) |
7,462円 (5,000円) |
8,926円 (10,000円) |
13,298円 (10,000円) |
17,285円 (10,000円) |
※平均回答と、()内は最多回答を表記
故人が友人・隣近所のとき
5,000 円程度を包むのが平均的
友人・知人や隣近所の間柄では、お葬式のお香典に5,000円程度を包むのが相場のようです。ただし、付き合いが深い場合は10,000円程度を包むこともあるようです。
間柄 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
友人・その家族 | 5,130円 (5,000円) |
5,162円 (5,000円) |
5,533円 (5,000円) |
6,000円 (5,000円) |
6,353円 (5,000円) |
隣人・近所 | 5,118円 (3,000円) |
4,443円 (5,000円) |
4,139円 (5,000円) |
4,849円 (5,000円) |
5,047円 (5,000円) |
その他 | 4,135円 (5,000円) |
5,250円 (5,000円) |
4,282円 (5,000円) |
5,844円 (5,000円) |
8,677円 (5,000円) |
※平均回答と、()内は最多回答を表記
故人が会社関係者の場合
3,000~5,000円程度が一般的
会社関係者のお葬式では、3,000円~5,000円程度というのが目安になりそうです。会社関係者の場合も、付き合いの深さによって10,000円程度を包むこともあるようです。
間柄 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
職場関係 | 4,177 (5,000円) |
5,541 (5,000円) |
4,984 (5,000円) |
5,648 (5,000円) |
5,525 (5,000円) |
勤務先社員の家族 | 3,661 (3,000円) |
4,652 (5,000円) |
5,320 (5,000円) |
5,326(5,000円) | 5,701 (5,000円) |
取引先関係 | 7,571 (5,000円) |
5,615 (5,000円) |
6,933 (5,000円) |
6,865 (5,000円) |
※平均回答と、()内は最多回答を表記
故人との関係、自分の年齢や社会的立場で金額は変わる
お葬式の香典は、故人との付き合いの深さや、自分の社会的立場などを踏まえ、相場を目安に判断するといいでしょう。相手から、以前いただいた香典額がある場合は、同程度を包むのもひとつです。その他、地域の決まり事や慣習がある場合は従いましょう。
香典の金額で迷ったら
少し多めに香典を包む
お葬式に持参する香典の金額で迷ったときは、悩んでいる金額より少し多めに包むのが一般的です。香典の金額を決めるときは遺族が困らない程度の金額にする配慮が大切です。多すぎても少なすぎても遺族が困ることがあるからです。
例えば、都市部を中心に、住んでいる地域によっては、3,000円以下の香典は避けたほうがいい場合があります。少額の香典だと、かえって香典返しの負担のほうが大きくなるからです。香典は遺族を助ける意味合いもあるので、遺族側が赤字にならないよう気を付けましょう。どうしても3,000円を包むなら、同僚と連名で1万円や2万円を包むのも方法のひとつです。ただし、3,000円を包むのが慣習の場合は、同じように包んで問題ないでしょう。
一方、香典の金額を多くしすぎても遺族の負担になることがあります。どんなに生前大変お世話になった人でも、 相場をあまりに越える香典を持参するのは控えたほうが無難です。香典返しを不要とする関係ならまだしも、そうでなければ喪主が高額な香典返しに困るかもしれないからです。
もしお世話になった人に多めに香典を包みたい場合は、お葬式では相場の金額程度を包み、四十九日や1周忌など区切りのたびに供花や供物を送る方法がおすすめです。区切りごとに贈り物をすることで、十分自分の気持ちは遺族に伝わるでしょう。
周囲の人に相談する
お葬式の香典金額は関係性や年齢によって相場があるといっても、明確な決まり事ではありません。ときには判断が難しいこともあるでしょう。
