- HOME
- 喪主・遺族側の基礎知識
- 葬儀のお車代~金額の相場と表書き、渡し方とタイミング
葬儀のお車代~金額の相場と表書き、渡し方とタイミング
お車代は、葬儀や法事を行うときに必要となることがあります。お車代を渡すのは、基本的には僧侶であることが多いです。今回は、葬儀でお車代を用意する際の金額の相場や、渡し方などについてご紹介します。
葬儀で渡すお車代は「交通費」
お車代はお布施とともに渡すことが多い
お車代は、葬儀を行うときに、読経をあげてもらう僧侶に対して、お布施とともに渡すのが一般的です。元々お車代は、僧侶の送迎ができない場合に渡すものでした。現在は僧侶に足を運んでもらったことに対する交通費という名目で渡します。葬儀以外でも、四十九日や納骨、一周忌、三回忌と、法事を行うたびに必要になることが多いです。
僧侶へのお車代は不要なケースもある
葬儀でお車代を用意するのは、僧侶に葬儀会場へ足を運んでもらったときだけです。自分たちが寺院に出向いて葬儀を行う場合や、僧侶が移動するのに使う車をあらかじめ手配する場合、自分たちで送迎をするときはお車代を渡す必要はありません。
基本的に葬儀では親族にお車代を用意する必要はない
結婚式の場合は、遠方から来る親族に対しお車代を渡すことがあります。ですが、葬儀の場合は、基本的に親族にお車代を用意する必要はありません。葬儀は、招待して来てもらうものではなく、訃報を聞き、故人とお別れするために駆けつけるものだからです。
ただし、絶対渡さないというわけではありません。人によっては、お車代の代わりに、宿泊施設の手配をする場合もあります。気になる場合は、親族の意向を聞いて用意しましょう。
親族間でお車代の決まりがあれば従う
親族間で出し合う決まりがある場合は習慣にならいましょう。
ほかにも、葬儀だけでなく法事にも毎回来てくれる遠方の親族、弔辞をお願いした人などには、心遣いとして渡してもいい場合があります。
葬儀で渡すお車代の相場
実際にかかった費用プラスアルファが一般的
葬儀のとき渡すお車代の相場は、実際にかかった交通費にプラスして5,000~10,000円を渡すのが相場といわれています。僧侶がタクシーで来られる場合は、往復の料金にプラスしてキリのいい数字になるようお車代をお渡しする、というイメージです。
お車代に渡すお札は新旧どちらでもOK
葬儀では、お香典に包むお札は旧札というマナーがあります。ですが、お車代に関しては新旧どちらのお札でもかまいません。あまりにもボロボロのお札でなければ問題ないでしょう。
お車代の金額に悩んだときは周囲に相談しよう
葬儀のとき用意するお車代の金額は、お布施と同じく明確な決まりがあるわけではありません。地域によっては3,000円でいいケースもあれば、20,000円ほど包む場合もあるのが実情です。
どの程度包むのがいいのか悩んだときは、直接寺院に問い合わせても失礼にはあたりません。特に、僧侶が遠方から来る場合は、相場通りに用意するとなると、お車代も高額になると考えられます。あまりに高額になりそうな場合は、事前に寺院側と相談して決めておくといいでしょう。
寺院に相談してもはっきりと決まらない場合は、葬儀を経験したことのある親族や檀家の年長者、葬儀社のスタッフに相談してみるのもひとつです。
葬儀で渡すお車代の表書き
普通の墨で「御車代」や「御車料」
葬儀で渡すお車代の表書きは、「御車代」、「御車料」とするのが一般的です。「御」の字はひらがなにして、「お車代」、「お車料」でもかまいません。文字は毛筆か筆ペンを用いて、薄墨ではなく、普通の墨字で書きます。
お車代への氏名記入は地域や宗派により異なる
葬儀のときに渡すお車代は、袋の表面に氏名を書くことや、裏面や中袋に住所と氏名を書くかどうかは、地域や宗教・宗派で異なります。地域の慣習や、宗派のしきたりに従うといいでしょう。
