四十九日法要の準備と一般的な流れ
四十九日法要は、葬儀後の法要の中でも節目となる儀式です。葬儀後あまり時間がない中、準備をはじめることになりますが、一つずつ確実に段取りをしていきましょう。
今回は四十九日法要の準備や流れについてご紹介します。
四十九日法要の準備
- 日時の決定
- 法要の式場を決定
- 僧侶に依頼する
- 招待客に連絡する
- 本位牌や仏壇の手配
- 会食の手配
- 引き出物の準備
- お布施の準備
- 法要前の掃除
日時の決定
四十九日法要の準備では、まずいつにするか日時を決めましょう。
出席者の都合も考え、できるだけ早めに決めることが大切です。葬儀の精進落としのときに案内ができるくらいでもかまいません。
四十九日法要は、本来亡くなった日から数えて49日目に行うものですが、平日は集まりにくいため、土日に行うのが一般的です。日にちをずらして法要を行う場合は、49日目より前倒しにします。
式場の決定
法要の式場は自宅、寺院のほか、霊園やセレモニーホールを利用するという選択肢があります。
菩提寺があれば寺院で行うことが多いですが、地域によっては法要を自宅で、という場合もあります。
霊園や式場を借りる場合は、混み合う場合もあるので、当日借りられるかどうかを早めに確認し、予約しましょう。会場を借りる場合は使用料がかかることもあります。場所によって異なりますが、30,000~50,000円ほど考えておくほうが良さそうです。
僧侶への依頼
四十九日法要の日時を決めるのと並行して、僧侶にも依頼しましょう。希望の日時があっても、僧侶の都合が悪い場合もあるので、なるべく早めに相談するのがベターです。
葬儀・告別式のときに相談しておくのもいいでしょう。
四十九日法要とあわせて納骨も行う場合は、納骨法要も依頼しましょう。
菩提寺がない場合は、葬儀社に相談すると紹介してもらえることがあります。
招待客に連絡する
四十九日法要は、遺族と親族以外にも、故人と親しかった友人・知人など、ほかの法要に比べ広く招待します。
招く人が決まったら、案内状を送付します。人数が少ない場合は電話でもかまいませんが、正確に日時、式場が伝わるよう配慮しましょう。
本位牌や仏壇の手配
位牌には2種類あり、四十九日法要までは白木の位牌ですが、法要後は本位牌になります。
本位牌は戒名の文字入れが必要ですが、完成まで1~2週間ほどかかります。四十九日法要までに間に合うように手配しましょう。
新しく仏壇を購入する場合も、余裕を持って到着するよう手配することが大切です。
どちらも法要の2週間前までに整えるとスムーズです。
会食の手配
法要のあとは会食を行うのが通例です。自宅で行う場合は仕出し料理を手配することが多いですが、寺院や式場などを借りる場合は、近くのレストランや料亭を利用してもいいでしょう。
会食を行わない場合は、何かしらの引き出物と一緒に折り詰めの料理とお酒の小瓶を渡します。
会食の場所が決まったら、早めに予約をしておきましょう。予約の際、法事で利用することを伝えておくと、料理の間違いがないはずです。
引き出物の準備
法要の招待客には、一世帯に一つずつ引き出物を渡します。金額は地域差があるものの、一般的に2,000~5,000円ほどになるように、華美にならないように用意します。お菓子や海苔など日用品を渡す人が多いようです。
招待客の数が多い場合は、ギフトショップなどに依頼し、会場へ届けてもらうように手配してもいいでしょう。
お布施の準備
法要では僧侶に読経をあげてもらうので、お礼として渡すお布施も用意しておきましょう。
お布施の金額はお寺によって異なりますが、平均30,000~50,000円ということが多いようです。法要の規模や寺院、僧侶の格式、日ごろの付き合いの程度によっても変わってくるので、分からない場合は直接寺院へ尋ねてもかまいません。直接尋ねてもはっきりしない場合は、同じ檀家の人に相談してみるのもひとつです。