いくら包むのが妥当か迷ったときは、周囲の人に相談しましょう。親族間では「お互いいくら包む」と独自のルールがある可能性もありますし、年配の人なら地域の慣習や相場を把握している可能性があるからです。友人や会社関係者、近所の人など、誰か一緒に参列する人がいれば、相談して足並みをそろえるのもいいでしょう。
香典の金額で気を付けたいマナー
香典の金額で偶数はNG!奇数の金額を包む
お葬式に持参する香典金額を決めるときは、偶数を避けましょう。偶数は割り切れる数字なので「故人との縁が割り切れる(切れる)」と連想させるためです。3,000円や5,000円、10,000円など、奇数の金額を包むか、紙幣の枚数を奇数にするよう注意しましょう。
例えば夫婦で参列する場合は、世帯ごとにまとめて包むのが基本です。まとめて包む分、金額は一人のときより多めに包むことになりますが、1人10,000万円で合計20,000円を包むなら、10,000円札1枚と、5,000円札2枚にするといいでしょう。子ども連れや職場の同僚同士で香典をまとめる場合も同様の考え方です。
縁起の悪い数字は避ける
香典の金額は縁起の悪い数字も避けるのがマナーです。一派的に「4」や「9」は「死」や「苦」を連想させるのでタブーとされています。
香典には古札を使うのが一般的
お葬式では、香典に使用するお札を古札にするのが一般的です。新札は「おめでたい」イメージがあることや、事前に用意していた印象があるためとされています。
最近は新札を包んでも問題ないとする意見もあり、新札が絶対ダメではなくなっている部分もあるようです。しかし、遺族や親族の中で気にする人がいるかもしれないので、控えた方が無難でしょう。もし新札しか手元にない場合は、お札に軽く折り目をつけてから包めば問題ありません。
ただし、古札でも破れそうなほどボロボロのお札はかえって失礼とされています。ある程度の折り目がついたものを用意しましょう。
包んだ金額が少なくても追加で渡すのはタブー
万が一、持参した香典の金額が少なかったと気づいても、追加で渡すのはタブーです。2回以上香典を渡すことは、不幸が重なることを連想させるからです。
香典袋の選び方
香典袋は金額に合ったもので
お葬式に持参する香典袋は、略式のものから手の込んだ装飾がほどこされたものまで種類がわかれます。
原則として、香典袋はどれを選んでも問題ありませんが、一般的に値段に比例して作りが豪華なものを使うことが多いです。包む金額に合わせて金額が少なければシンプルなもの、多ければ豪華なものを選ぶほうが丁寧でしょう。目安として1万円を超える香典を包む場合は、実際の水引がかかっている香典袋を選ぶのが主流です。
香典の金額 | 不祝儀袋の種類 |
---|---|
5,000円以下 | 水引が印刷されている略式の香典袋 |
10,000~20,000円 | 黒白、または双銀(水引が7~10本)の水引がかかった香典袋 |
30,000~50,000円 | 双銀の水引(10本以上)がかかった香典袋 |
100,000円以上 | 大判でひだ折り、高級和紙が使われている香典袋 |
相手の宗教が分かれば香典袋も合わせて選ぶ
香典袋には絵柄が入ったものもあります。蓮の花模様が入っているのは仏教用なので、仏式以外の葬儀には使用しないようにしましょう。一方、ユリの花、十字架が印刷された香典袋はキリスト教式のお葬式に限って使える香典袋です。参列するお葬式の宗教がわかれば香典袋の絵柄も合わせて選ぶのもひとつです。
相手の宗教が不明な場合は各宗共通の香典袋を
相手の宗教が分からない時は、絵柄が入っていない無地の香典袋を使うのが無難です。無地は各宗共通の香典袋です。仏式、神式、キリスト教式など、どのような葬儀形式でも使用できます。
ちなみに香典袋はのし袋と混同しがちですが、のしは慶事に用いるものなので不祝儀袋である香典袋はつきません。
水引は黒白の結び切り
水引の色にもいくつか種類がありますが、お葬式に使う水引は黒白で、結び切りの形が基本です。宗教、宗派を問わず共通なので、相手のお葬式の宗教が分からない場合などは、白無地の香典袋に黒白の水引を選ぶのが無難でしょう。金額が多い場合は双銀の水引を用いてもかまいません。結び切りの形には「不幸が二度と起きてほしくない気持ちが込められています。
