葬儀・お葬式をすることになったら~喪主・遺族が知っておくべき葬儀準備の基礎知識
葬儀・お葬式は、誰しも一度は喪主や遺族側の立場となり、行う可能性があるものです。
満足いく葬儀・お葬式にするためにも、知っておきたいポイントをご紹介します。
葬儀・お葬式の準備は「突然」はじまる
大切な人が病床にあれば、ご家族やご親族は生還し快癒することを祈り、少しでも長く生きていてほしいと願うものです。とはいえ、葬儀・お葬式を行うタイミングは、いつも「突然」訪れるものです。
葬儀準備の時間は短い!わずかな時間で多くを決める
準備時間は死亡直後から通夜開始まで
葬儀の準備は、臨終の宣告を受けたときから始まります。大切な人を亡くし、悲しみ深いときですが、喪主・遺族として、葬儀にまつわるさまざまなことを決定し、準備しなければなりません。準備は通夜開始までの短い時間しかないため、喪主や遺族にとっては、慌ただしく感じるでしょうが、サポートしてくれる人たちと連携して、一つずつ準備を進めていきましょう。
葬儀会社に依頼する
葬儀の準備をするにあたり、心強いサポート役となるのが葬儀会社です。
葬儀会社とは、ご遺体の搬送や安置の依頼や、お葬式の日程や会場など、葬儀全体のサポートや、打ち合わせを行うことになります。満足いくお葬式ができるよう、信頼できる葬儀会社を選びましょう。
ご親族や宗教者、関係各所への連絡
葬儀を行うとなると、ご親族や菩提寺など、周囲の協力も必要です。ご親族には葬儀会社との打ち合わせと並行して連絡をし、お世話になる菩提寺や宗教者には、葬儀の依頼をしましょう。友人・知人など関係各所への連絡も、ご遺族やご親族で手分けして行います。
役所への手続き
葬儀までには、医師から死亡診断書を受け取り、役所へ死亡届の提出や、火葬許可証の申請も必要です。手続きは代行も可能です。葬儀から火葬までスムーズに行うために、周囲の力も借りつつ忘れずに手続きを行いましょう。
葬儀の日取りは、基本、斎場・火葬場の混雑次第
葬儀の日程は葬儀会社との相談ですが、都心を中心に人口が多い地域では、斎場や火葬場が混雑していることも多いです。お葬式は一般的に、亡くなってから葬儀・告別式まで3日間の間に行いますが、必ずしも希望通りのタイミングでできるとは限らないのが実情です。
基本的には、斎場や火葬場の空き状況に合わせて、葬儀から火葬を行うことになるでしょう。
お葬式の費用はどのくらいかかる?葬儀費用の相場
喪主や遺族の立場でお葬式を行うというのは、長居人生の中でもたくさんあるというわけではありません。むしろ初めて経験するという人や、慣れていない人のほうが多いかもしれません。お葬式で準備とともに気がかりなことといえば、葬儀にかかる費用です。
葬儀費用の全国平均は200万円近い
葬儀の形式は多様化していますが、ある程度まとまった費用は必要です。
日本消費者協会の調べでは、葬儀全体にかかる費用は、全国平均で195万円といわれています。
費用の内訳は、ご遺体の搬送を含む葬儀一式の費用が約121万円、通夜や葬儀で参列者にふるまう飲食代が約30万円、寺院をはじめ宗教者への謝礼が約47万円となっています。
お葬式の費用というと、葬儀一式の費用に目がいきがちですが、飲食代や謝礼金も合わせた総合的な金額で準備する必要があります。
葬儀形式をどうするかが、葬儀費用を抑えるポイント
葬儀の費用は飲食代や謝礼金も含め、総合的に考えることになりますが、葬儀費用を抑える大きなポイントは、葬儀形式をどうするかです。なんといっても、内訳の大部分を占めるのが葬儀一式の費用だからです。 例えば、一般的な葬儀に比べ、家族や親しい人だけで行う小規模な家族葬や、宗教的儀式を行わない直葬(火葬式)にすると、必要な葬儀一式の費用はずいぶん抑えられます。
家族葬や直葬などの形式にすると、参列者数も少なく、宗教的儀式を行わないという選択もできるので、飲食代や謝礼金も抑えることにもつながります。
葬儀の形式については、地域によって慣習やしきたりが影響することも多く、人によっては盛大な葬儀をするほかないかもしれませんが、葬儀費用を抑えるのであれば、まずは葬儀の形式を見直すのが有効な手段のひとつです。
さまざまなサービスを活用
多くの自治体では、葬儀を行うにあたり、葬祭費の支給が行われているほか、葬儀に特化した保険のようなサービスもあります。さまざまなサービスを上手に利用することで、葬儀費用を抑えられる可能性があります。
葬儀を手配する前に…喪主・遺族が知っておくべきポイント
葬儀費用・見積もり項目は明確か
葬儀会社に依頼するときは、必ず費用の見積もりを取りましょう。