お布施以外にも、僧侶に四十九日法要の式場まで足を運んでもらう場合はお車代を用意します。お車代は5,000~10,000円ということが多いです。タクシー代プラスアルファで考え、キリがいい金額にしましょう。ただし、もし自分たちで送り迎えをした場合や、車を差し向けた場合はお車代を用意する必要はありません。
僧侶が会食せずに帰る場合は、御膳料も渡します。御膳料も5,000~10,000円が主流です。金額は食事代プラスアルファでキリのいい数字にしましょう。
法要前に掃除する
自宅で四十九日法要を行う場合は法要に使う部屋の掃除や整頓もしておきましょう。
邪魔になりそうな家具や照明は一時的に移動し、仏壇も部屋の中央に配置します。供物や供花も仏壇に供えておきましょう。
寺院や霊園、式場を借りる場合は事前の掃除はほとんどいりませんが、供物や供花は持参し、当日は招待客より早めに到着し、出迎えることが大切です。
四十九日法要の流れ
- 読経
- お焼香
- 法話
- 開眼法要
- 納骨法要
- 会食
四十九日法要は、僧侶が着席した時点で開式となります。読経の前に施主が一言あいさつする場合もありますが、そのまま読経、参列者のお焼香、僧侶による法話と続くこともあります。僧侶によっては法話がない場合もあるので、僧侶到着時に確認しておくといいでしょう。読経から法話までが大体1時間くらいになる目安です。
お焼香は故人と関係の深い順が基本ですが、あまり厳しい決まりはないので、席順で行ってかまいません。お焼香のお作法についても、故人の宗派に従えば丁寧ですが、自分の宗派の作法で行ってもかまいません。
法話のあと、位牌や仏壇の開眼法要を行います。開眼法要とは、魂入れとも呼ばれる、位牌や仏壇などに霊魂を入れる法要です。位牌や法要は、そのままだとただの箱に過ぎないですが、開眼法要をすることで聖なるものになります。四十九日法要まで安置していた白木の位牌から魂を抜き、本位牌へと魂を入れ替え、安置します。
四十九日法要と合わせて納骨を行う場合は、墓前で納骨法要を行います。
お経をあげ、骨壺をお墓に納めます。墓石を新しく建立した場合は、ここでも開眼法要を行ってから納骨を行います。
法要がすむと、会食へと移ります。僧侶が参加しない場合は、ここで退場するので、お布施を渡しお礼を述べましょう。
会食では、最初と最後に施主があいさつを行います。忙しい中来てくれたことと、無事に法要が終わったことのお礼などを伝えましょう。
席は基本的に自由ですが、最上席には正客となる僧侶に座ってもらい、施主や家族は末席に座ります。
四十九日法要の目的
仏教では、人は亡くなったあと、49日間はこの世とあの世とをさまようといわれています。遺族は49日間の間、7日ごとに法要を行うのは、故人の霊の冥福を祈るためです。
亡くなって49日目にあたる日は、冥途で閻魔大王の裁きを受け、故人の霊が極楽へ行けるかどうかが決まる大切な日なので、法要の中でも特に大切な意味があるとされます。
遺族は49日間を忌中とし、喪に服しますが、四十九日の法要後に忌明けとし、徐々に日常生活へ戻っていく境目の日でもあります。四十九日のことを、地域によっては満中陰、尽中陰と呼ぶこともあります。
四十九日法要は節目の大切な儀式
日程調整から一つずつ準備しよう
四十九日法要は、故人の魂にとっても、遺族にとっても一つの節目となる大切な法要です。葬儀後、1ヵ月あまりで行うことになるので、準備期間はあまりありませんが、日取りや式場を決めるところから、一つずつ進めていきましょう。
本位牌や仏壇は、法要に間に合うように手配することが大切です。
分からないところは寺院や周りの人にも相談しつつ、準備を進めましょう。