水引の色は、関西・北陸方面では黄白を使うこともあります。主に法事のときに使われることが多いですが、お葬式にも使用する地域であれば慣習に従いましょう。
香典袋の書き方(上包み・不祝儀袋)
お葬式で香典袋の書を書くとき、上包み(外包み)の上段に表書き、水引を挟んで下段に名前を書きます。全体を見て中心になるよう配置しましょう。個人で香典を渡す場合、名前はフルネームで書くのが基本です。会社として渡す場合は中心より右寄りに会社名、中心に役職とフルネームを書きます。
相手の宗教が不明な場合は各宗共通の表書きを使用
香典袋の表書きは宗教・宗派によって異なりますが、事前に分からないことも多いです。参列するお葬式の宗教・宗派がわからない場合は、「御霊前」を使うのが無難です。一般的に「御霊前」は各宗共通、通夜でもお葬式でも使える表書きとされているからです。
宗教ごとの香典袋の表書き
表書きは宗教・宗派ごとに種類が異なります。事前に参列するお葬式の宗教・宗派が分かる場合は、相手の宗教・宗派に合わせた表書きを書くのがベストです。
宗教(宗派) | 香典袋 | 水引 | 表書き例 |
---|---|---|---|
仏教 | 白無地・蓮の絵柄 | 黒白・双銀の結び切り | 御霊前、御香料、御香典、御悔、御仏前 (※「御仏前)は四十九日以降) |
仏教 (浄土真宗) |
御香典・御仏前 | ||
神道 | 白無地 | 黒白・双銀・双白の結び切り | 御玉串料、御榊料、玉串料、神饌料、御饌料、御神前、御霊前 |
キリスト教 (カトリック派) |
白無地・十字架、ユリの花 | 水引なし (※黒白の結び切りも可) |
御花料(お花料)、御霊前 |
キリスト教 (プロテスタント派) |
御花料(お花料)、献花料、忌慰料 | ||
各宗共通 (無宗教・宗教が不明な場合) |
白無地 | 黒白結び切り | 御霊前 |
仏式葬儀の場合は、「御霊前」以外に「御香料」「御香典」などが使えます。原則として、「御霊前」が使えるのは四十九日までです。四十九日までは故人の霊がこの世とあの世をさまよっているとされていますが、四十九日を過ぎると仏様になるといわれているからです。お葬式が終わり、四十九日法要以後は「御佛(仏)前」を使います。
「御霊前」は各宗共通で使える表書きとご紹介しましたが、厳密には全ての宗教・宗派で共通とは言い切れません。浄土真宗やキリスト教のプロテスタントでは、御霊前は教えに背くことになり、不適切とする考え方もあるからです。浄土真宗では、人は死後すぐに往生し、仏様になるという思想があり、プロテスタントも「御霊前」は異教の偶像崇拝と関係があるとみなされるためです。
失礼と感じるかどうかは先方次第ですが、浄土真宗と分かっていれば「御霊前」ではなく「御佛(仏)前」、プロテスタント派なら「御花料」を使う方がベターです。
とはいえ、お葬式に参列するまで相手の宗教が分からず、「御霊前」を使ってしまうことも多いのが実情です。気づいた時は、遺族に知らなかった旨をお伝えし、弔意を伝えれば分かってもらえるはずです。
香典袋の表書きは薄墨のペンで書く
香典袋の表書きは毛筆または筆ペンなどを用いて薄墨で書くのが正式です。最近は薄墨の筆ペンやサインペンが販売されているので、書きやすいものを活用するといいでしょう。薄墨を使うのは、一説に慌てて駆けつけたため、墨をする時間が無かったことや、故人が亡くなったことに対し悲しみが深く、涙で墨がにじんだ様子を表すとされています。
上包みの表書きと中袋は、同じ濃さ、書体で書きます。薄墨で表書きをした場合は中袋も薄墨で書くようにしましょう。ですが、最近は手元に薄墨がなければ表書き、中袋ともに、通常の黒の筆文字で書いて問題ないとされています。ただし、ボールペンや鉛筆の使用は避けましょう。
印字された香典袋を使ってもOK
市販の香典袋によっては、最初から表書きが書かれていることもあります。印字されたものを用いることも問題ありません。
スタンプを使うこと自体は可、ただし相手次第
最近はお葬式や結婚式などで使える、慶弔用のスタンプも販売されています。マナー違反と取るかどうかは、相手の受け取り方次第です。中には気にする人がいるかもしれないので、なるべく薄墨で手書きするほうが無難です。
