2019.5.10

葬儀の靴マナー~お葬式に履いていい靴・ダメな靴は?男女・子供別で解説

葬儀の靴マナー~お葬式に履いていい靴・ダメな靴は?男女・子供別で解説

葬儀参列にあたり気になる服装マナー。靴についても何がふさわしくて、どんな素材・デザインはNGになるか、不安ですよね。訃報を聞いて急に駆けつけることになっても慌てないよう、葬儀にふさわしい靴、ダメな靴の基準を知っておきましょう。

葬儀の靴、基本は黒

デザイン性のある靴は黒でもNG

葬儀にふさわしい靴は、男女ともに布地や合成皮革、本革などの素材で、黒色が適しているといわれています。

とはいえ、黒ならなんでもいいというわけではありません。黒でもデザイン性のある靴は葬儀の場にはふさわしくないとされています。

例えば型押しの革靴や模様や装飾が目立つ靴は一般的にNGです。ブーツやブーティ、スニーカーのようなカジュアルな印象のあるもの、サンダルやミュール、オープントゥなど露出が多い靴も避けたほうがいいでしょう。

葬儀は厳粛な場であることを意識し、極力シンプルなデザイン、素材の靴にするのがベストです。

スエード・エナメル素材の靴は避ける

葬儀に履く靴は革や、エナメル素材も避けるのがマナーです。特に、ワニ革やヘビ革など爬虫類の革は、直接的に殺生を連想させるためNGです。

一見上品な印象のあるスエードやベロアも革製品のひとつです。殺生のイメージが強く、カジュアルな印象に感じる人もいるため、葬儀で着用するのは避けたほうがいいでしょう。

本革に関しては、かつては殺生のイメージから避けるべきとされていましたが、現在は革製の靴を着用する人も多く、スムース革であれば問題ないといわれています。ただし、なるべく光沢を感じないものがいいので、男性の場合は革靴の磨き方で調整をしてもいいかもしれません。

エナメル素材は、光沢が華美な印象を与えることがNGとされる理由です。一般的に問題ないとされる布地も、ツヤのあるサテンは華やかな印象が強いため避けたほうが無難です。合成皮革であっても、ツヤ感のあるものは着用を控えましょう。

靴の中敷きまで気を配る

葬儀では靴の中敷きまで気を配ると、より丁寧です。靴を脱ぐ機会がある可能性を考え、黒もしくは紺やグレー、ベージュなど目立たない色にしておくと安心です。時間に余裕があれば、100均で一時的に隠すのもひとつです。

茶色の靴もNG

ビジネスシーンでは茶色の靴でも問題ない場合が多いですが、葬儀ではNGです。黒に近いこげ茶であっても不適切とされています。

茶色だけでなく、シルバーやゴールド、カラフルな靴はもちろんのこと、グレーや濃紺も葬儀で着用するのは避けたほうが無難です。急なお通夜では意見が分かれるようですが、基本的に葬儀で履く靴の色は黒一択と考えたほうがいいでしょう。

葬儀にふさわしい男性の靴

黒のビジネスシューズが一般的

男性の場合、葬儀で履く靴はビジネスシューズというのが一般的です。ツヤ感がない、フォーマルなデザインの紐靴を選べば問題ないでしょう。

内羽根のストレートチップが基本

男性のビジネスシューズのデザインはいくつかありますが、葬儀には内羽根のストレートチップかプレーントゥがよいといわれています。

内羽根タイプとは、靴ひもを結ぶ部分(羽根)とつま先・甲の部分が一体化しているデザインです。靴紐を結ぶ革の部分が靴の内側に縫い付けられているため、靴紐をほどいても羽根があまり広がらないのが特徴です。

羽根が広がらないことで見た目にも上品な印象があるため、葬儀以外のフォーマルな場に備えて1足持っておくと便利なデザインです。

ストレートチップとは、つま先部分に横一線のステッチが入ったもの、プレーントゥはつま先に何もラインやデザインがないタイプのデザインが特徴です。

ビジネスシューズのデザインは内羽根タイプと反対の外羽根タイプもあります。外羽根タイプは靴紐を結ぶ部分(羽根)がつま先・甲と一体化していないため、紐をほどくと羽根が大きく開いて動きやすいのが特徴です。

外羽根タイプは動きやすさからビジネスシューズに適していますが、カジュアルな印象が強いため、葬儀には不向きとする意見が一般的です。

靴の素材は合皮かスムース革

ビジネスシューズの素材については、合皮やスムース革であれば葬儀に着用可能です。殺生を連想させる型押し革やクロコ革などは避けましょう。

靴紐の結び方はシングルがベター

一般的にフォーマルな靴の結び方は、主にシングルとパラレルとに分かれます。葬儀の場には、しっかりと引き締まるシングルの結び方がふさわしいとされています。

<シングルの結び方>

  1. 一番下(つま先革)の両穴に上から紐を通し、右紐を左の穴の一番上(足首革)に通す。左の紐を長めにしておくとうまく結びやすい。
  2. 左の紐を下から2段目の右穴に下から通し、2段目の右穴上から出ている紐を2段目の左穴に上から入れる。1段目と2段目の靴紐が水平になっていればOK。
  3. 3段目以降も同じように進め、最後は一番上に通していた紐と結ぶ。