費用の項目は、棺、棺用の布団、遺影、枕飾り一式、白木位牌、骨壺などから、ご遺体の身支度に使う仏衣、会葬礼状まで多岐にわたります。 意外と見落としがちなのが、葬儀に携わるスタッフの人件費です。請求を見てびっくりすることがないよう、見積もりの段階から提示されているか、チェックしましょう。
一般的に「葬儀費用一式」と書かれている費用の内訳は、葬儀会社によって、含まれるもの、追加料金が発生するものが異なります。例えば、ご遺体の搬送料や安置料、ドライアイス代はオプションになることが多いです。反対に、葬儀会社の中には、葬儀場の利用料金や祭壇の費用、火葬料まで含めた費用となっていることもあります。
見積もりをとったら、一つひとつの項目をしっかり確認しましょう。
故人・遺族の希望にかなうプランか
盛大な葬儀、こじんまりと親しい人たちだけで行う葬儀など、お葬式をどのような形で行うかは、故人の遺志も尊重することが大切です。 故人にとってみれば、お葬式はこの世で最後のセレモニーだからです。最近は終活のひとつとして、エンディングノートを残す人も増えています。もし故人が自分の葬儀について、「こうしてほしい」という希望を残していた場合は、なるべく希望を反映した葬儀にしたいものです。
もちろん、実際執り行うのは喪主をはじめ遺族なので、予算内で納めることも重要な要素です。故人の社会的地位や、交流の広さ、希望も考慮しつつ、残された遺族の経済面とも折り合いがつくような葬儀にすることが、満足いく葬儀にするために必要といえるでしょう。
葬儀会社 担当者の説明はわかりやすいか
お葬式を行うとなると、葬儀の形や費用に意識が向きがちですが、葬儀会社との相性も、重要なカギを握っています。 親身になって相談を聞いてくれるか、説明は分かりやすいか、希望に沿うような葬儀のプランを提案してくれるか、相談したことに対して迅速に対応してもらえるか、見積もりは分かりやすさなどを、しっかり吟味しましょう。
葬儀会社は病院や知人から紹介される場合もあれば、自分で広告やインターネットを通じて探すこともあります。さまざまな葬儀会社がある中で、一番身近なサポート役となる葬儀の担当者との相性がいいことが、振り返ったときにいい葬儀だったと思えることにもつながるはずです。
葬儀会社選びが重要な理由
葬儀会社は葬儀・お葬式の施工全体を支える「黒子」
喪主や遺族は、葬儀の準備から終わるまで、慣れないシチュエーションの中、参列者の応対や進行に追われます。大切な人を失ったばかりで、悲しみや動揺を抱えつつ準備をするのは大変なことです。
そんな喪主や遺族を、葬儀会社の担当者が、喪主や遺族をどれだけフォローし、サポートしてくれるかは、精神的な負担の軽減とともに、葬儀全体のスムーズな進行にも大きく関わります。
葬儀会社の存在は、ご遺体を搬送するだけ、葬儀をちょっとお手伝いするだけのスタッフではありません。役所への手続き代行や、各所へ訃報の連絡、供物・供花手配の取りまとめなど細かい部分から、葬儀会場設営、外部業者との折衝まで、「黒子」的な存在でありつつ、お葬式全体を支える存在ともいえます。
葬儀への希望が叶うかは、葬儀会社の対応力で決まる
残念なことに、葬儀会社の中には説明を省き、すぐに契約を結ぼうとするなど、喪主や遺族の気持ちより、自社の利益や効率を優先するような葬儀社があるのも事実です。
故人の遺志に沿い、喪主や遺族の希望に叶った葬儀にするためには、葬儀会社の対応力がどの程度あるかでも変わってくるでしょう。
葬儀会社の対応力は、会社の規模が大きい、小さいで一概にはかれるものではありません。見極めるポイントとしては、希望を聞いた上でいくつかの選択肢を提示してくれるか、葬儀内容の決断を急がせず、迷っている場合は「こんなプランはどうですか?」と葬儀プランを提案してくれるなどが考えられます。
ほかにも、資料を請求したとき迅速に対応してくれるか、分かりやすいパンフレットづくりが行われているか、見積もりの段階で費用の説明をきちんとしてくれるか、規模の小さな葬儀の相談でも親身になって聞いてくれるかなども合わせ、チェックしましょう。
信頼できる葬儀会社を選び、故人との最期の時間を大切に
葬儀・お葬式は、喪主や遺族にとって、亡くなった大切な人と過ごせる、最期の時間です。準備に追われ、当日も慌ただしく対応に追われる中、少しでも弔いに集中するには、葬儀会社のサポートが必要不可欠です。
スムーズな葬儀・お葬式を執り行えるようにするためにも、細かい部分までフォローしてくれるような、信頼できる葬儀会社を選びましょう。