ですが、スタンプの文字を使用すること自体もマナー違反ではないようです。字を書くのが苦手という人にとって心強い味方かもしれません。
連名で香典を渡すときの名前の書き方
お葬式の香典を連名で用意する場合の名前の書き方は、人数によって異なります。連名で全員の名前を書くのは3人までが一般的です。
2名の場合は、中心に代表者もしくは目上の人の名前を書き、左横にもう一人の名前を書きます。夫婦で渡す場合は夫の氏名だけでもかまいません。ですが、夫婦が二人とも故人と親しかった場合は、中心に夫の名前を書き、左横に妻の下の名前を書くのが一般的です。
3名の場合は、右から左に向かって目上の人順になるようにします。書くときは中心に2番目の人の名前を書き、その左右に名前を書くといいでしょう。
4名以上の場合は代表者の名前を中心に書き、左側に「外一同」と書くのが一般的です。会社や団体で渡す場合は、「株式会社〇〇 〇〇部一同」のように全体を指す名称で書きましょう。そのままでは誰が香典を用意したか遺族が分からないので、詳細を別の白無地の用紙にまとめ、中袋の中に入れて渡すと丁寧です。紙には香典を用意した全員の氏名、住所、個別の金額を記載しておきましょう。
一人ひとりの香典が少額の合は香典返しの辞退を
職場など連名で香典を渡す場合には、一人ひとりの香典の金額は少額になることが多いです。香典額が少額になる場合は、遺族の香典返しの負担を考え、香典返しを辞退することが一般的です。香典返しを辞退すること自体は失礼にあたりません。本来香典は故人へのお供え物やそれを買うお金を包むもので、現在は故人への気持ちや遺族への心遣いなど、相互扶助の意味合いで渡すものだからです。
辞退する旨は、上包みの裏側か中袋の裏側に書きます。「お返し等のお心遣いはなさいませんようお願い申し上げます」「お返し等のお心づかいは御無用に願います」 など丁寧な言葉使いで伝えるといいでしょう。
香典返しの辞退を口頭でするのは、基本的にNGです。後から言った言わないのトラブルになるリスクがあるからです。遺族が本当にお返しをしなくていいか困惑する可能性もあるので、文面で伝えるのがベターです。
旧姓で香典で渡す場合の書き方
原則として、表書きの名前は、新しい苗字で書くのが正式です。もし旧姓を香典袋に書くのであれば、新しい苗字で名前を書いた左横に「(旧姓)」と書きます。もしくは、表書きには新しい苗字のみを書き、中袋の名前の横に旧姓を書いてもOKです。いずれにしても、喪家から見て誰からかわかるように配慮することが大切です。
代理で香典を渡す場合の書き方
家族や職場の代表、代理で香典を持参する場合は、香典袋には依頼主の名前と代理であることをわかるようにするのがポイントです。
会社の上司の代理であれば、香典袋に会社名と上司のフルネームを書き、左下に小さく「代」を書き添えます。妻が夫の代理で香典を持参した場合も、夫の名前の左下に、少し小さめの文字で「内」を書いておきます。
上司の代理で名刺も預かっている場合は、名刺の右上にも「弔」と記すか、左端もしくは下の隅に「上司の代わりにご会葬をさせていただきます。(自分の名前)」と書いて香典とともに受付に渡しましょう
代理で香典を渡すときは、芳名帳の記帳をする際も、「代」や「内」を書きましょう。あとから遺族が確認したときに分かりやすくなるからです。持参し終わったら、依頼主にも無事に渡せたことを報告しましょう。
香典袋の中袋(中包み)の書き方
中袋の表側は金額を書く
お葬式に用いる香典袋は、水引をかける上包み(外包み)と、一回り小さい中袋(中包み)がセットになっているのが一般的です。中袋(中包み)は、表面(表側)に金額を書きます。例えば10,000円は「金壱萬圓」、「金壱萬圓也」のように、「金〇〇圓」もしくは「金〇〇圓也」と金額を書きます。
金額は漢数字を使用する
香典の金額は旧字体の漢数字で書くのが正式です。
ただし、近年は一般的に用いる略式の漢数字と旧字体の漢数字のどちらを使ってもマナー的に問題ないとされています。
- 一(壱)
- 二(弐)
- 三(参)
- 五(伍)
- 千(阡)
- 万(萬)
- 円(圓)
中袋の裏側に連絡先を書く
中袋(中包み)の裏側には、中心より左側に住所、氏名、金額を書いておきましょう。市販の香典袋で、すでに書く欄が印刷されている場合は、それぞれを欄内に記入します。
