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2024.10.31

墓石の建立の流れ|費用の相場や墓石の種類

墓石の建立の流れ|費用の相場や墓石の種類

遺骨の埋葬方法はさまざまありますが、墓石を建立し納骨するというのが、日本では最もスタンダードな方法といえます。
とはいえ、一口に墓石といっても、新しく建立するとなるとある程度まとまった費用や手順が必要ですし、墓石自体にもいくつか種類があります。
今回は墓石を建立する場合の一般的な流れをご紹介します。

墓石建立の大まかな流れ

墓所建立は次のような流れで進んでいくことが多いです。

  1. 墓所を購入
  2. 予算を決める
  3. 石材店を選ぶ
  4. 石材店担当者との打ち合わせ
  5. 見積もりのチェックと契約
  6. 墓石に刻む文字の検討
  7. 着工開始
  8. 工事完了後のチェック
  9. 支払い
  10. 開眼供養

(1)墓所を購入する

墓石の建立は、まず墓所を購入することから始まります。墓所はお墓を建てるために区画された土地の一部です。
似たような言葉として、「墓地」があります。墓地も墓所と同じく、お墓を設けるための区域ですが、付属する事務所や休憩所、駐車場といった施設全体を指すこともあるのが、墓所との違いです。
墓所は寺院、公営、民営の3種類があります。どこで墓所を購入するかは、新聞のチラシやインターネット、口コミといった情報収集とともに、家族とよく話し合い、必ず下見をした上で決定するようにしましょう。購入する墓所が決まったら、墓所の永代使用権を得るために永代使用料を支払います。

(2)大体の予算を考える

墓石を建立するには、実際墓石を建立するためにかかる費用のほか、前述した永代使用料、墓所を管理する寺院や霊園に支払う年間管理料、墓石建立時に行う開眼法要料が必要です。もし、開眼法要とともに納骨を行う場合は、その分のお布施を用意しなければなりません。
寺院の墓地に新たに墓石を建立する場合は、永代供養料に含まれている場合もありますが、檀家になるということで、入檀家志納金が必要になることもあります。
確実に必要になる費用を差し引いて、どのくらいの金額を墓石に使えるか、予算を考えましょう。

東京23区以外で個別型にした場合の一般的な費用

※ただし地域差、墓地の種類によって異なる

・永代使用料:1㎡あたり20~300万円

・年間管理料:1㎡あたり5,000~数万円

・墓石代・工事費:70~300万円

・開眼法要料:3万~5万円(納骨式も行う場合は5万~10万円)

・石材店への謝礼(納骨式を行う場合):1万~3万円

墓石代は材質や産地などで金額はさまざま

墓石の価格は、基本は耐久性の程度、希少価値の有無、流通量、国内産・国外産などで異なり、さらに材質や産地、等級、大きさや墓石の形状によっても変わってきます。
石自体の価格に加工料、付属品料、据え付け料も加わります。

お布施の相場は10~15万円

開眼法要料は、僧侶へのお布施です。お布施の金額は寺院によって異なるため、直接問い合わせるほうがいいでしょう。寺院墓地であれば、10~15万円ほど必要になることが多いようです。僧侶に墓地へ出向いてもらう場合は、別途お車代として5,000~10,000円ほど見ておきましょう。

石材店への謝礼金は直接確認を

墓石の建立後、納骨式を行う場合は、石材店に手伝ってもらうことになるので、謝礼が必要です。納骨代という名目の謝礼金で支払いますが、金額はあらかじめ石材店へ聞いておくと安心です。

(3)石材店の決定

墓石は石材店に依頼します。石材店は、建立後も開眼供養や納骨式、何かあったときの補修などでもお世話になる存在です。実績があり、経営も安定していて、信頼できるお店を選ぶことが大切です。価格だけでなく、店や担当者の雰囲気、自分との相性もチェックしましょう。
民営墓地や寺院墓地の場合は、石材店が指定される場合がありますが、指定がなければ広告やインターネットの情報、知人から情報をもらうなどして探してみてください。
最初からひとつに絞らず、複数の石材店を回って実際に建立しているお墓を見せてもらってから決めるのもいいでしょう。

(4)担当者との打ち合わせ

石材店を決めたら、担当者と予算やお墓のデザイン、石材の種類、完成希望日などについて具体的な打ち合わせを行います。建立する予定の墓地にも、担当者と一緒に行き、調査を行いましょう。

お墓の種類

お墓には、いくつか種類があります。家族構成や自分の意志に合うお墓を検討しましょう。

  • 家族墓:墓石に「○○家之墓」、「南無阿弥陀仏」などと刻む、代々受け継ぐ家単位のお墓。
  • 両家墓:「○○家△△家」のように、夫婦双方の家の名前を並べて彫り、一つのお墓で平等に祖先を祀るお墓。家紋や好きな言葉を掘ることもある。
  • 夫婦墓:夫婦二人の俗名や戒名を墓石に刻むお墓。
  • 個人墓:一代限りで、自分のために建てるお墓。

夫婦墓や個人墓は子どもがいない場合に建てる人が多いです。お墓を承継する人がいない場合は、永代供養にするのが一般的です。

墓石のデザイン

墓石のデザインは、大きく分けて和形、洋型、デザイン型とがあります。
和形は五輪塔を簡略化した形で、仏教を信仰する人が多い日本では、一般的な墓石です。和形の墓石に似た形で、墓石の上部がとんがった形の墓石は神式でよく用いられます。
洋型はオルガン型とも呼ばれる横幅があり、高さは低いキリスト教でよく用いられるお墓の形です。明るい雰囲気があるため、最近は無宗教式、仏式でも用いられます。
デザイン型は自分の希望に合わせて自由に形作る墓石です。ロケットの形や乗り物など、故人の生き方や思いがより伝わりやすい墓石です。