氏名や住所を書くか書かないか分からないときは、寺院や年配の人に確認するほうがいいでしょう。葬儀社のスタッフも、地域や宗派に詳しいことが多いので、教えてもらえることが多いです。
お車代に氏名が不要とされる理由
地域によっては、何度も氏名を書くことを「不幸が続く」として忌み嫌うこともあるようです。お車代は葬儀のとき、お布施とともに渡すものです。「氏名を書かなくても分かってもらえるはず」というのも、氏名を書かない場合に多い理由です。ほかにも、袋の裏面や中袋に住所・氏名を書かないことで、「お返しは不要」という意味を示すこともあるようです。
お車代に氏名を書く場合の理由
一方で、氏名を書く場合は、葬儀を行う寺院側への配慮の意味があるようです。名前を書いてある方がどこから受け取ったか一目見てわかるからです。名前を書く場合は、フルネームか「〇〇家」とします。
お車代を入れる袋は白封筒でもOK
葬儀で渡すお車代を入れる袋は、不祝儀袋のほか、白封筒でもOKです。ただし白封筒は無地のものを用意しましょう。最近はあらかじめ、お車代と書かれたものが販売されています。表書きを書く必要がなく便利なので、利用するのもひとつです。
封筒は、袋の入り口をのりづけしてもしなくてもかまいません。ですが、のりづけする場合は、「〆」を書くのを忘れないようにしましょう。中袋があるタイプの袋を使う場合は、糊付けをしなくてもOKです。
葬儀におけるお車代の渡し方
お車代はお盆にのせてから渡す
葬儀でお車代を渡すときは、小さなお盆や、切手盆と呼ばれる四角いお盆の上にのせて渡すのがマナーです。渡すときは、表書きが僧侶から見て、正面になるように置いてから渡すようにしてください。直接手渡しするのはマナー違反になるので注意しましょう。
葬儀のときは、葬儀社から切手盆を貸し出してもらえることもあります。手持ちにない場合は、聞いてみるといいでしょう。
袱紗や供物もお車代のお盆がわりに使える
お車代をのせるお盆が手元にないときは、袱紗(ふくさ)の上においてもOKです。お布施とは別に供物を用意している場合は、供物をお盆がわりに使ってもかまいません。
袱紗(ふくさ)に包んである場合は、渡すときに袱紗(ふくさ)を開けてお布施やお車代を取り出してから、袱紗(ふくさ)の上にのせて渡しましょう。
お車代を渡すときは一言あいさつを
僧侶にお車代を渡すときは、一言お礼のあいさつをするのも大切です。
葬儀後に渡す場合は、「本日はお心のこもったお勤めをしていただき、誠にありがとうございました。些少ではございますが、こちらはお礼でございます。どうぞお納めください」などと伝えてから渡します。
葬儀前に渡す場合は、冒頭部分を「本日は(故人の名前)のためのお勤めをよろしくお願いいたします」に代えて伝えるといいでしょう。
葬儀でお車代を渡すタイミング
お布施を渡すタイミングについては、特に決まりはありません。葬儀後に僧侶をお見送りする時や、葬儀前に控室であいさつをするときに、頃合いを見計らってお布施と一緒に渡しましょう。
寺院が近くにある場合は、葬儀の翌日、改めてお礼に伺うときに渡してもOKです。
お車代はお布施と一緒に葬儀前後に渡すのが一般的
お車代について悩んだときは寺院や周囲に相談を
葬儀でお車代を渡す相手は、多くの場合、読経をしてもらう僧侶に対してだけです。ですが、親族間で取り決めがある場合や地域の慣習があれば、それにならいましょう。お車代に包む金額の相場は、実費にプラスして5,000~10,000円が主流です。地域差もあるので、分からないときは遠慮なく寺院や周囲に相談して対応しましょう。
お車代を渡すときは慣れない作法に戸惑うかもしれませんが、直接手渡さないということだけ気をつければ、そんなに堅苦しく考えなくても大丈夫です。作法にとらわれず、感謝の気持ちを伝える、ということを第一に考えるといいでしょう。