香典の上包みと中袋は、お葬式のあと別々に管理することが多く、遺族が後日香典返しを送る際に確認するのに使います。名前はフルネームで、住所も郵便番号まで書くようにしましょう。
お葬式によっては大勢の人が参列することもあるので、受け取った人が読みやすいよう配慮することが大切です。文字は楷書で、なるべく丁寧な文字を書くよう心がけましょう。
香典袋のお札の入れ方
裏向きで入れる
中袋の中には、用意した香典を入れます。お札には表と裏がありますが、香典袋には裏向きにそろえて入れるのが正式です。人物が書いてあるほうが表、人物が見えないほうが裏になります。人物の顔を、下に向けて入れ、中袋を開けたときにお札の顔が見えないように入っていればOKです。
ただ、お葬式に参列するときはバタバタすることが多く、時にはマナーがわからなくなることもあるでしょう。ひとまずはお札の向きをそろえて入れるようにすれば一般的には問題ないでしょう。
上包みの包み方
中袋にお札を入れたら、上包みで包みます。
- 上包みを開いて中央に中袋の表側を下にして置く
- 上包みの左、右、下、上の順で包む
- 外包みの裏側の折り返し部分は、上側が下側にかぶさるようにして折り、水引をかける
上側を下側にかぶせて折るのは、「不幸が流れ去って(過ぎ去って)くれるように」という意味が込められています。
香典のふくさへの包み方
包む向きに注意
お葬式で渡す香典は、素手でなく必ず袱紗(ふくさ)や布に包んで持ち歩き、渡すのがマナーです。ふくさに包むのは水引の乱れや汚れを防ぐという実用的な意味と、お金を汚さないようにと相手に対する心遣いを表すためです。
ふくさの種類は手軽な金封タイプの袋状のふくさや、爪付き、台付のふくさなどがありますが、本来は四角い一枚布です。包み方は弔事と慶事とで異なるので注意が必要です。お葬式のときは左包みにします。
一枚布や爪付き、台付きふくさを左包みにする方法
- ふくさを角が上下になるように広げる
- ふくさの中央からやや右寄りに香典袋の表側を上にして置く
- 右、下、上、左の順に包む
最後に右側のはみ出した部分を左の内側に折れるようにするときれいに包めます。左で右を押さえるよう包むことには「不幸が簡単に繰り返されないように」という意味が込められています。
弔事用のふくさを使う
ふくさは、色によって慶事用と弔事用に分かれます。お葬式など弔事で使えるのは、紫、黒、紺、グレーなどです。紫は慶弔両用なので1枚あると便利です。
香典袋の渡し方
お通夜か告別式、参列する葬儀に持参する
用意した香典は、お通夜か告別式のどちらかに持参します。どちらに持っていくべきという明確な決まりはありません。自分が参列するほうのお葬式に持参すればいいでしょう。お通夜に慌てて駆けつけたため香典を持参できなかった場合は、翌日の葬儀・告別式に持参すればOKです。お通夜に持参する場合と、告別式に持参する場合とで、香典金額に違いが生まれることもありません。
お通夜と告別式、両方に参列する場合は、お通夜に持参するのが一般的です。ですが、地域によっては告別式に持参するケースもあるようです。慣習があれば従いましょう。
ただし、通夜と葬儀両方に参列するからといって、それぞれに香典を持参するのはタブーです。追加で香典を持参するのがタブーであるのと同様、2回以上香典を渡すことは不幸が重なることを連想させるからです。その他、通夜前に取り急ぎ弔問する際も香典を渡す必要はありません。
ふくさから出し、一言お悔やみを述べて渡す
お葬式で香典を渡すときは、受付でカバンから香典を包んだふくさを出し、お悔やみの言葉を述べて渡します。
受付で香典を渡す手順
- カバンからふくさに包んだ香典を出し、右手のひらにふくさを置いて、左手でふくさを開いて香典袋を取り出す
- 香典をふくさの上に乗せたまま、受付側から見て文字が読める方向に改めてから、両手で差し出す(※四角い一枚布のふくさの場合は、素早く折りたたんでから、香典をふくさの上に乗せて差し出す)
- 香典を差し出すときにお悔やみの言葉を「このたびはご愁傷さまでございます」、「この度は突然のことでお悔やみ申し上げます」など一言述べ、一礼する
- 香典を渡したあと、受付からも「御丁寧に恐れ入ります。こちらに記帳をお願いします」など指示されるので、芳名帳に記帳する