石材

墓石に使う石材は数百種類以上あるといわれますが、花崗岩(御影石)が最も一般的です。ほかにも安山岩や斑れい岩、閃緑岩もよく使われています。
墓石の石材を選ぶときは、いくつかのポイントを考慮して検討しましょう。風雨や日差しにさらされることが多いので、耐久性に富み、墓所のある地域の気候や風土に適したものを選ぶのが大切です。担当者のアドバイスも参考にして、色や形、質感など好みやイメージに合うものを選びましょう。

墓石選びのポイント

・硬度が高い

・水分吸収率が少ない

・傷ムラがない均一な模様

・磨くと光沢がでる

(5)見積もりチェックから契約へ

簿関のデザインや石材が決まれば、それを元にして、石材店は設計図を作成します。設計図が完成したら、一度チェックするとともに、見積もりも出してもらいましょう。
設計図と見積もりを確認し、納得したら契約へと進みます。

(6)墓石に刻む文字を決める

墓石に刻む文字には、特に決まりがありません。家族墓にするなら、正面に「○○家之墓」と彫るのが一般的です。側面や裏側に戒名や俗名、没年、享年などを刻むこともありますが、墓石の横に墓誌を建てて刻み、墓石には建立年月日や建立者の名前を刻むという方法もあります。
洋型墓石の場合は「愛」、「和」、「絆」、「感謝」、「ありがとう」など、好きな文字を彫ることが多いです。
墓石の文字は自由ですが、一度決めて彫ったあとはやり直しがきかないので、よく検討して決めましょう。

(7)着工開始

文字が決定したら、石材店に知らせ着工へと進みます。石材店によっては、着工に際し、一部費用の入金が必要になる場合があります。

(8)完了後のチェック

工事が完了の連絡がきたら、希望通りになっているか仕上がりを確認しましょう。問題がなければ引き渡しへと進みます。

(9)支払い

引き渡しされたら、費用を支払います。着工時に一部支払いをすませている場合は残金を支払いましょう。

(10)開眼法要

お墓の完成後、まずは開眼法要を行います。仏壇の開眼供養と同様、お墓も建てたままの状態だとただの石に過ぎません。開眼法要をすることで聖なるものとなり、初めて礼拝の対象となります。開眼法要は開眼式や御魂入れ、入魂式と呼ばれることもあります。
開眼法要は宗派や宗教によって異なりますが、僧侶に来てもらい、焼香をしたあと会食をするのが一般的です。
当日までに墓石や墓地の周囲を掃除しておきましょう。開眼法要では、祭壇を設置し、ロウソクや線香、供物などを置きます。用意するものが宗派によって異なるので、事前に石材店に相談するといいでしょう。開眼法要の日は、基本的に礼服で参列します。
開眼法要の費用は、お礼として僧侶にお布施を渡すのが一般的です。僧侶に墓地まで来てもらう場合は、お車代も包みましょう。
納骨を一緒に行う場合は、納骨式も行うので、お布施は合わせた金額を包みます。納骨に際し、石材店に来てもらう場合は、石材店にも謝礼金が必要です。
開眼法要は忌明けや年忌法要、お盆、お彼岸といった仏事に合わせるのが一般的です。
ただし生前墓の場合は、お骨がないので、お墓が完成した時点で行いましょう。

墓石の建立時期

いつ建てても自由

一般に納骨は、四十九日の法要時に行われるので、墓石の建立も法要に合わせて用意することが多いです。とはいえ、明確な決まりはなく、いつ建ててもかまいません。気に入った墓所や墓石が見つかれば、生前に建てる人も増えています。
納骨までに建立が間に合わない場合は、四十九日以降、百箇日、一周忌、三回忌など法要に合わせて建てることが多いです。
特に、墓所を確保していれば四十九日までに建立が間に合うかもしれませんが、墓所を入手するところから始める場合はスケジュール的に難しい場合があります。
どうしても四十九日法要に間に合わせないといけない、ということはないので、焦って準備するよりは、じっくり検討し、ほかの仏事に合わせて建立するほうがいいでしょう。

すぐに建てられないときはカロートを利用する方法も

墓所はすでに用意していても、墓石を立てるのに時間がかかり、納骨までに間に合わない、という場合があるかもしれません。そんなときは、境界石とカロートだけをつくり、一旦遺骨を納めるという方法があります。カロートは、「納骨室(棺)」のことで、墓石の下(地下)に設けるスペースです。最近は地上に置かれるものもあります。墓所、墓石の大きさによりカロートの大きさはさまざまですが、大体1立方メートルほどの広さに5~8個の骨壺が納められるようになっています。カロートは日本語で「唐櫃(かろうど、からびつ)」からきています。
カロートを利用する場合は、境界石で自分のお墓の区画を明示し、カロートに納骨します。墓標には、木の板など木製のもので、戒名、俗名、生年月日、没年月日を記し、立てておきましょう。仮に納骨した形にしておき、墓石ができあがったらきちんと納骨すれば問題ありません。

墓石を建てるときは、予算や種類、デザインの十分検討を

実績があり、信頼できる石材店を見つけよう

墓石の建立は、まず墓所の購入が必要で、墓石代以外にも管理料や開眼法要など、まとまった費用が必要です。お墓の種類やデザイン、材質も数多くあるため、あらかじめ予算を決めた上で、信頼できる石材店を見つけることが大切です。
基本的に墓石を建てるタイミングは自由です。ですが、もし四十九日の法要に合わせて建てたい、などの希望がある場合は、石材店と十分に話し合い、間に合うようにスケジュールを進めていきましょう。

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