ウィングチップのデザインは避ける

男性のビジネスシューズにはストレートチップ、プレーントゥ以外にウィングチップもあります。ですが、ウィングチップは葬儀の場には不向きです。つま先に複雑な模様が入っており、華美な印象を与えるためです。

ウィングチップ以外に、切り返しのデザインが入ったUチップもカジュアルな印象があるため、葬儀での着用は控えましょう。

金具がついている靴もNG

男性の場合、ビジネスシューズによくみられるビットシューズや靴紐を通す穴に金具の装飾が施されたメダリオンなども避けたほうが無難です。金具のついている靴は見た目に派手な印象があるためです。たとえフォーマルなデザインであっても、極力装飾がないものを選びましょう。

ローファー、紐のない靴も葬儀には不向き

葬儀にはローファーや紐のないスリッポン、ストラップで留めるモンクシューズなどもNGです。革靴なら問題ないのではと思われるかもしれませんが、紐のない靴はカジュアルな印象が強いためです。

ただし例外として、学生の場合はローファーでも許されることがあります。

葬儀にふさわしい女性の靴

シンプルな黒パンプスが基本

女性が葬儀で着用する靴は、黒のパンプスがベストです。男性と同じように装飾が少ないシンプルなデザインのもので、光沢のあるものや動物の革や型押し革などの素材は避けましょう。和装で参列する場合は、黒い「喪履き草履」と呼ばれる台や鼻緒が黒い草履を合わせるのがマナーです。

男性に比べ、デザイン性が幅広い女性の靴ですが、先のとがったポインテッドトゥは攻撃的に見えることから葬儀では避ける人が多いようです。足の形に合った、きゅうくつでないものを選ぶのが第一ですが、できれば鋭角より少し丸みのあるデザインを選ぶほうがいいかもしれません。

歩きやすいストラップタイプも、金具が華美に見えたり脱ぎ履きがスムーズにできないこともあるので、葬儀には不向きとされています。つま先を露出するオープントゥもカジュアルな印象があるためふさわしくないと考えるのが一般的です。

ヒールは3~5㎝が一般的

女性のパンプスはデザインだけでなくヒールの高さもさまざまですが、葬儀では3~5㎝が理想といわれています。高すぎるヒールは派手な印象を持たれやすく、低すぎてもカジュアルな印象を与えやすいからです。

ただし、ご高齢の方や足を痛めている人、妊娠中などの場合は、ヒールを履くほうが危険の場合もあります。あくまで一般的なマナーとして頭に入れておきましょう。

ピンヒールは避ける

ヒールの高さ以外に、太さや形にも気を配ると丁寧です。例えばピンヒールは華美な印象を与える可能性があり、歩いた時にヒールの音が出やすいことから葬儀の場では避けるのが一般的です。

とはいえ、歩きやすさや安定性が高いウェッジソールも、カジュアルな印象があるため不適切とされています。少し太めで一般的なヒールを選ぶのが無難といえそうです。

靴の素材は布製が正式

女性が葬儀で履く靴の素材は、本来は布製が正式といわれています。ですが、一般的にポリエステル・合成革・本革でもツヤや光沢がないものなら問題ありません。

一方で、布製でもツヤがあるサテンなどは華やかな印象になりやすいので着用は控えたほうがいいでしょう。

リボンのついていない靴が無難

女性の靴にはリボンがついた上品なデザインのものもありますが、葬儀では何もついていないものを選ぶのがベストです。黒く小さいリボンなら大丈夫と考えがちですが、基本的にリボンはカジュアルとみなされることが多いです。

リボン以外に、刺繍が入ったものやお花や金具などデザイン性の高い靴も着用を控えましょう。

葬儀参列時の子供の靴マナー

できるだけシンプルで暗めの色の靴を

子供が葬儀で履く靴に関しては、できるだけシンプルなデザインで暗い色の靴を履くのが一般的です。黒や紺、こげ茶など地味な色のもので、ツヤや装飾がなるべくないものを選ぶほうがいいでしょう。

成長により靴を買い替える頻度が多い子供は、大人より許容範囲が広く、厳密なマナーがあるわけでもありません。とはいえ、葬儀という場を考えて、ふさわしい色やデザインを意識することが最低限のマナーといえそうです。

葬儀の靴は黒のシンプルな靴がベスト

ファッション性のある靴は控えるのがマナー

葬儀で履く靴は、年齢性別に関係なく黒のシンプルなデザインのものがベストです。黒でも光沢がある素材や殺生を連想させる革などは避けましょう。普段であれば、流行のデザインや自分の好み、似合うかどうかを考えてコーディネイトできますが、葬儀は普段と違ったフォーマルな場です。ファッション性を求められる場ではありません。まずはマナーを守ることを意識しましょう。場にふさわしい靴を着用することで、故人を悼む気持ちが周囲にもきちんと伝わるはずです。

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