- 記帳をすませたら一礼をして受付から立ち去る
場合によっては香典を渡すのと記帳との順番が逆になることもありますが、臨機応変に対応しましょう。
お通夜と告別式の両方に参列し、お通夜ですでに香典を渡した場合は翌日の葬儀・告別式では記帳のみを行います。
受付で渡すときは香典をふくさから出すこと
注意したいのは、ふくさに包んだまま香典を渡さないことです。ふくさに包んだまま香典を渡すことは「不幸を渡す」ことと同じ意味合いからタブーです。ふくさから取り出すタイミングも、受付の順番を待っている間ではなく、自分の番が来て受付に立ったときに取り出すようにしましょう。
受付がなければ直接香典を渡すか祭壇に供える
受付が用意されていない場合は、遺族に直接手渡すか、祭壇にお供えしましょう。祭壇に供える場合は、表書きを自分が読める方向にして置きます。
お葬式で香典を渡せなかった場合
後日弔問する
お葬式で香典を渡せなかった場合は、後日弔問して渡しましょう。葬儀後に弔問する際は、事前に遺族に都合を聞き、アポイントメントを取ってから伺いましょう。突然の訪問は相手の迷惑になる可能性があるからです。
訃報は突然知ることもあります。駆けつけるのに精一杯の場合は、香典を用意できなかったとしてもマナー違反にはなりません。まずは駆けつけることを第一に考えましょう。
現金書留で香典を郵送する
お葬式自体に参列できない場合は、香典を現金書留で郵送する方法もあります。家族や友人・知人など、ほかの参列する人に託す方法もありますが、遠方の場合や香典を託す人が見つからない場合は現金書留で喪主宛てに送りましょう。
郵送する際は、お葬式に参列できなかった理由やお悔やみの言葉などを書いた手紙を添えるのがベターです。手紙を添えられない場合は弔電を打ってもかまいません。何らかの形でお悔やみを伝えることで、香典だけを送るよりも遺族に気持ちが伝わるはずです。ただし、お葬式の前後や当日に電話でお悔やみを伝えるのは控えましょう。遺族がバタバタしていて迷惑になる可能性が高いからです。
現金書留は、日付指定をすることも可能です。お通夜や告別式に間に合いそうであれば、日にちを指定して斎場に送りましょう。斎場に送るときの宛名は「喪主の名前」もしくは「気付」にします。
斎場に郵送しても間に合わない場合は、お葬式が終わった2~3日後を目安に喪主宛てで送るのが一般的です。遅くても四十九日までに届くように手配しましょう。ただし、場合によっては亡くなったことを数か月、数年経って知る場合もあります。その場合は訃報を知った時点で香典を渡すことでかまいません。
香典を用意しないケース
遺族から香典辞退の連絡があれば控えるのがマナー
家族葬をはじめお葬式によっては遺族が香典を辞退することがあります。訃報の知らせや葬儀の案内を受けたとき、「香典は辞退する」と連絡を受けた場合は、遺族の意向を尊重し香典を渡すのは控えるのがマナーです。
香典の辞退は、遺族からあらかじめ伝えられるのが一般的です。ですが、香典の扱いがわからないまま参列することになった場合は、念のため用意していきましょう。受付や会場内で辞退されているかどうかは分かるはずです。受け取りを辞退されているようであれば、持ち帰りましょう。
何らかの形で弔意を示したい場合は、弔電や供花、供物などを贈る方法もありますが、中にはすべて辞退されるケースもあります。葬儀の案内を確認するか、遺族に直接意向を伺ってから手配するようにしましょう。
お葬式の香典はマナーを守って最適な金額・タイミングで渡そう
香典の金額やマナーで迷ったら周囲にも相談を
お葬式に渡す香典の金額は、故人との関係性や自分の年齢などで相場が変動します。ですが、明確な決まりがあるわけではないのが実情です。一般的な相場を参考に、迷ったときは少し多めに包むか、ほかに参列する人がいれば、金額を合わせるといいでしょう。香典を持参するタイミングは自分が参列するときを目安に考えましょう。
お葬式は非日常のシチュエーションで、戸惑うことも多いです。守るべきマナーも多いですが、まずは故人を弔い、遺族を気遣う心持が第一です。香典金額をはじめ、お葬式のマナーには地域差があり、慣習やしきたりなどにも影響を受けやすいです。迷ったときは周囲に相談しながら行動するといいでしょう。